不動産トピックス

商業ビル最前線

2006.03.06 17:12

<scニュース> 東神開発 若葉ケヤキモール今月15日にオープン 施設の総開発費約14億円年間45億円の売上目指す
 東神開発(東京都世田谷区)は、今月15日に、親会社である島屋の立川市若葉町物流センター跡地に、店舗面積約2100坪のライフスタイルセンター「若葉ケヤキモール」を開業し、専門店23店舗をオープンする。
 計画地は、武蔵野の面影を残す成熟した住宅地と大型団地が分布し、五日市街道をはじめ、敷地の三方を道路に囲まれ、車でのアクセスが良い。半径2キロ圏内には大型商業施設がほとんどないのも利点だ。
 そのような立地の中で、同施設は延床面積1万3166㎡、地下1階地上2階の規模となる。木が美しい立川・若葉町の自然環境と調和するように、快適で洗練された建物デザインとし、また敷地内外には豊かな植栽を施す。
 同社によると、これまで玉川高島屋ショッピングセンター(東京都世田谷区)や柏高島屋ステーションモール(千葉県柏市)などの開発・管理・運営で培ったノウハウを活かし地域に根ざしたSCを目指していくという。
 核店舗には、マルエツによる新コンセプトの食品スーパー「リンコス」が入居する。木や和紙といった自然素材を基調にモダンな和をイメージした新しい内装で、新鮮な食材や日常品を提供する。大型店では、アンチエイジングケアストアを主力展開するドラッグストアの「ハックドラッグ」、書籍の「くまざわ書店」などが出店する。また、コラボレーションストア大型書店+旅行代理店「日本旅行」+珈琲専門店「コクテル堂コーヒー」や趣味・生活雑貨、美容室からマッサージなど時間消費型の店舗、アパレルなど、日常生活に欠かすことのできない、また、日々の生活に潤いを提供する内容となっている。
 豊富な生活経験を有する団塊世代にも対応できるテナントミックスで、GMS等の商業施設と差別化を図る狙いだ。総投資額は約14億円、売上げ目標は年間46億円だ。

<SC会社インタビュー>ユニカ エンターテインメント色を強めて差別化を図る「健康と癒し」を導入し女性来客を見込む
—商業施設の概要は。
増田 当社は昭和27年にパチンコ店の景品卸問屋として設立しました。中核事業であるパチンコチェーン「ゴードン」の運営は昭和42年からです。昭和59年時には3店舗ほど出店していましたが、さらなる事業拡大を図る為、住宅都市整備公団から公募入札にて不動産を購入し、ビルを建設しました。それが平成2年に竣工したマグレブビルです。ビルの規模は地下2階地上9階、延床面積は2320㎡と、商業ビルとして大きな物件ではありません。しかし当社としては初めてのビル経営事業でしたので、規模の大小に係らず竣工当初から5年間は試行錯誤の連続でした。
―どのような運営だったのか。
増田 当初は他の駅ビルと同じようにアパレルや書店等を入居させていましたが、エンターテインメント事業の中核を成すキーテナントのゴードンとうまくマッチしませんでした。またスーパーマーケットの千歳屋も高額商品が多く、付近の住民に受け入れられませんでした。そこでビル竣工5年目にアパレルや書店には退去してもらい、ゴードン、千歳屋というキーテナントに加えてゲームセンターの直営も開始しました。千歳屋の商品構成も単価を下げ、質の良い商品を安く売るウォルマート方式に変更しました。その結果、竣工以来赤字が続いていた業績も黒字に転換し、現在では付近の駅ビルを押さえて利益率の一番高い商業ビルとなっています。
―今後の事業展開は。
増田 直営店舗として新しいフィットネスクラブの入居用工事を現在行っています。ジムだけでなくプール・岩盤浴・カフェ等を備えた、健康と癒しをテーマにした新施設が今年の秋に完成予定です。千歳屋以外のテナントには比較的男性が多く訪れることが多い現在の当ビルに、今後は女性にも多く足を運んで頂ける商業施設を目指します。また、現マグレブビル以外にも八王子市南大沢と新宿3丁目に商業ビル建設事業を現在進めており、ゴードンの更なる活性化を図ります。

三井不動産 ららぽーと横浜工事用仮囲いにアート作品展示 商業施設「創るガーデンミュージアム」を3月1日から7月下旬まで開設
 三井不動産(東京都中央区)は、JR横浜線「鴨居」駅から徒歩7分の日本電気横浜事業場跡地で建設中の大規模商業施設「ららぽーと横浜」建設地において、緑のギャラリー「創るガーデンミュージアム」を3月1日に開設した。
 「創るガーデンミュージアム」は、工事用仮囲いに小学生の絵画や美術大学生などのアート作品を展示する屋外ギャラリーだ。壁面緑化した長さ約60mのメインギャラリーと、ウォールアートを展示する長さ約35mのサブギャラリーで構成される。計95mにわたって、計25作品が展示されることになる。
 メインギャラリーは、「お花いっぱい、きれいなまち」をテーマに、近隣在住小学生による絵画20点を展示する。また、7月中旬以降から11月下旬までは第2弾として「笑顔あふれる、楽しいまち」をテーマに、絵画作品の展示が行われることになっている。
 サブギャラリーは、「環境に優しい未来都市」をテーマにしたウォールアート5点が11月下旬まで展示予定だ。
 なお、展示作を選択する際の審査は、同社の他、グラフィックデザイナーの奥村靫正氏、イラストレーターの奥原しんこ氏、都筑区長、都筑警察署長、都筑消防署長らによって行われた。
 同社によるとこれらのギャラリーは、未来を創造する子供達や学生達と協同で、緑あふれる潤いの空間を創出しようとするコンセプトであるという。竣工後の商業施設だけではなく、着工段階から地元横浜の活性化に貢献していくためのプロジェクトとなる。
 なお、「ららぽーと横浜」は10万2002㎡敷地に地上6階地下1階の商業施設となる計画で、総店舗数は約300店が入居する。主な店舗は大丸百貨店などで、平成19年春に開業予定だ。また、総戸数705戸の分譲マンション「パークシティLaLa横浜」も併設される。

<商店街だより>神田の逸品ガイドマップを発行
 千代田区の神田駅西口商店街振興組合では、『神田の逸品ガイドマップ』を発行した。今回は約4000部を制作して参加店店頭や行政窓口等で配布している。
 パンフレットでは、参加した18店舗が各店自慢の逸品・逸サービスを紹介。裏面には逸品店を示した商店街マップや、地元神社など地域ゆかりの名所旧跡の紹介コーナーも設けている。
工夫を凝らしたのがモバイル機能の充実だ。各店の紹介欄にはQRコードも印字されており、商店街が設けた一店逸品サイトの個店情報に簡単にアクセスできる。一度読み込めば、次回からパンフレットがなくても最新データが呼び出せる。
 「一店逸品運動は一過性ではなく、恒常的な商店街活動としていくことが重要です」(一店逸品研究会会長鈴木英樹氏)
 今後の課題としては、まず参加店舗の増強が挙げられる。商店街会員約100店舗に対して現在の参加率は2割弱に止まり、街全体としての来街者への訴求力の低さは否めないとしている。

<話題の店舗開発>日本ゴーエル編 テナントミックスで人件費を節減 登録専門店240社からSCに店舗企画を提案
 雑貨店の誘致に強み大型SCや商業ビルの埋まらないスペース、いわゆる「死に場所」をターゲットにリーシング業務を行うのが日本ゴーエル(東京都中野区)だ。同社には、ヤングファッション、雑貨、インテリア等の専門店240社が登録している。中心となっているのは、SC未出店のベンチャー企業だ。同社代表取締役の梶浦康一氏は次のように話す。
 「例えば、パルコやルミネなどに出店したいと思っても、ベンチャー系の専門店にはそれらのSCとコネクションがありません。また、SC側も新しい雑貨店などの情報に飢えていたり、いざ見つけてもリスクが高く契約を交わすことに躊躇するケースがあります。そこで、当社が間に入ってSCと契約を交わし、サブリースのような形で登録している専門店を入居させる仕組みです」
 そういった専門店はSCの核店舗にはならないが、空きスペースを解消させることができる。また、同社が展開する「平成横丁」は1店舗では埋まらないような40坪から60坪の空きスペースを、同社に登録する専門店数社のテナントミックスで埋めるものだ。その場合、販売窓口を1つにすることで人件費をカットできる。
 「専門店は当社に、売上げの数%の企画料を毎月支払うことになります。それでも、通常の出店より専門店側は低い賃料でSCに入居が可能でしょう」(梶浦氏)
 毎月の売上げはSCに全額納められ、そこで売歩に応じた賃料分を引かれた後、さらに同社の取り分が引かれた額が専門店の手に渡る。
 また、専門店が安定的に売上げを伸ばしSC側が了承すれば、SCとの本契約に切り替えることも可能だ。




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