不動産トピックス
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2006.05.15 17:27
<注目の新技術>竹中工務店/竹中土木 地盤改良技術「DCM―L工法」に新機種を投入地盤の状態や深度等に適合 多様化する改良形状に対応
竹中工務店(大阪市中央区)、竹中土木(東京都江東区)は、関東・中部・近畿の沿岸地区で関心の高い、地震による工場・オフィス・岸壁等の液状化対策ニーズに向けて、業界トップクラスの実績がある地盤改良技術「DCM―L工法」に新機種を投入した。
「DCM‐L工法」は、陸上の軟弱地盤を硬化材によって固め、構造物を支持できる地盤に改良する技術であり、軟弱地盤地域の基礎地盤対策として用いられる工法。竹中土木が中心となって開発した新機種は、硬化材の注入と攪拌を行う軸が3軸もしくは4軸からなり、これまでの主力であった単軸機・2軸機に比べ施工スピードが大幅にアップしている他、多様化する改良形状(格子状、ブロック状、杭状)に対し、地盤の状態や深さに見合った適切な施工機械の提案を行うことができる。なお、新機種(4軸機)は「(仮称)福島1丁目地区B街区分譲住宅」のプロジェクトに適用し、所定の性能を発揮した。
両社では、海底地盤の改良を目的に「DCM工法(深層混合処理工法)」を1976年に開発。その後土木工事だけでなく建築工事でも軟弱地盤の改良や地盤の液状化対策ニーズが高いことから、1981年に陸上用として「DCML工法」を開発している。阪神淡路大震災でも被害が少なかった「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」を始め、1981年以来両社で、プロジェクト200件以上、延べ500万を超える軟弱地盤改良実績がある。両社では、沿岸地区での地震による液状化対策ニーズは高いと判断し、積極的な営業活動を展開していく。
<ストップ地球温暖化>大林組/ほか 建設共同輸配送・トレーサビリティシステムを開発 首都圏7ヶ所の建設現場において26種類93品目の建設資材で実験
早稲田大学アジア太平洋研究センター椎野潤教授を中心とした共同研究コンソーシアム(大林組幹事会社、竹中工務店、日立製作所、イー・クラッチ)は、国土交通省の住宅・建築関連先導技術開発事業の助成を受けて、環境配慮型「建設共同輸配送・トレーサビリティシステム」を開発し、2005年10月中旬から12月中旬にかけて、首都圏の7ヶ所の建設現場を対象に26種類93品目の建設資材を対象として試験的に適用した。
システムは、1.「建設資材の共同輸配送システム」と、2.「建設資材情報トレーサビリティシステム」の2つのサブシステムで構成されている。
1.のシステムは、資材メーカーの工場と建設現場の間に、建設資材と物流情報を一元管理する共同輸配送センター(LS)を設置。これを拠点として、各メーカーの工場を巡回して資材の引取りを行うとともに、必要な資材を各建設現場に巡回配送する。LSでは、新たに開発した物流管理システムを用いて複数の建設現場の輸配送情報を一元管理する。通常、建設現場に搬入された資材は、すぐに実際の作業場所へ移動させるケースがほとんどであり、「配送」と「揚重」は密接に関連しているため、物流情報を、インターネットを通じて資材メーカーやサブコン、工事事務所などと共有することで、資材配送と揚重作業との時間調整がスムーズになり、効率的な巡回配送が可能となる。
2.のシステムでは、建設資材のLSからの出荷検品と、建設現場での搬入検品を効率的に行う。建設資材の「配送単位」あるいは「製品単位」ごとに資材にICタグを装着し、LSや建設現場の各拠点で、ICタグ機能を活用して配送履歴情報を収集。共同輸配送では、複数の建設現場を巡回して荷おろしをするため、それぞれの建設現場に正確に配送したかを確認する必要がある。ICタグによって出荷・入荷のデータをすぐに可視化することで、リアルタイムに配送状況を確認することが可能になる。
ICタグは従来の電波帯よりも読み取り距離が長いUHF帯のものを使用。これにより、資材を載せたパレットが読み取り機の近くを通過するだけで、ICタグのデータを一括で読み取ることができる。検品作業が簡素化できており、特にLSでは、従来方式の検品と比べると作業時間が3分の1に低減できたという。実験では、異なるメーカーの資材を運搬車両に積み合わせるなどしたケースが半数を超え、複数の建設現場を巡回した割合も約3割となるなど、資材の積み合わせによる物流の効率化を確認できた。トラックなどの車両の平均積載率は従来に比べ約14ポイント向上し、建設現場に入る車両台数は従来に比べて約30%減少した。
今回の実験では期間を2ヶ月間と限定したために、資材メーカーとLSの間の配送を大型車両で行った回数はそう多くはなかったが、物流の効率化により全車両の延べ走行距離が減ったため、これによるCO2の削減率は、少なく見積もっても22%となることを確認している。
共同研究コンソーシアムの5者は、システムの改善を図ると共に適用資材や対象現場数を拡大し、今後も、建設共同輸配送システムの研究開発を進めていく。
松下電工 器具本体からランプを浮かせた照明を発売 立体的な照明設計で明るさ感演出
松下電工(大阪府門真市)では、照明器具本体からランプを浮かせることで、天井への光(上方光束)を大幅に増やし、天井面を明るく照射し、空間全体に明るさ感や広がり感を出すことができる店舗用デザインベースライト「Hfフロートベース」を発売開始した。同社によると照明での店舗演出を考える際、一般的には床面(水平面)に対する照度ばかりに注目しがちだが、空間は立体的なものであり、水平面照度だけで空間全体の明るさ感が決定されるわけではないという。天井面や壁面といった空間を構成するすべての部分への光の照射や反射を考慮することで、水平面の平均照度が低くても、視覚的な明るさは格段に向上させることが可能だ。同製品はこの考え方をベースに開発している。
器具の本体幅は50mm(高さ37mm)のコンパクト設計。本体はランプの間隔よりもスリムなので目立ちにくく、天井面がスッキリと仕上る。さらに、初期照度補正省エネ型タイマーセルコン(PF9)タイプは、内蔵タイマーによりランプ交換当初の余分な明るさをカットして適正な明るさを実現。大幅な省エネが図れる。
希望小売価格は出力固定型3万5700円、省エネ型3万8850円、共に税込となっている。
新日軽 新型ルーバーフェンスを発売 現場での調整が簡単 傾斜・コーナーに対応
新日軽(東京都品川区)は、平地だけでなく、傾斜、傾斜しながらのコーナーへの納まりなど、現場対応力に優れた目隠しルーバーフェンス「ニューエクジスフェンスDK型」を5月1日より発売開始した。この商品は、先行発売していた同デザインの「ニューエクジスフェンスDJ型」と組み合わせて使用することを想定している。
DK型は、現場で傾斜角度0度〜40度まで自由に設定可能。コーナー角度も60度〜180度まで自由に設定可能なため、傾斜しながらの3次元コーナーにも対応できる。フェンス高さは1段600・800・1000・1200(mm)で幅は1965㎜。2段・3段まで連結できる。販売価格は、写真のセットで11万1400円(税抜・部材のみの価格)となっている。
INAX シャワートイレ取替えニーズに対応した新製品 「フルオート機能」を搭載した最新機種へ更新
INAX(愛知県常滑市)は、古いシャワートイレから新しいシャワートイレへの取替えニーズに応えたシャワートイレ「KシリーズEXTRAK35タイプ」を発売した。
フタの閉め忘れによる暖房便座の放熱を防ぐことで節電効果の高い「フルオート便座」、流し忘れがないと好評の「フルオート便器洗浄」といった、従来の温風乾燥機能のないタイプにはなかった「フルオート機能」を搭載。さらに要望が多かったという「お手入れのしやすさ」に応え、本体をスライドさせれば簡単に着脱でき、便座と便器のすき間の汚れを手軽にキレイにすることができる「本体スライド着脱」も採用している。
その他にも、おしりとは別ノズルの女性専用「レディスノズル」、夜中のトイレで眠気を覚まさせないように配慮した補助灯「ほのかライト」など独自の付加価値向上に努めている。
なお、希望小売価格は13万200円(税込み)となっている。