不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2006.05.15 17:28

<ポートフォリオ拡大>クリード・オフィス投資法人 約124・4億円投じてビル6棟取得 約58億円の名古屋プラザビル他6物件
 クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は、123億4235万1330円を投じてオフィスビル6物件を取得する。取得予定資産は下表の通り。
取得予定資産のうち、名古屋プラザビルを除いた5物件は、同投資法人に組み込むことを目的として、クリードが一時的に保有している資産。遵法性の確保や売主の資金需要等の観点から、同投資法人が直接取得することが困難であったためグループのウエアハウジング機能を活用している。
 既に名古屋プラザビルは取得しており、その他物件は、6月1日に取得予定の永信ビルを除いて、全て5月16日付の取得予定だ。
 なお、大洋薬品工業からの取得する名古屋プラザビルの取得については、名古屋最大の商業地域「栄」において特に商業集積度の高い「大津通」に面していること、地下鉄東山線・名城駅「栄」駅から徒歩5分の立地を評価した。また、角地に面しているため視認性も良く、低層階に対する商業テナントの需要は高いという。実際に本物件の低層階には高級ブランドショップ「PRADA」が入居している。
 取得に当たって同投資法人では、4行の銀行から28億円を調達しており、1年間で返済していく予定だ。

■取得予定資産
COI渋谷神山町ビル 東京都渋谷区神山町7番10号 1,460,000,000円 (株)クリード
永信ビル 東京都江東区永代二丁目31番1号 1,650,000,000円 (株)クリード
横須賀ベイサイドビル 神奈川県横須賀市若松町一丁目21番10号 1,545,000,000円 (株)クリード
赤坂若宮ビル 東京都港区赤坂五丁目4番9号 850,000,000円 (株)クリード
南二条プラムビル 北海道札幌市中央区南二条西三丁目11番1号 1,030,000,000円 (株)クリード
名古屋プラザビル 愛知県名古屋市中区栄三丁目15番27号 5,807,351,330円 大洋薬品工業(株)
合 計 12,342,351,330円

<投資物件開発>三菱地所 「(仮称)仙台中央三丁目ビル計画」着工 農林中央金庫仙台支店跡外観のイメージなど承継
 三菱地所(東京都中央区)は、仙台市青葉区中央区三丁目の農林中央金庫仙台支店跡地にて進めている「(仮称)仙台中央三丁目ビル計画」の新築工事に着手した。
計画地は、南町通に面するJR「仙台」駅から徒歩5分の立地。約1400㎡の敷地に地下(RC造)1階、地上(S造)9階建のビルを建設する。
 建物は1階を店舗、2階〜9階をオフィスとする計画で、外観は旧建物の軒線や柱型のイメージを継承する。なお、本計画は開発化証券化手法を用いたSPCによる収益用不動産の開発プロジェクトで、2007年3月の竣工を予定している。

野村オフィスファンド投資法人 「札幌ノースプラザ」を取得 取得金額68億2000万円 賃貸収入は5億9100万円
 野村オフィスファンド投資法人(東京都新宿区)は、札幌市中央区北一条西4丁目に位置するオフィス・店舗ビル「札幌ノースプラザ」を取得する。
 6月1日に不動産信託受益権を取得する予定で、価格は68億2000万円。売主は、有限会社ジョフィ札幌中央(東京都新宿区)である。
 本物件の立地エリアは、札幌におけるビジネス・商業の中心地に位置する北一条通と交差する角地に建っているため、視認性がよく、JR線「札幌」駅及び札幌市営地下鉄の複数路線の駅から徒歩圏内。加えて平成22年に完成予定のJR「札幌」駅・大通り公園を結ぶ地下道と地上1階部分での接続が予定されているという。
建物については、昭和56年8月竣工で、鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下2階付12階建。延床面積は約5700坪、基準階334坪、PMLは清水建設が2%という評価を行っている。
 なお入居テナントの数は44件で、稼働率87・1%。賃貸事業収入は5億9100万円(5月分の契約賃料×12)となっている。

リサ・パートナーズ 沖縄「國映館」跡地の再開発に着手 計画案を建築専門誌で募集 商業施設として開発を予定
 リサ・パートナーズ(東京都港区)は、國場組(沖縄県)との間で、不動産開発や新規事業等を共同で展開する。第一弾として國場組が所有・運営していた沖縄を代表する映画館の「國映館」跡地の再開発に共同で着手し、新たに商業施設として開発する目的で再開発計画案コンペを実施する。コンペの実施にあたっては、建築専門誌「新建築」(新建築社)とタイアップし、斬新かつユニークなアイデアを広く募集する予定だ。本コンペで入賞した再開発計画案については、外部専門家の意見や國場組グループのノウハウを取り入れつつ、来年始めの着工を目指す。
 「國映館」は、ドーム型屋根の美しい建物でも知られ、1955年のオープン以来、国際通のシンボル的存在であった。しかしながら、建物の老朽化や立地環境の変化等もあり、2002年に閉館していた。
 なお、開発は証券化の技法を取り入れたファイナンスを予定している。
アルデプロ 100億円規模の不動産ファンド組成 仕入力活かして高利回り目指す
 アルデプロ100%子会社のアルデプロアセットマネジメント(東京都新宿区)は、第1号ファンドとなる「アルデプロファンドⅠ」を組成する。
 ファンドの規模は約100億円で、首都圏および政令指定都市の商業用・事務所ビル、居住用不動産を投資対象として想定。運用期間は5年で、今年8月の運用開始を見込む。同社によると全国の優良物件をバリューアップし再販していく過程において、外部のファンド会社への売上比率が高まっていたという。そのため、外部出資者からの出資による私募ファンドへの売上計上や私募ファンド組成・運用による収入手数料の収受などの収益機会をグループで獲得すべく、昨年10月にファンド組成・運用を目的とするアルデプロアセットマネジメントを設立。グループ内においてファンド事業を開始する準備を進めてきた。仕入の強みを生かした高利回りでのファンド運用を目指していく考えだ。




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