不動産トピックス

商業ビル最前線

2006.02.06 12:21

日本SC協会 SCビジネスフェアに2万2000人の来場者 ベストプレゼンテーション賞を発表東神開発・神戸屋などが金賞を受賞
 (社)日本ショッピングセンター協会は、先月24日(火)から26日の3日間、パシフィコ横浜「展示ホールA・B」にて、SCビジネスチャンスフェアを開催した。
 このイベントには、ショッピングセンター業界に係わるディベロッパー、PM会社、アパレルなどの専門店、SC関連企業などが集い、出展企業数214社、出展小間数は368小間となった。
 各ブースでは、事業概要やサービス内容の紹介が盛んに行われ、SCビジネスに携わる者同士の交流が図られた。総来場者数は2万2000人である。
二日目の展示会終了後には、出展者交流パーティが行われた。各出展企業から530名が出席している。
 また、その席では各出展ブースの中から、装飾や接客のパフォーマンスのよい企業を選ぶ、「ベストプレゼンテーション賞」が発表され、授賞式が催された。賞は各部門ごとに、金賞と銀賞2つと場合によって特別賞が用意されている。
 まず、ディベロッパー部門では、金賞に東神開発、銀賞に三井不動産・ららぽーと、京急グループが選ばれた。
 次に、専門店部門では、金賞に神戸屋、銀賞にワールド、ブルックスブラザーズ、特別賞にはネクストエッジが選ばれた。最後に、関連企業部門では、金賞にエイムクリエイツ、銀賞にパルコスペースシステムズ、銀賞にジャパンドームハウスが受賞することになった。各賞受賞企業には、日本ショッピング協会会長、岩崎雄一氏から記念品が贈られた。
 同協会では来年度もこのイベントの開催を予定している。同協会専務理事大甕聡氏は話す。
 「今年は前回の来場者数1万6000人を大幅に上回ることができました。来年度はさらに集客を伸ばしたいです」

<飲食ビルオーナーインタビュー>千松島 入居飲食店に自社ブランドの清酒卸す 国分町に3棟の商業ビルを経営
―元は造り酒屋だったそうですね。
菅原 1660年に仙台市青葉区に創業しました。東北最大の飲食店街である国分町で、自社ブランドの清酒「千松島」を醸造しています。現在も業務は続けているのですが、規模を縮小して行っています。ビルの経営は、国分町の戸建だった土地に昭和45年に千松島ビルを竣工させたのが始まりです。現在は他に2棟のビルと駐車場も運営しています。どれも飲食店ビルとしての用途で、現在も入居者に当社の清酒を卸しています。醸造する費用が高くついているため、ほとんど利益にはなっていませんが、一つのテナントサービスにはなっているのではないでしょうか。千松島ビルには、仙台名物の牛タン発祥の店「太助」の本店が入居しています。ビルが竣工して3年後に入居しました。それまで捨てられていた牛の舌を料理にしたのが「太助」が最初なのです。そこでも当社の清酒が飲めるので、ぜひ来ていただければと思います。
―飲食店ビルで苦労する点は。
菅原 景気のいい時はいいですが、やはり景気が悪くなり客足がにぶると個人運営のお店が多いだけに、賃料の滞納などが増えてきます。国分町の場合は、近年、古くからあった料亭が政治家や官僚への接待の場として使用され汚職が続発したことで、客足が引いて軒並み潰れてしまいました。今は、1軒しかありません。それに伴って、国分町全体の景気が冷え込んでいます。賃料の相場で言えば、バブル期の一番いいときが坪約2万円で現在は1万円台前半となっています。私のビルでは、スナックが夜逃げしたり、賃料滞納した飲食店を強制執行で退去させたりと、近年はトラブル続きで悩みの種が尽きません。昨今は景気に回復の兆しがあると言われていますが、飲食産業が活気付くのは一番最後といわれています。国分町の各テナントに利益がまわってくるには、あと2、3年はかかるのではないでしょうか。今、周辺地権者とともに道路拡幅工事を行政に要請しており、客足がもどってきた時に安全な街にしておきたいと考えています。

<scニュース>ダイヤモンドシティ 子会社のSC運営会社を吸収合併 重複業務を排除し経営効率化を図る
 商業施設の運営管理を行う、ダイヤモンドシティ(東京都渋谷区)は、来月3月1日に、子会社であるダイヤモンドファミリー(大阪市中央区)を吸収合併することを発表した。
 同社の出資子会社であるダイヤモンドファミリーは、同社と近畿日本鉄道の合弁により、昭和45年12月に、設立されている。以来同社は、奈良ファミリー、京都ファミリーの両ショッピングセンターの運営管理を行ってきている。
 昭和57年11月の京都ファミリー開店後、ダイヤモンドファミリーとして同社が手がける新規物件は現在まで開発されていない。また、平成15年に奈良ファミリーを、昨年に京都ファミリーを売却した上で、同時に、それらの施設のPM業務のみを受託することになった。それにより、ダイヤモンドファミリーの業務内容を不動産の所有運営から、運営・管理に特化していくことになった。結果、資産規模、事業規模が縮小され、業務範囲も縮小された。
 今後も、ダイヤモンドファミリーとしての不動産の取得・開発等による事業拡大は予定されていない。
 このような状況の下、親会社と子会社の重複業務を排除するなど、更なる経営効率強化を目指すため、今回、子会社の吸収合併を実施することになった。既に、先月11日に取締役会にて合併契約書が締結され、同26日に合併契約書承認株主総会が開催され承認された。合併方式は、ダイヤモンドシティを存続会社とする吸収合併方式で、ダイヤモンドファミリーは解散することになる。
 また、ダイヤモンドシティは、近鉄百貨店が保有するダイヤモンドファミリー株式を買い取り、同社を100%子会社として吸収合併することになる。そのため、この合併による新株式発行および資本金の増加はない。

<商店街だより>全国商店街加入促進サミット開催
 世田谷区商店街連合会、世田谷区商店街振興組合連合会、東京都商店街振興組合連合会は、今月27日16時から18時まで、世田谷区パブッリクシアター(世田谷区太子堂411キャロットタワー3階)にて、全国商店街加入促進サミットを開催することになった。このイベントは、世田谷からスタートした商店街加入促進活動が、東京の各地さらに全国へと広がりを見せている現状を踏まえ、地域コミュニティの核として商店街を見直すという意義で行われる。プログラムは、第一部は、福島大学教授鈴木浩氏による「加入促進活動の意義(仮)」と題した基調講演。第二部は、主催者により新規条例制定市区町村の紹介が行われる。第3部は、パネルディスカッション「商店街は期待されている(仮)」と題したパネルディスカッションで、パネリストに世田谷区商店街連合会理事長の桑島俊彦氏、NPO法人エコミュニティー・ネットワーク代表理事の加藤敏春氏、法政大学教授の松島茂氏らを迎える予定だ。

<商業サポート企業 ホームページ編>ゼロ・ネット 店舗のHPをプロデュース 施設内や商品の撮影を請負いWEBと店舗の連動企画も考案
 ゼロ・ネットはインターネットを通じた、商業店舗のプロデュース、マーケティング、それにともなうWEB制作を行っている。代表取締役の橋本徹氏は話す。
 「既存のあり合わせ素材をばらばらに組み合わせてウェブサイトを立ち上げても、自社のブランド価値を高めたり、集客を図ること難しい。精緻なマーケティングによるコマーシャルコピーやキャプション原稿の執筆構成から、商品・店舗などのデジタルフォトによる撮影にいたるまで、ウェブのコンテンツ全体にわたったプロデュースを行います」
 同社が手がけた店舗ホームページは、全国各地にチェーン展開している日本料理店「さかえや」、首都圏を中心に15店舗展開している焼鳥店の「今井屋本店」などがある。また、飲食店以外では、山陰・三朝温泉「万翠楼」などの旅館・ホテルといった施設もある。
 「単純にHPを充実させるだけではなく、例えば、割り箸のふくろなど店舗内で目が行くところにURLを効果的にプリントするなど、店舗運営と連動して販促を行っていきます」(橋本氏)
 また、既にHPの枠組みがあり、サイトのリニューアルを行う場合の相談も受け付けている。施設内や商品など必要な画像は同社で撮影を請け負っている。
 最初の相談を受けるコンサル、意向に沿った基本プランの作成と見積もりの提示までの段階では、料金は無料である。ウェブサイトの企画内容や規模、制作にあたって実際に必要となる作業項目の種類や構成内容が大きく異なるため、プロデュースにあたっては、依頼案件ごとに、個別の見積もりを出す形となる。
 なお、契約期間は月次ベース(6ヶ月または1年)としている。




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