不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2006.07.24 17:11

DAオフィス投資法人 大規模改修実施済みの安定収益物件を取得 物件価格は3物件総額155億円
 DAオフィス投資法人(東京都中央区)はポートフォリオの拡充を図り、「ダヴィンチ日本橋本町」、「ダヴィンチ銀座一丁目」、「ダヴィンチ京橋」の3棟を155億円で取得すると発表した。
 「ダヴィンチ日本橋本町」は、東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前」駅徒歩約4分に位置する、昭和39年1月竣工、地上10階・地下1階、延床面積9869・38㎡のオフィスビルである。物件取得にあたり、地下鉄2路線・JR線が利用可能な交通利便性の高さ、耐震補強工事を含む、大規模改修を実施済みで、現在100%の稼働率であることなど安定収益を確保できると評価した。取得価格は74億2000万円だ。
 「ダヴィンチ銀座一丁目」は、東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅徒歩2分に位置する、昭和37年1月竣工、地上11階・地下2階、延床面積4771・31㎡のオフィスビル。東京メトロ銀座線「京橋」駅、都営地下鉄浅草線「宝町」駅、と3駅3路線が利用可能な交通利便性の高さ、耐震補強工事を含む大規模改修が実施済みであり、倉庫部分を除く事務所部分は100%稼働であることなどを物件取得にあたり評価している。取得価格は46億2000万円である。
 また、「ダヴィンチ京橋」は、JR京葉線・東京メトロ日比谷線「八丁堀」駅徒歩2分に位置する、昭和49年10月竣工、地上8階・地価1階建て、延床面積4069・15㎡のオフィスビルである。物件取得にあたり、耐震補強工事を含む大規模改修工事を実施済みであり、現在の稼働率は89・1%だが、将来に向け安定的な収益を期待できる物件であると評価した。取得価格は34億6000万円となっている。
 なお、物件取得先は、ダヴィンチ・アドバイザーズの意向を受けて設立された、米国デラウェア州法上のリミテッド・ライアビリティ・カンパニーの100%出資子会社であるマルケス(東京都中央区)。物件取得日については、7月31日を予定している。

興和不動産 マルイシティ池袋の区分所有権取得 地上8階・地下3階建て 「池袋」駅至近の大型商業ビル
 興和不動産(東京都港区)が出資するTSMスリーは、「マルイシティ池袋」の区分所有権をモルガン・スタンレー証券系の東海ホールディング特定目的会社より取得する。
 同物件は、JR線「池袋」駅徒歩約3分に位置する、昭和52年竣工、地上8階・地下3階建て、延床面積約3万㎡からなり、丸井(東京都中野区)が1棟借りしている商業ビルだ。今回、興和不動産が取得した部分は全体の半分以上を占める1万7906・23㎡を縦に分割した形となる。
 興和不動産は取得にあたり、平成19年度開業予定の地下鉄13号線「池袋」駅に直結することにより集客力向上が見込めることを評価。また、運営を行うことによる商業施設マネジメントノウハウの向上を図る。
 これまで同社は創業以来、都市型総合ディベロッパーとして都心を中心としたオフィス賃貸事業、高級賃貸住宅事業、品川インターシティ・赤坂インターシティ等の大型の都市開発事業を行ってきた。今後は商業施設の開発・取得にも積極的に取り組んでいく。

三越 物流センター2施設を譲渡 売却益は約103億円 グループの事業改革が狙い
 三越(東京都中央区)の連結子会社である三越不動産(東京都千代田区)は、グループの事業改革の一環として、「塩浜センター」、「東雲センター」の物流センター2施設を譲渡する。
 「塩浜センター」は、東京都江東区塩浜の土地8146㎡、建物1万9022㎡で、読売新聞東京本社(東京都千代田区)に84億5000万円(帳簿価額40億5400万円)で譲渡。また、「東雲センター」は、東京都江東区東雲の土地2万403㎡、建物1万216㎡で、清水建設(東京都港区)に110億円(帳簿価額50億6000万円)で譲渡することとなった。
 今回の固定資産譲渡により、得られる売却益約103億円については、平成19年度2月期中間連結決算の特別利益に計上するという。
 なお、物件引渡しについては、8月31日までを予定している。

ディックスクロキ ファンド組成・運用を強化 玄海キャピタルと協定書を締結
 ディックスクロキ(福岡市中央区)は玄海キャピタルマネジメント(福岡市博多区、以下「玄海キャピタル」)と九州全域での不動産ファンド組成に関しての協定書を締結した。
 これにより、ディックスクロキは、玄海キャピタルが組成・運用を行い、九州地区を中心として不動産投資を行うプライベートエクイティファンド「玄海キャピタルファンド」への物件供給を目指す。
 ディックスクロキにとっては、開発した物件の販売先を拡大し、リスク分散を図り、良質な用地情報を収集することができるほか、玄海キャピタルのルートで取得した用地を、玄海キャピタルファンドを出口として同社が開発するなどシナジー効果を見込む。また九州主要都市の物件を中心に年間数棟の供給を目標とし、他社を交えた「地元連合」による共同開発を手がけることも視野に入れている。

アイディーユー 準加盟店(入札代理店)制度を新設 オークション参加者増を狙い 入会金・月額利用料を無料に
 アイディーユー(大阪市北区)は、買い手を中心に「MOTHER’S AUCTION」の参加者を増やすことを目的とする「準加盟店(入札代理店)制度」を新設した。
 同制度では、入会金および月額基本料を無料とし、広く参加者を募る一方で、「MOTHER’S AUCTION」への参加資格は入札および買い側仲介のみに限定。コスト負担により参加を敬遠していた不動事業者の参加を促し、「MOTHER’S AUCTION」の活性化につなげるのが狙いである。
 両制度の店舗を容易に判別するため、これまでの制度に基づき加盟している店舗は従来通り「正規加盟店」と称し、今回設ける準加盟店(入札代理店)制度に基づき加盟した店舗を「入札代理店」と称する予定だ。
 出展物件への媒介業務が正規加盟店に限定されていたことから、成約額・成約率が伸び悩む現状を、今回の新制度導入によって改善を図る。

船井財産コンサルタンツ 「ADVANTAGE CLUB千代田」一口1000万円の商品が約1週間で完売
 船井財産コンサルタンツ(東京都新宿区)が7月13日に販売した「ADVANTAGE CLUB千代田」が完売した。「ADVANTAGE CLUB千代田」は、地上5階建て、延床面積310・42㎡の店舗・事務所・作業所用途の物件「有楽町一丁目ビル」と地上9階建て、延床面積983・61㎡からなる事務所ビル「九段南四丁目ビル」の2物件。初年度表面利回りは6・04%で、募集総額12億円(一口1000万円120口)となっていたものである。
 ちなみに「ADVANTAGE CLUB」シリーズは、不動産特定共同事業法に基づき、組成している不動産共同所有システムで、同社のネットワークを通じて提供している商品。今回完売した商品は14物件目となり、販売金額の総額は136億円を超えたという。

ダヴィンチ・アドバイザーズ 一任勘定型ファンド第一号ファンド 約3年9ヶ月で運用を終了
 ダヴィンチ・アドバイザーズ(東京都中央区)の一任勘定型ファンド(オポチュニティ・ファンド)の第1号、バリスタ(DJREPI)は、平成14年11月の投資開始より1年5ヶ月で22物件を取得し、平成18年6月までに19物件を売却してきた。7月31日、残り3物件の売却によってバリスタの運用を終了する。
 同ファンドでは、収益不動産投資を「物件を安く買う」戦略から、収益不動産を再生する「バリューアップ」戦略へ移行してきた。その結果、当初予定していた10年のロックアップを約3年9ヶ月と大幅に短縮し、運用を終えることとなる。
 なお、バリスタの総投資額は797億円(共同投資含む)で、投資エクイティ金額は173億円で、同社への成功報酬累計総額は43億円となっている。




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