不動産トピックス
商業ビル最前線
2006.02.13 15:15
<商業ビルオーナーインタビュー>伏見商事 坪1万円の賃料に値下げし満室稼動実現 ラーメン店FC事業は規模縮小
―第一伏見ビルは、現在満室稼動していますね。
船越 昭和44年に京急川崎駅前に竣工した商業ビルで、ラーメン店、麻雀店、和食店などが入居しています。満室稼動の要因は、賃料を落としているからだと思います。現在、坪約1万円で貸し出しています。周辺のソリッドスクエアやミューザ川崎などの大型ビルは坪2〜3万円と言われており、自ずと入居が難しい店舗が出てきます。そういった店舗に狙いを定め、安さと使い勝手の良さをアピールして誘致してきました。ただし、割安感のみで入居してくるテナントは長続きしない傾向もあり、難しい面があります。
―ラーメン店のFC事業も手がけているそうですね。
船越数年前までは川崎市内に8店舗経営していましたが、現在は1店舗に縮小しました。ラーメンブームに便乗して開始しましたが、味の流行り廃りの激しい業界で、経営する立場としても、テナントとして入居させるビルオーナーの立場としても、その魅力に疑問を感じてきています。昨今は、ラーメンをテーマにしたフードテーマパークが相次いで閉鎖されている状況もあり、大きく展開するのは難しい業種ではないかと思います。ただ、ラーメンそのものは大衆食として人気があるので、当社としては小さな規模でも美味しい味のものを続けていければと考えています。
―今後の事業展開は。
船越 不動産に関しては現在、川崎市内でマンションの経営も行っています。川崎駅前再開発などエリアの競争力向上が期待されるので、マンションに関しては賃料の値上げも考えています。店舗経営に関しては、現在のところ拡大していく予定はありせん。不動産以外では、昨年夏から健康薬品の卸事業を開始したので、軌道に乗せていくことができればと思います。
<TOPICS>ダイエー 直営3店舗が改装オープン 売り場面積の適正化や食品売り場の強化図る
ダイエー(兵庫県神戸市)では、2月9日(木)に大月店(山梨県)・富田林店(大阪府)・壱岐店(長崎県)の直営3店舗を改装オープンすることになった。
店舗面積3247㎡の大月店は、地域ニーズの高いテナントとして『ダイソー』を新規導入する。店舗面積1万462㎡の富田林店は、食品売場全体の強化を図り、新鮮な地場野菜の充実や惣菜売場の品揃えの拡大を実施する。店舗面積4053㎡の壱岐店は、レジの外にあった酒売場を食品売場内に移設させるなど、売場レイアウトを変更する。
また、今回改装する3店舗全店で、塔屋を含む店内外ロゴデザインの変更を実施する。
同社では、事業計画に基づき、おししいデリカ宣言などの「食品部門の強化」及び「売り場面積の適正化と自前主義からの脱却」を柱とし、店舗特性に合った改装を積極的に進めており今回の改装オープンもその一環だ。
東京急行電鉄 グランベリーモール新棟来月開店 映画館や飲食物販店が入居
東京急行電鉄(東京都渋谷区)は2006年3月17日に、東急田園都市線・南町田駅前のオープンモール型ショッピングセンター「グランベリーモール」(所在地:東京都町田市鶴間、運営:東急マーチャンダイジング・アンド・マネージメント)内に新棟をオープンすることが決まった。
新棟は鉄骨造地上4階建て(延床面積約2万0400㎡)で、2〜3階部分に東急レクリエーションが運営するシネマコンプレックス「109シネマズグランベリーモール」(10スクリーン、総座席数1759席を予定)が出店するほか、1階部分は12の飲食・物販店舗で構成される。なお、4階および屋上は257台収容の駐車場となる。
東急マーチャンダイジング・アンド・マネージメントグランベリーモール支配人杵屋克己氏は次のように話す。
「今回の新棟増床で、施設全体をもう1ランク上のポジションに押し上げたいと思います」
三井不動産 ファクトリーアウトレッツ・アネックス4月7日オープン 日本初出店を含むテナント6店が決定
三井不動産(東京都中央区)の運営するアウトレットパーク「マリンピア神戸ポルトバザール」は、計画推進中の増床棟「ファクトリーアウトレッツ・アネックス」を4月7日にオープンさせる。増床計画は「マリンピア神戸ポルトバザール」内で神戸市漁業協同組合が所有していた商業施設「シーフードマルシェ」の建物を、同社が取得・リニューアルするものだ。
増床棟は、地上2階建て延床面積2300㎡の施設だ。既存床と合わせて総延床面積は2万6100㎡アウトレットモールとなる。
店舗数は6店で、アウトレット日本初出店「エディフィス・イエナ・アウトレット」などが出店する。この増床により、ファッションブランド店の強化を目指すという。
<商店街だより>北品川3商店街エコスポット連動
北品川地区の、北品川本通り商店会、北品川商店街協同組合、京急新馬場商店街振興組合の3商店街は、環境配慮やチャリティ機能も盛り込まれたポイントカード「きたしなカード葵」をスタートさせている。これは、区商連がポイント広域化事業の一環として研究を重ねてきた事業の一環だ。特徴は2つの”共通化”。まずこれまで別々のスタンプを発行してきた3商店街が、PET式の統一ポイントカードへと共通化。また空き缶・ペットボトル回収機や店頭でのノーレジ袋運動など、区商連エコスポット事業のカードとの共通化も図った。利用者や加盟店、商店街がメリットを得る仕組みとしている。さらにポイント活用面では従来の金券機能に加えて、区商連エコポイントの機能である地元団体や地域施設整備への寄付も可能だ。同システムではポイントにかかる事務処理機能を区商連が一括提供していることから、各商店街の事務負担が大幅に軽減される。