不動産トピックス
不動産管理新潮流
2006.09.11 17:15
スターツグループ BPJはじめビルコムなどを子会社化 ビル管理・PM・オフィス仲介に参入
スターツコーポレーション子会社のスターツアメニティ(東京都江戸川区)は、FMおよび投資関連事業会社のブリッジポイント・ジャパン(以下「BPJ」)の全株式を41億5000万円にて取得し、BPJ子会社のビルメンテナンス会社ビルモム(東京都中央区)、千代田管財(東京都大田区)およびセキュリティ機器メーカーのアーバンコントロールズ(東京都品川区)を傘下に収めた。
ビルコム(旧社名:千代田ビル管理)は昭和35年に設立された中堅ビル管理会社で、平成18年3月期の売上高は38億8400万円。オンラインビル管理システムに逸早く着手するなど、機械管理のパイオニア的存在だったが、平成14年に関連会社と共にBPJの傘下に入っていた。ビルコムの取得に関してスターツアメニティの河野一孝社長は、「同社は約700棟を管理していますが、都心3区が中心のため、事業効率がいい。事業範囲も当社と重複しないため、シナジー効果が期待できる」と語っている。
スターツアメニティは、首都圏を中心に賃貸住宅を約17万戸、駐車場を約8万台管理する企業。賃貸住宅のPMなどにも実績がある。近年では不動産ファンドからのPM受託も増えているが、オフィスなどのPMは受託することができなかった。
「ビルコムの取得により、ビルをはじめPFI事業への参入など様々な施設管理が可能になります。また、ビルコムの遠隔集中管理システムを当社管理施設に導入することでコスト削減やサービス品質の向上を図っていきます」(河野氏)
また、ビルコムが管理委託契約を通して関係のあるテナント企業は約5000社に及ぶため、空室情報を活かしてオフィス仲介事業の拡大も図る。グループで社宅管理代行の他、流通開発部門として店舗や小規模オフィスの仲介を手掛けてきたスターツコーポレートサービス(東京都中央区)の佐々木和弘社長は、「約700棟の管理物件の空室募集を中心にオフィス仲介事業を拡大していく」との方針を示し、既に10人体制でオフィス仲介部門を立ち上げたことを明らかにした。さらに、ビルコム管理ビルのテナント企業に向けて、社宅事業ならびにグループの持つ様々なサービスを提案していく考えだ。
BPJの持つ顧客の立場から施設・清掃業務の効率化を図るマネジメントサービスや、アーバンコントロールズのセキュリティシステムもグループの管理施設で活用して、サービスの充実を図っていく。
なお、同社グループで土地活用や耐震改修工事を手掛けるスターツCAMなどのノウハウとあわせて、ハード・ソフト両面でのビル再生事業を各社で展開していく構想もあるそうだ。
日本管財 ライオンビルメンテナンスの全株式取得 企業の経営効率化サポート アウトソーシング事業拡大
日本管財(兵庫県西宮市)は、ライオンからライオンビルメンテナンス(東京都墨田区)の全株式を取得する。
ライオンビルメンテナンスは、グループの所有ビルや工場などの清掃・管理を主に手がけており、平成17年12月期の売上高は33億円。主な事業所は東京、大阪、名古屋、福岡で、従業員は113名(平成17年12月31日現在)である。
日本管財によると、今回のM&Aは、ライオンの経営効率化を支援するソリューション提供ビジネスの一環ということで、同社が平成14年に受託した三菱自動車グループからの社員移管も含む大型アウトソーシング事業の延長戦にあるものだという。今後も同様の案件を拡大していく。
なお、ライオンでは現行契約の継続および従業員の雇用を安心して委ねられることを前提に複数のビル管理会社を対象に選考を行い、創立40周年の実績などを評価し、同エリアに営業拠点を有する日本管財を選定した。
今後は、日本管財のノウハウをライオンビルメンテナンスに注力し、連結業績向上を目指す。