不動産トピックス
クローズアップ 喫煙対策機編
2006.07.10 11:32
ミドリ安全 健康増進法以降、一年後から需要増加 パーティション型人気外に出にくい気流制御
ミドリ安全(東京都渋谷区)の分煙対策システムは、東京駅、千歳空港などで、間仕切りを使った個室タイプから、鉄道車両など幅広く導入されており、埋め込みタイプのものを除き年間7000台の導入実績がある。
平成15年の健康増進法の施行にともなって、受動喫煙の防止策を講じることが義務となったことで、同社でも、16年、17年くらいから禁煙対策機の需要が増加したという。その中で、「個室タイプの需要が伸びると見ていましたが、現在、WALL(パーティションタイプ)と組み合わせたものが一番動きがあります」(同社 営業統括本部 クリーンシステム統括部 担当部長 穴澤顕治氏)と言う。
新築のビルなどでは個室タイプも増えている。しかし、既存のビルに個室を設置する場合、換気の設備を設ける必要となるケースもある。このため、より設置しやすい、パーティションタイプとの組み合わせが好まれているようだ。
WALL(パーティション)タイプの特長のひとつは気流制御方式。本体の吹き出し口から出た水平気流は、パーティションのサイドフリップに沿って上昇気流となり上昇した気流は、パーティションの上部のラインに沿って水平気流となる。上部ラインの両側からの水平気流が中央でぶつかり、下向きの気流になり、常時、下向きの気流が発生しているため、パーティション内側の煙は外側に出にくくなっている。
カウンタータイプでは、本体価格69万8000円。メンテナンス料はケースによるが、1回約1万6000円。月1回から2カ月に一度程度が通常だという。コスト面が気になるが、同社では、分煙機を分煙室に設置したほうが、年間約15万4000円低減できると算出している。
山武 天井埋め込み型で換気機能付き製品に注力 人気はカウンター型に数量より付加価値重点
山武(東京都千代田区)が現在力を入れている喫煙対策機は天井埋め込みタイプの「電気式エアクリーナー天井埋込形換気機能付タイプ」。同社で現在、最もヒットしているシリーズは、カウンター・テーブル型の「FNB770D/FNB770C」だ。同シリーズは省スペースで、工事なども不要で、導入しやすい。
職場における喫煙対策のためのガイドラインでは、①浮遊粉じんの濃度、②一酸化炭素の濃度、③気流の風速3点について、具体的な炊事が出ている。
このうち、浮遊粉じん濃度については、こうしたカウンタータイプの喫煙対策機で十分対応できる。しかし、②、③について、達成するには排気を設ける必要がある。既存の排気システムに新たな排気を設けるにはかなりのコストを要する。このため同社でも既存ビルなどでは、カウンタータイプの製品を多く納入している。
現在、力を入れている天井埋め込みタイプについては、既存より、むしろ新築ビルをターゲットとしている。同製品の特長は、1台で集じん機能に、換気機能も付いていることだ。換気部分は天井裏となり、外からは見えない。喫煙室への設置と、換気との併用などで部屋の広さなどの条件にもよるが、一酸化炭素の濃度、気流の風速の数値も改善することも可能だ。
価格は74万5000円。1台で40㎡、8人程度の部屋まで対応する。メンテナンスは、使用頻度によるが多いところで、月1回程度、1回約1万5000円となっている。
喫煙対策機の動向について同社のIAQ事業部マーケティンググループマネジャーの川西進氏は、「健康増進法施行後、喫煙対策機の需要は減ったと見ています」という。
現在は、下げ止まった状態だという。今後、販売台数を増やしていくというより、付加価値の高いものを提案していく。
トルネックス カウンター型より1・5倍煙拡散防止 健康増進法後需要増、個室型も人気
トルネックス(東京都中央区)では、平成15年健康増進法施行以降、個室型の禁煙対策機の導入が増えている。健康増進法では、多数の人が利用する施設を管理する者は、受動喫煙の防止について必要な措置を講ずるように努めるというもの。
個室には、「トルネックス デュアル」、「トルネックス タワー」、「トルネックスカプセル」のラインアップを揃える。
「トルネックス タワー」の特長の1つが、気流制御技術。タバコの煙を吸引・集塵・脱臭後、天井部から一定のスピードで吹き降ろし、吸引口にタバコの煙を誘引し、拡散を防止している。カウンタータイプと比較して1・5倍以上の煙拡散防止効果を発揮する。また建物自体との排気と連動が可能であるため、一酸化炭素などのガス成分を効率良く屋外に排出する。
また、ビル全体の空調バランスをくずすことなく、機械の設置のみで喫煙室が構成できる。
標準使用人数は4名、スタンダードタイプで71万4000円。リース対応も可能だ。
三菱電機 集塵機とパーティション部の分離可 非喫煙エリア空気用いたエアカーテン
三菱電機(東京都千代田区)が販売する喫煙対策機「スモークダッシュ エアシールド」は、エアカーテンの空気がきれいであること、集塵・脱臭機とパーティション部の分離設置を実現していることに特長がある。
集塵・脱臭機とは別のパーティション部にファンを搭載。パーティションの下方部から非喫煙エリアのきれいな空気を取り入れ、上方と左右方向から非喫煙エリアのきれいな空気を用いたエアカーテンを作り出す。この遮断効果により、非喫煙エリアへのタバコの煙の漏れを防ぐ。
パーティションと集塵・脱臭機部は最大2mは離しての設置が可能。一体スペースに制約がある場合などにも対応する。また喫煙者不在時の無駄な運転を抑制する「人感センサー」を標準装備しており、喫煙者を検知して自動運転を行う。このため、スイッチの切り忘れ防止や、省エネにも役立つ。他にも、99・97%高集塵能力を持つフィルターを採用している、脱臭効率も70%を誇る。本体価格は57万5400円。