不動産トピックス
商業ビル最前線
2006.03.20 14:00
<SCニュース>イオン イオン千葉ニュータウンSCをオープン 開発総投資額は140億円 年間売上260億円を目指す
イオン(千葉市美浜区)は4月21日に千葉県印西市に「イオン千葉ニュータウンショッピングセンター」をオープンさせることを発表した。
平成12年にオープンしたジャスコ千葉ニュータウン店の隣地に開発したモール型ショッピングセンターだ。敷地面積9万2333㎡、商業施設面積7万5236㎡の規模で、北総エリア最大級のショッピングセンターとなる。
モール棟の全長170mのモールは吹き抜けの高さ21m、1階の通路幅8m、床には大理石調の光沢のあるタイルを敷き詰め、その大空間に90台のベンチと356鉢の植栽プランターを設置する。
駐車場の収容台数は3500台で、身障者用駐車場49台の内14台分に「身障者駐車場確保システム」を導入する。このシステムは予め登録されたドライバーにリモコンを渡し、専用駐車場に入庫するものだ。また、屋内駐車場1057台分には、車毎にセンサー管理を行い空きスペースを来館者にわかりやすく誘導する「空きスペース誘導システム」を導入するなど随所に快適に施設を利用できる取り組みを行う。
コア店舗には「ジャスコ千葉ニュータウン店」、大型専門店にシネマコンプレックス「ワーナー・マイカル」、スポーツクラブ「朝日スポーツクラブ」などを集積、千葉県初出店40店舗を含む180からなる専門で構成し、地域にとっての新たなコミュニティの場の創出を図る。
施設開発の総投資額は140億円となった。周辺商圏は自動車30分圏内に約46万人、世帯数は14万世帯を数える。年間販売予定額はSC全体で260億円、内ジャスコ直営で90億円としている。尚、開店時のSC周辺の交通渋滞の緩和や建設期間中に協力を仰いだSC近隣住民のために4月18日(火)~20日(水)の3日間をプレオープンとして営業する。
<SCニュース>首都圏新都市鉄道 三井不動産がサブリース受託 つくばエクスプレス沿線にTXアベニュー柏の葉着工
今年開通した「つくばエクスプレス」を運営する首都圏新都市鉄道(東京都台東区)は柏の葉キャンパス駅高架下を利用した複合商業施設「(仮称)TXアベニュー柏の葉(TX AVENUE KASHIWANOHA)」の着工を発表し、今月15日に現地で地鎮祭が行われた。
東西の駅前広場に挟まれた好立地に建設される同施設は、鉄骨造平屋建て事業面積885㎡の規模となる。
エリアコンセプトは、自然環境と健康を優先し持続可能な社会のあり方を志向する新しいライフスタイル「LOHAS(ロハス、Lifestyle of Health and Sustainability)」だ。
テナントには同エリアコンセプトをイメージした「薬膳レストラン」や「健康住宅を提案するショールーム」が入居する。また、無線LANに対応したカフェや地域の銀行の他、ファーストフードとレンタカー受付など6つの店舗が入居する。
同施設は三井不動産(東京都中央区)が開発中の大型商業施設「ららぽーと柏の葉」との連動を図るため、同社との共同事業とすることにした。
貸主が新都市鉄道でサブリースの形で三井不動産が借り受け、管理運営は三井不動産100%子会社のららぽーとが行うこととなった。
三井不動産の開発する「ららぽーと柏の葉」は。「TXアベニュー柏の葉」の南西方面駅前に位置する15万9000㎡の商業施設だ。この施設は「LOHAS」をコンセプトとした店舗構成となることが昨年10月に発表されており、「TXアベニュー柏の葉」を三井不動産が借り受けることにより連続性のある街並みの実現が期待される。
なお、「TXアベニュー柏の葉」の開業は今年の8月、「ららぽーと柏の葉」の開業は今年11月を予定している。
<商業ビル会社インタビュー>大規模耐震補強・外壁改装工事今秋に完成 武蔵野市が約3分の1の助成金
―開発公社の設立の経緯は。
並木 当社は昭和43年に武蔵野市が所有する音楽体育大学跡地の再開発計画を推進するために設立されました。同跡地に商業核を形成し、公社が事業主となって開発ビルを建設してキーテナントの伊勢丹を誘致したのです。また、計画地に該当する吉祥寺駅周辺事業者や住民への対策として開発ビルへの出店を促すことも当社の重要な役割の1つでした。ビル竣工以降、当社は主に伊勢丹と、再開発の際に立ち退きになった商店が入居あるいは区分所有する開発ビルF&Fビルの管理業務に専念してきました。
―ビル経営における特徴は。
並木 キーテナントである伊勢丹と、都市計画の該当者いわゆる土地を提供した事業者のためのビルという2つの側面があります。吉祥寺が活性化しなければ伊勢丹を誘致した意味も周辺事業者が立ち退いた意味もありません。ですから一般のテナントビルとは違い収益性のみならず公共性が重視されます。例えば当ビルには美術館や市民ホール、催事場などの施設が入っています。それらは文化発信や交流の場として市民生活に役立ちたいという思いからです。
―現在大規模改修工事を行っていますね。
並木 改修に関しても公共性ということを意識します。当ビルは今年度で築33年を迎えることになり、最大の懸念は耐震問題でした。平成10年に耐震診断を行った際は大きな問題はありませんでしたが、やはり耐震補強などはエリア一帯でやらなければ避難上効果がありません。ですから他のビルにも耐震問題を考えてもらう意味で、まず当ビルが先導して耐震補強を行いました。清水建設の施工で総予算は11億6200万円、他外装改修工事などで14億2100万円の予算も計上しました。費用の負担は当社、伊勢丹、各区分所有者のほか武蔵野市も全体の3分の1の助成金を出します。工事は平成16年7月から始まり、今年の10月に完成予定です。
<商店街だより>観光ポイント巡りで商店街活性化
練馬区は今月から4月1日まで商店街の振興イベント「観光ポイント巡り」を主宰している。これは練馬区全域を4つのエリアに分け、ガイドマップ・スタンプ帳に各商店街104店舗に設置されている「スタンプポイント」を4つ集めて区に送ると抽選でとしまえん入園・乗り物フリー招待券、ホテルガーデンツァ光が丘ディナーバイキング招待券、西武鉄道発行の小冊子、ちひろ美術館の入館招待券などのプレゼントが当たるというもの。また、サービス協力店でガイドマップを提示して買い物や食事をすると、商品5~20%引きやドリンク・生ビール1杯サービスが受けられる。抽選資格を得るには練馬区の出張所、区民情報広場(区役所本庁舎2F)、商工観光課などで配布している「観光ポイント巡り・ガイドマップ・スタンプ帳」をもらい、「スタンプポイント」でスタンプを集め必要事項を記入の上5月12日(当日消印有効)までに練馬区役所商工観光課へ郵送か持参すればよい。
<話題の店舗開発>スタイルシフト編 FP資格を活かし資金面のコンサルも充実 通常の設計業務だけでなく家具の種類や配置まで考案
商業店舗の店舗デザインを行うのがスタイルシフト(東京都渋谷区)だ。クライアントのニーズに基づいた設計を提供している。また、初期の資金調達から将来の改修や相続税等の資金計画を立てるFP業務も行っている。代表取締役の農澤典洋氏は話す。
「欠点をカバーし、長所を生かしコンセプトを持ってきちんとデザインするデザインリフォームを提唱しています。必要な部分に効果的にお金をかけプラン・デザインすることによってライフスタイルに合った空間を実現しています」
港区南青山でブライダルプロデュースを行う「ラディープ」の店舗も同社が手掛けた。
「洗練された大人の女性をターゲットにしたデザインコンセプトでスタイリッシュな空間造りを目指しました。設計するだけでなく、配置する家具も全て含めてトータルコーディネートしています」(農澤氏)
現在は新築商業ビルの設計なども手がけている。農澤氏自身がファイナンシャルプランナーの資格を保有していることから、ノンリコースローンの提案や相続税対策などライフプランに沿った資金相談に乗っている。
「ビルの新築を個人で行う場合、一生に一度の決断となることもあります。限られた資金の中で最大効果をあげるプランを考えていくべきでしょう」
代表の農澤氏は、大学卒業後はリクルートに就職。その後、モノをつくる仕事に携わりたいという思いで30歳から建築の勉強を始めたそうだ。
「もともと家族は仏閣などを改修する工務店でした。20代までは興味が持てなかったですが、30を過ぎてから親の血が流れていることを実感するようになりました」(農澤氏)