不動産トピックス

クローズアップ 耐震・免震編

2006.08.14 16:26

THK 2つの装置の組み合わせで地震対策 免震技術の良さを強調 耐震にない魅力を示唆
 THK(東京都品川区)は、免震装置「直動転がり支承CLB」と「減衰こまRDT」を展開している。CLBは、LMガイドと呼ばれるレールを用い、それをクロスさせることでウエブを縦横無尽に動かすことにより揺れを防ぐ技術である。
 RDTは、ダンパーの原理を応用。ナットの中にネジを通し、ナットの中にボールを入れることで滑りをよくさせ回転を転がりに変えることで、地震の揺れを緩和する働きを持つ。
 この技術は、住宅(11tまで耐えられる)から超高層ビル(3120tまで耐えられる)まで適応が可能であり、既に全国での施工実績を持っている。病院やマンション、官公庁、神社などに同技術を用いているという。費用は10階建てのビルで、建築費用の約3~5%程である。
 「当社が免震にこだわりを持つのは、免震は建物を守るだけではなく、人の命を守る技術だからです。地震で家を守るのは当たり前、問題は、人命が助かるかどうかです。地震で家は残っても、人が助からなければ地震対策とはいえません。
 (ACE事業部 営業支援グループ グループマネージャー 後藤実氏)
 また、「2つの免震装置を組み合わせたTHKの免震システムで免震の良さや、耐震との違いを理解してもらいたい」(後藤氏)という。

アイディールブレーン 粘着素材で地震時の転倒を防止
 アイディールブレーン(東京都中央区)は、地震時に家具などの転倒を防止する器具「ガムロック」を販売している。
 同商品はウレタン系またはスチレン系の強粘着剤を使用しており、家具を傷つけることなく、手軽に貼り付けることが可能。取り付け・取り外しも簡単で、貼り付ける場所を選ばず、あらゆる箇所に使用できる。貼り付けた跡が家具に全く残らず、粘着部分もすぐ形状が元に戻るようになっている。水で洗うことによって繰り返し使用でき、既存・新設いずれの家具にも簡単に取り付け可能だ。
 同社は、建材試験センターで、品質性能実験を行い、同商品が震度7までの耐性があることを実証。先端研究の成果で、衝撃力を約4分の1に軽減できることを確認した。
 現在発売されているT型タイプ(一般家具用)・LLタイプ(冷蔵庫・ピアノ用)以外に、BBタイプ(オフィス家具)・PCタイプ(パソコン)・TVタイプ(テレビ)・MTV(モニターテレビ)に使用できるタイプも9月下旬に発売予定になっている。商品価格は2個~4個1セットで2500円~9000円。
 「現状では、ほとんどの人が、『滑る』と『転倒』の現象を間違えて認識しており、力学に対する無理解を感じます。この概念を間違えると耐震・免震は全く意味のないものになってしまいます。滑り防止と転倒防止の違いをもっと認識して欲しい」(代表取締役 佐藤孝典氏)
 制震と家具転倒対策を合わせて免震と認識して欲しいとのこと。

アール免震柱と壁を接着剤とポリ繊維で補強 コスト大幅削減を実現 既存のビルで効果発揮
 アール免震(東京都千代田区)は、ビルの耐震補強用に柱をポリエステルの繊維で巻く「SRF工法」を提案している。
 同工法は、既存しているビルを中心に柱を補強する工法であり、コストが格段に安いのが特徴。制震技術の1つで、コストは1㎡当たり50万円。免震では400万円程かかることを考えると、8分の1に抑えることができる。
 通常、免震技術は建物の中を動かさないようにするものであるが、同工法は柱を壊れないように補強し、ビル自体を守るものである。「SRF工法なら、仕事しながらでも補強が可能です。早くできるのでコストもかかりません」(代表取締役 横塚克明氏)という。
 また、柱を保護する必要がある箇所は壁であるという考えから、壁にもSRF工法を応用。接着剤を塗り、繊維を張って補強し、ひび割れが入るのを防止している。また、壁であるならどこにでも張れる。
 「柱の補強をすれば、ビルの倒壊はまず防げます。壁も補強すればさらに安全になります。柱と壁にSRF工法を組み合わせて施すことにより、耐震性能を上げています」(横塚氏)
 15階程度のビルにならいずれも有効であり、平面図・立面図があれば、すぐに診断でき提案が可能なので、即実行に移すことができる。同時にコストの削減にも繋がるという。

昭電 既設の場所でも自由に対応が可能 置くだけで免震対策に設置も簡単、連結可能
 昭電(東京都墨田区)では現在、既設の場所でも自由に対応できるコンパクトな免震装置「SD-5typeⅡ」を販売している。
 同装置は、常時待機という方式を取っており、スタートの機構が無く、地震動に即応できるというのが特徴。工事の必要が無く、置くだけで免震対策が可能であり、地震後にリセットをする必要も無い。
 移設時や機器の増設時の設置も簡単、連結も可能である。
 搭載可能な重量の範囲は、従来のtype1が100kg~500kgだったのに対し、300kg~800kgと耐久性を上げたことで、中型から大型の機器にまで対応が出来るように工夫されている。
 同装置は、セパレートタイプになっており、type1の時には困難であったケーブル接続中の機器にも導入がしやすく、ラックやマシンのサイズに合わせて調節して使用する仕組みである。
 装置の重量は90kg、サイズは1000mm(最小)~1300mm(最大)、価格は1装置当たりで、50万円となっている。




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