不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.09.25 17:15

エービーシー商会 地表温度の上昇を抑える遮熱床仕上材を発売 屋外表面温度抑制 防滑性能も高める
 エービーシー商会(東京都千代田区)は、赤外線を反射し、地表温度の上昇を抑える遮熱床仕上材「ストリートカラーNS遮熱タイプ」を発売した。
 同社の熱反射実験によると、同製品を使用した場合、アスファルトに比べ約10℃、従来塗料に比べ約3、4℃、表面温度を低下させることが可能となる。
 反射性の高いセラミック顔料により、下地コンクリートへ赤外線が到達する前に熱を反射させ、下地への蓄熱を防ぐもの。上塗り材は微穴タイプとし、下地コンクリートの水蒸気をすばやく逃す。また、無機高分子と高反射型セラミック顔料・特殊セラミック骨材が化学結合して塗膜を形成するため、水分が塗膜を通過し、膨れや剥離が生じにくくなっている。施工はローラー刷毛で塗るだけで、気温20℃の場合、施工後2、3時間での使用が可能だ。
 床表面をスティップル状に処理することで防滑性を高めており、素足で歩くようなプールサイド、屋上や歩道など公共屋外スペースでの利用を想定している。

清水建設/フジエンタープライズ ナノ・ミクロ蒸気で通常の5倍の洗浄力 業務用汎用性スチーム洗浄器を共同で実用化
 清水建設(東京都港区)は、フジエンタープライズ(東京都武蔵野市)と共同で、業務用汎用性スチーム洗浄器「Jet Mover」を開発・実用化した。
 販売価格は1台170万円。3年後には、年間6億円の売上を目指す。
 同製品は、通常の蒸気に比べ約5倍という高い熱量を持つナノミクロ蒸気を業務用洗浄装置に初めて採用したもの。ナノ・ミクロ蒸気は、通常の蒸気に比べ、強力な粒子浸透力と豊富な熱量を持っており、汚れと素材の隙間や汚れ自体に浸透するため、一般的な汚れであれば、こすらずに落とすことができる。
 本体は、燃料・電源・給水タンクを内蔵した完全コードレス型で、重量約70kg。燃料にはカートリッジ型ガスボンベ、電源にはバッテリーを使用し、1分間のポンプ給水により70分の連続使用が可能だ。また、ナノ・ミクロ蒸気の噴出し口となる「清掃ツール」を洗浄用途別に取り替えることで、外壁洗浄、室内床洗浄および機械洗浄など様々な洗浄分野に対応する。

鴻池組 連結制振技術用いた耐震改修工法を適用 建物利用しながら工事が可能
 鴻池組(大阪府大阪市)は、京都大学の竹脇・辻研究室と共同して開発を進めていた連結制振技術を用いた耐震改修工法を、共同住宅の耐震改修工事に適用した。
 この工法は、既存の建物に隣接してフレームを構築し、両者をダンパーで連結することにより、耐震改修を行うもの。アウトフレームの揺れ方が既存の建物と異なるように設計することで、地震時の建物の揺れを減少される。
 従来の工法と比べ、建物外部での施工が中心となるため、工事中の建物の使用に及ぼす影響が最小限にとどめられ、工事の際の一時移転や内装の復旧工事に伴う費用を抑えることができる。また、新設のフレームにデザインを施すことにより、耐震改修のイメージアップを図ることができる。
 今回の施工は、栃木県の築36年となる鉄筋コンクリート造4階建ての社員寮の耐震改修工事。以前より、アウトフレーム工法を活かすことのできる学校や病院などへの提案を行ってきた結果、今回の適用となった。

日立製作所 人込みの中を移動するロボット技術開発 複数の人とすれ違う動作確認に成功
 日立製作所(東京都千代田区)は、歩く人の間を縫って移動できるロボット技術(移動障害物回避技術)を開発し、同社の車輪型ロボット「EMIEW」に搭載し、動作確認に成功した。
 EMIEWは、同社が新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業である「次世代ロボット実用化プロジェクトプロトタイプ開発支援事業」の一環として、昨年開発した二輪走行型ヒューマノイドロボットだ。人の早足程度である時速6kmの高速走行が可能であり、レーザーを用いた距離センサーを使用して周囲の障害物の位置と動きを確認した上で、衝突を回避するための経路を計算するというもの。すれ違う人の足までの距離を毎秒約40回測定することにより、人の位置と速度を正確に検出することができる。
 今回開発された移動障害物回避技術では、ロボットが、位置と速度を検出した人の周りに一定の距離を持った円を想定し、これに接する最短距離を選択する、という方法を取る。また、人が歩行途中で速度を変えたり、新たな人が出現したりするという人込みの状態に対応するため、障害物の検出と新たな道筋の作成を、人が一歩に要する時間である約0・5秒ごとに繰り返し行い、変化に追随する。
 今回の動作確認では、この障害物回避技術をEMIEWに搭載し、8mの経路の中で、人の通常の歩行速度である最大秒速1・2m(時速約4・3km)で歩く4人の間をロボットが秒速0・8m(時速約2・9km)の速度ですれ違うことを確認した。




週刊不動産経営編集部  YouTube