不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2006.02.27 11:54
三洋電機/大阪ガス 室外ユニット消費電力0を実現 次世代型GHPエアコンを発売 CO2排出を約30%削減 メンテナンス従来と同様
三洋電機(大阪府守口市)と大阪ガス(大阪市中央区)が、業務用の系統連系ガスヒートポンプエアコン『ハイパワーエクセ ル』を共同開発。三洋コマーシャル販売(東京都文京区)より4月1日からの発売を予定している。
室外ユニット本体に4kWクラスの小型発電機と、太陽光発電の技術をベースにした系統連系インバーターを搭載することで、補機電力を補えるようになった。また、発電電力を商用電力系統にも出力させることが可能になったため、真夏における冷暖房運転時の電力消費ゼロが実現したという。万一、発電電力が不足した場合でも、商用電力から自動的に不足分を補う仕組みとなっている。
発電は空調時のエンジン余力を利用しており、エネルギー利用効率は40%以上。商用電力を使う場合と比べて、消費電力量におけるCO2排出量を約30%カットした。メンテナンスインターバルは1万時間で、従来機種のビル用マルチ機と同等となっている。
なお、価格は660万円(税抜き)を予定。初年度の販売台数は600台を目標としている。
清水建設/INAX 超節水大便器ユニット開発 使用水量を約半分に削減 10年程度で改修費用回収
清水建設(東京都港区)とINAX(愛知県常滑市)が、超節水大便器ユニットシステム『シーラⅢ』を共同開発し、4月1日より、リニューアル工事や新築工事の受注に活用していく。
対象は、オフィスビルなどの非住宅建物。真空装置や圧送装置といった付帯設備は必要とせず、従来から使用されてきた重力排水を用いる。築15〜20年を経過した一般的なビルのトイレを『シーラⅢ』でリニューアルした場合、およそ13〜15リットルの使用水量を、半分以下の6リットルまで抑えられる見込み。非住宅向けトイレシステムとして最高水準の節水性能を実現したのは、「便器形状の改善」、「フラッシュバルブの流量特性の見直し」、「排水配管の勾配最適化」及び「施工管理の徹底」など、便器単体の改良に留まらず排水配管を含めたシステム全体を総合的に見直したことによる。
延床面積1万4000㎡の一般的なオフィスビルで試算した場合、節水されるのはCO2量換算で年間5トン。上下水道費用を年間約600万円節約できるため、トイレまわり改修費用を、10年程度で回収可能だ。
西松建設 「ネオセダム壁面緑化工法」を販売開始 灌水装置無しで緑を維持
西松建設(東京都港区)は、セダム植物を利用した「ネオセダム壁面緑化工法」の実証試験を終え、営業展開を始めた。
今回の開発では、土の飛散・流出防止のために特殊な培土を採用。乾燥防止のために、高分子保水材を用いた。また、セダム類の中でも、とりわけ乾燥や暑さに強いとされる新種の常緑キリンソウなどを植栽した点や、アルミトレーを使用したユニット方式としている点も特徴。さらに、特殊な雨水収集装置を用いて灌水装置なしでも緑を維持し、壁面への負担を減らすため軽量(30〜40㎏/)化を図った。メンテナンスは、年1回程度の施肥と、除草のみである。
2003年8月、関東地方整備局関東技術事務所が国道15号線東六郷高架橋擁壁で実施した「垂直壁面緑化工法の実証試験」に参加。その後、約2年間、水を注がないでも壁面の緑を維持できると実証した。昨年の浜名湖花博では銅賞を受賞するなど、美観への評価も高まりつつある。
なお、目安となる価格は、緑化が終了した時点で完成する短期間タイプで1万8000円/、土壌づくりと苗植えをしてから完成まで1〜2ヶ月かかるタイプが1万200円/である。
東リ 10年ぶりにカーペット刷新オフィス空間演出に活用
東リ(兵庫県伊丹市)は、10年ぶりにタイルカーペット「GA100」の新色の発売を開始した。
1982年に生産が開始された「GA100」は、多くのオフィスビルで使用されており、近年では公共施設や教育施設、商業施設などあらゆる建築物で採用されている。そこで、様々な用途に対応するヴィヴィッドなアクセントカラーや木目を基調としたインテリアにも調和するベージュー〜ブラウン、オフィスや店舗を演出するディープカラーなど全60色に増色、空間演出の幅を広げるストライプ柄12色を加えて全72色のラインナップを揃えた。
また、2005年4月1日より、グリーン購入法の特定調達品目にタイルカーペットが加えられたのを受け、新しい「GA100/GA―100S」72色すべてのグリーン購入法適応商品を受注生産する。
なお、販売単位は20枚入りケース(5)で、価格は8400円/(税抜)。受注生産対応となる抗菌防臭加工品は、加工費200円/が必要。グリーン購入法適応の商品も価格は同様である。
<注目の新技術>松下電工 WEB画面で設備操作可能なインターフェースパネル発売 全ての設備を省エネ管理汎用PCがビル制御装置に
松下電工(大阪府門真市)は2月21日、『エミット・フル2線インターフェースパネル(WEB計量対応形)』を発売する。
照明制御システム「フル2線式リモコン」にパネルを接続すると、WEB画面から照明の監視・制御や電力量確認が可能になる。ネット接続によって遠隔地や複数建物の一元管理ができるようになったのも特徴だ。さらに、通信機能付多回路電力チェッカー(照明や空調など各種電気設備の電力を計測するもの)を接続すると、同じWEB画面からでも電力量を確認することができる。
また、パソコン操作に慣れていない人のために、建物の外観写真やフロア図面上のアイコンをクリックするだけで閲覧できるように工夫をし、利便性を高めた。
機能としては、日報・月報・年報形式での電力量表示、フロアや部屋単位での比較、過去データとの比較などが行える。空調に限らず、他の電気設備の電力量も確認できるため、すべての設備における省エネ管理を行うことも可能だ。
導入の際は、現在、使用しているパソコンやネットワークインフラを利用。専用のパソコンを用意する必要はない。価格は、オープン。2006年度の販売目標は、年間10億円としている。