不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2006.04.10 11:53
<注目の新技術>安行造園 屋上緑化用のマットを販売 ほとんどの植物が育成可能
安行造園(埼玉県川口市)は、屋上緑化やベランダガーデンなどのニーズを受けて、「安行四季彩マット」の販売を開始した。
平成10年に県農林総合研究センターが開発し、安行造園が改良を加え商品化したものである。効用としては、高層ビルが立ち並ぶ都心部でのヒートアイランド現象を緩和したり、光合成により炭酸ガスを吸収しきれいな酸素を供給するほか、建物の美観を高めたり、熱・紫外線による収縮・劣化を抑えることができるという。
特徴は、3〜10㎝の薄い基盤であることや、軽量土壌を用いることで平均60kg/㎡程度と軽量にしたこと、並べるだけで簡単に緑化空間を生み出せることである。植木・花木・地被類など、ほとんどの植物を育成することも可能となっており、ガーデンング感覚で楽しみが増える。
施工例には、屋根を緑化して室内温度を下げた家屋や、ベランダに森をイメージしたプランター植栽を行ったもの、和風庭園を自宅兼オフィス屋上につくったものなどがあり、安行四季彩マットを用いることで、建築物外部のあらゆる平面において、さまざまな「緑」のアレンジをすることが可能である。
なお、施工価格の目安は、1㎡当たり2〜4万円となっている。
松下電工 建築照明器具「スマートアーキシリーズ」順次発売 明るさ感数値化するFenを開発 間接照明の設計計画などに活用
松下電工(大阪府門真市)では、ビルや施設など建築物向けに建築物のデザインや周辺の景観に調和した上、効果的な光環境が具現化できる建築照明器具「スマートアーキシリーズ」を品種充実し、4月から順次発売していく。光・デザイン・品質・空間の4つのこだわりを開発の基本に持ち、従来のビル施設分野の照明器具に新しい分野を確立する狙い。1年後約20億円程度への事業規模拡大を目標とする。
同社では、立命館大学の篠田教授が開発した「色モード境界輝度法」を基に、客観的な評価基準となるFeuを確立し、具体的な建物設計に利用できるレベルまでデータを蓄積、さらに個別商品の設置場所や使用方法を限定して分析を実施した。
今までは、「鉛直面の輝度を上げれば明るさ感は高まる」というような定性的な表現にとどまっていた「空間の明るさ感」もFeuを用いれば、「この器具を用いて壁を照明する照明方法に変えることにより、Feuが10から13へと3割明るさ感が増す」というように、数字で具体的に「空間の明るさ感」を表現できるという。
同社では「スマートアーキシリーズ」と連動した照明設計を実施し、Fenを用いた予測値を計画段階での照明計画に連動して、業界標準を目指していく。
西松建設 耐震対策を標準化天井落下メカニズム把握
西松建設(東京都港区)と戸田建設(東京都中央区)は共同で、地震時における天井の破損・落下メカニズムの把握と、それにともなう耐震対策の標準化を進めている。
この取り組みは、平成15年9月、十勝沖地震で天井材の落下で被害が出たことをきっかけに着手されたものである。具体的な内容としては、実物大のモデルを用いて振動実験を行い、シミュレーション解析を重ねることで耐震性を確保するための設計基準を設けることである。
そして、平成17年8月に起きた宮城県沖地震での天井落下被害の検証も重ねながら、オフィスなどの一般的な平面をもつビルを対象に耐震対策を考案し、第一段階として、天井の耐震対策の標準化を実施した。なお、今回対象としている建物には、大空間建物は含んでいない。
これまでは、構造・材料の観点から耐震性について研究されることが少なかった。そのため、天井材等の非構造部材に関しては、建築物の設計時期がいつであるかに関わらず被害を受けている状態が続いていた。両者は今後も、一般的規模の建物を対象とする耐震対策を検証していく方針だ。
フジノン 監視カメラ用バリフォーカルレンズ エレベータ・店舗向けなど死角のない映像監視を実現
富士フイルムグループのフジノン(さいたま市北区)は、監視カメラ用バリフォーカルレンズシリーズの充実を図るため、小型・広角かつ業界最高水準の高画質タイプの新ラインアップとして、最大口径比F0・95の明るさを持つ「YV2・8×2・8L」と、ワイド2・5mmの超広角仕様により水平画角110°を実現した「YV2・4×2・5」の2機種を4月10日より発売する。
今回発売する2機種のうち、「YV2・8×2・8L」はコンビニや店舗などで、「YV2・4×2・5」はエレベータやキャッシュコーナーなどの狭所での使用を見込んでいる。
また、このレンズの特徴は、非球面レンズ大口径比を採用したことによって暗所でも実現する高画質化を実現したことと、広角化により死角のない映像監視が可能になること。また、固定焦点レンズと同等の超小型・軽量化を実現し、動作による振動を抑えながら操作性を高めるために締め付けツマミの標準装備を行うなど細部までこだわった造りとなっている。
販売価格はオープンとなっており、全機種合計で初年度9万台を目標としている。
アルファデータ 移動・移設も簡単 芝生セットを発売
アルファデータ(神奈川県藤沢市)は、ベランダ用の芝生セット『ベランダグリーン』の4月中旬発売を予定している。
特徴は、50×50㎝で区切られており敷地に合わせたデザインが可能な点、重量は約8㎏で移動が容易な点、プラスチックケースが入っているため植木鉢・プランターが不要な点、防根シートが要らず商品到着日に設置ができる点、ポリプロピレン繊維を編み込んだマットを使用しているため弾力があり、つぶしても元に戻りやすい点などである。
標準(芝生有り)価格は1万9800円となっているが、芝生無しのキットのみの提供も行っており、そちらの販売価格は9800円となっている。芝生無しの場合は、好みの芝生やグラウンドカバーを植えることが可能だが、土・苗・種は付属していないため別途用意する必要がある。