不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.07.03 17:18

<注目の商品>ウインテック ウィナップに新製品追加で導入始まる 1年で初期投資を回収2年目からコスト削減
 ウインテックでは、これまで販売しているフロアコーティング剤「ウィナップ」に新たなコーティング剤を加え、今年3月から販売を開始、病院のフロアなどでの施工が始まっている。ウィナップはこれまでPタイルなどを得意としてきたが、施工が難しかった床もあり、こうした新たな分野への進出で販売の拡大を目指す。
 ウィナップは当初から、ワックスと比較すると美観が10倍持つとされ、実際のオフィスビルでもメンテナンスは6カ月に1度で済む、といった面から注目されてきた。これまでにも、ドトールコーヒー本店、日土地虎ノ門ビル、などで施工実績を持つ。またウィナップは薬品に強いとった特徴があり病院関係での需要が多い。
 メンテナンスの回数を減らせるので、ランニングコストを低く抑えることができる。初期投資はワックスに比べて高くなるものの、「ワックス塗布後、1カ月に1回メンテナンスを実施した場合と比較すると、1年で初期投資が回収でき、2年目以降でコスト削減になる」とウインテック代表取締役勝野隆氏は言う。
 コスト面でのアピールも続けるが、剥離が必要ないなど環境負荷が少ない点も強調していく。

飛島建設 床下ピットの省エネ利用を実用化 40W蛍光灯100本分1年間で省エネ
 飛鳥建設(東京都千代田区)では、RC建物で末活用になっている床下ビットを、省エネルギーの1つの手段として簡単に有効活用できる「飛島式省エネ床下ビット」を考案、今回、実用化した。同社が設計・施工した「財団法人日本自動車研究所移転用地管理宿泊棟新築工事」に同法を適用。夏と冬に効果を測定したことにより、省エネのための設計手法を確立した。
 これまで、省エネの目的で地熱を利用する技術として地中を10m掘削してピットを作るタイプや、建物の周りに管を埋めるタイプなどがあった。しかし、コスト対効果や臭気の問題、地下部分の防水対策が問題となり、積極的な利用は少なく、また省エネについても実証されていなかった。
 同ピットでは、構造を、各ブロック毎に、床下のピットを点検するために人が出入りする「人通孔」を結合しており、これがそのまま外気の通り道となっている。このため、床下全体がクールピットして機能している。
 実測で、省エネルギー量は100本の40W蛍光灯1年間点ける電気量に達した。

NECソフト 顔認証とICカード認証の組み合わせ 複合認証で精度向上と登録者数を増やす
 NECソフト(東京都江東区)では、顔認証とICカード認証を組み合わせた複合認証入退室管理システム「BiodePass」の販売を秋より開始する。同シリーズはこれまで、顔認証、指紋認証、虹彩認証を組み合わせていたが、今回、新たに顔とICカードの複合認証が加わった。
 顔認証には利便性が高いといった特長がある。しかし、精度や登録者数に制限があるといった課題があった。同シリーズでICカードと組み合わせることにより、精度が向上し、登録者数を増やすことが可能となった。
 運用の場面では、ICカードをキーとして、また顔、暗証番号を組み合わせることができる。
 生体認証は価格面で高価であるといった課題があるが、今回、近計システム(大阪府大阪市)と協業し、ハードウェア込みで1セット100万円前後を予定、低価格化を実現している。

東芝ライテック レイアウトフリーの照明制御システム 配線に影響を受けずに照明器具1台ごと制御
 東芝ライテック(東京都品川区)では、レイアウトフリー照明制御システム「T/Flecs(ティーフレックス)」の販売を8月から開始する。
 テナントビルやオフィスビルでは、照明の点灯・消灯や調光を集中制御する照明制御システムの普及が進んでいる。こうしたシステムの場合、調光区分を、設置後に変更するには配線の変更工事やリレー端末の増設・移設が発生する。テナントビルでは、テナントの意向や移動で点滅・調光区分が変更された時には、電気配線の変更に大きな労力をとられていた。
 同システムでは、通信機能付インバータ蛍光灯器具の採用と無線通信の利用により、配線に影響されずに照明器具1台ごとの点滅、調光が制御・監視できる。
 なお価格は広さ2万㎡のオフィスの場合、約3000万円から。同システムは東芝ライテックと三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)が共同開発している。

東邦レオ 時間をかけて育成するローコストの壁面緑化 1㎡あたりやしマット工事代込みで約3万円
 東邦レオ(大阪市中央区)では、これまでの壁面緑化製品を充実させ、「グリーンファサードシリーズ」として7月5日から販売を開始する。
 同シリーズでは、壁面緑化の設計・施工・管理をトータルに対応する。
 これまで同社では、施工後から緑量を豊かに演出できる高付加価値タイプの製品を開発、販売を行ってきた。しかし、壁面緑化のニーズは、学校や集合住宅などローコストでの導入が求められる分野へも拡大しており、今回のラインナップでは、「ローコスト型壁面緑化」タイプも揃えた。
 設置と同時に壁面緑化を実現する「早期緑化型(高付加価値型)」には、ユニットタイプ(一体ユニット式壁面緑化)とモジュールタイプ(立体基盤式壁面緑化工法)が、また時間をかけて壁面を緑化する「育成管理型(ローコスト型)」にはラインクロス(壁面緑化補助システム)とハイクライムパネル(つる植物登はん補助緑化パネル)がある。
 ハイクライムパネルは、1㎡あたり、やしマット、登はんパネル、工事代込みで3万円前後。

文化シャッター 両面から開閉が可能な自由開き折れ戸 開閉は2枚の扉の折り畳みで狭い間口に対応
 文化シャッター(東京都文京区)は、押しても引いても両方から扉を開けることができる自由開き折れ戸「ヒクオス」を、7月1日から販売する。
 扉の開閉は連結された2枚の扉を折りたたんで行うため、広い間口が確保でき、省スペースの納まりを実現している。また車椅子の利用者でも軽い力で扉を押しながらスムーズに通行することができる。
 安全性の配慮では、扉の連結部に手詰め防止ゴムを装備、扉には小窓を設けて扉の両側から開閉動作の確認可能という工夫がされている。
 同製品は、引戸の収納スペースが限られた場所や荷物の出し入れが頻繁で広い間口が必要とされる場所に、同社製品である病院など向けの引戸「カームスライダー」とセットでの提案を進めていく。
 標準価格は、化粧鋼板・標準サイズの小窓付の場合、35万700円。

ミラクルスリーコーポレーション 既存建物の上部に増設 工期短縮低コスト実現 特別養護老人ホーム向け新工法
 ミラクルスリーコーポレーション(大阪府吹田市)は、既存建物の上部に増築する特許工法「ミラクル構法」をもとに特別養護老人ホーム向けの「ミラクルユニットプラス(仮称)」を開発した。
 厚生労働省は現在、特別養護老人ホームのケア体制について、個室化のケア体制を進めているが、そのためには増床などが必要となってくる。これまでは新たに土地を利用した増床方法が推奨されていたが、福祉環境の流動化などで頓挫するケースが多かった。
 同工法は、既存建物の上部に増築する工法であり、入居者が施設を利用しながら増床が可能で、工期短縮、コスト削減を実現している。




週刊不動産経営編集部  YouTube