不動産トピックス
過熱する投資市場の現場から
2006.10.23 10:56
福岡リート投資法人 「原サティ」を54億1000万円で取得
福岡リート投資法人(福岡市博多区)は、「(仮称)原サティ」の信託受益権を取得すると発表した。
同物件の立地は、福岡市の中心市街地に位置し、県道558号線接道、国道202号線、外環状線、国道263号線に近接する旧ダイエー店舗をマイカル九州(福岡市博多区)が全面的にリニューアルするものだ。建物は昭和51年10月竣工、規模は地上4階建て、延床面積2万7466・17㎡。「(仮称)原サティ」として新規オープンし、7年振りの出店となるマイカル九州の旗艦店舗としてゾーニングの見直しや耐震補強を含む大規模な改修を実施することで、強力な店舗として生まれ変わることが期待できる。またマイカル九州との賃貸借契約は12年間の定期借家契約(中途解約不可、賃料増減額不可)となっており、安定的な賃料を見込めると判断した。
なお、物件取得先は、九州リースサービス(福岡市博多区)で、取得価格は54億1000万円だ。
リサ・パートナーズ 荘内銀行と業務協力協定を締結
リサ・パートナーズ(東京都港区)および同社100%子会社のリファス(東京都港区)、リサ企業再生再建回収(東京都港区)は、荘内銀行(山形県鶴岡市)との間で、事業再生に関する業務協力協定を締結したと発表した。
荘内銀行は、企業理念の長期ビジョンとして「革新の金融情報サービスグループ」を掲げており、様々な施策・戦略を積極的に展開している。
今回の提携で、再生支援対象とする企業は、山形県において一定の経営基盤を持ち、相応の収益性は保っているものの、過剰負債や不採算事業部門などの問題があることにより、企業活力が削がれている企業が主となる。
同社が地域特化型再生ファンドや、官民一体型再生ファンドの運営などで培った事業再生ノウハウや、全国の地域金融機関ネットワークなどを提供することで、過剰負債の処理、不採算事業のリストラ、M&Aなどの再生シナリオを策定・遂行し、対象企業の再生と地域経済の活性化を同時に実現する。
アーバンコーポレイション ノンエクイティで開発をフルアレンジ ファンド開発物件「季の湯雪月花」が完成
アーバンコーポレイショングループのファンド運用会社であるアーバン・アセットマネジメント(東京都千代田区)は、箱根強羅温泉のリゾートホテル「季の湯雪月花」が完成し、11月15日プレオープン、12月にグランドオープンを迎えると発表した。
「季の湯雪月花」は、箱根登山鉄道「強羅」駅前に立地し、昨年アーバン・アセットマネジメントが組成したファンドが開発を進めていた、地上5階・地下1階建て、延床面積1万1615・85㎡のホテルである。
今後は、ホテルの運営会社である、共立メンテナンス(東京都千代田区)に一括賃貸し、保有型ファンド物件として運用を継続する。すでに箱根小涌谷で旅館風ホテルを運営する共立メンテナンスのマーケティングに基づき、多様化する個人旅行ニーズに対応する施設作りを目指しているが、宴会場やカラオケルームなどを併設しない宿泊特化型施設をコンセプトに、シングル、カップル、ファミリーの3タイプ158室を用意し、全客室に檜のプライベート露店風呂を設置。「原風景を活かす」というランドスケープ発想のもと、切妻屋根の外観や既存樹を生かした配棟計画を策定するなど自然との共生を図り、四季折々の表情をもつ風景は非日常を演出する。
従来、リゾートにおけるファンド事業については、衰退するホテルや旅館の経営再建事業という位置づけが中心となっていた。アーバンコーポレイションでは、今回のリゾート開発型ファンドが、未稼働不動産であった駅前の企業遊休地へのソリューション提供をはじめ、投資家アレンジ、最適なホテル運営会社とのマッチングや、開発段階における地元地域との対話など、ファンド運用会社としてノンエクイティで開発をフルアレンジした事例となり、ファンドの新しい形を示すものと考えているという。
カーライル・グループ 福岡銀行がファイナンスを担当 オフィスバークレーにPM委託 九州のショッピングセンターを取得 1年半で投資総額を300億円規模に
プライベート・エクイティー投資会社カーライル・グループ(米国ワシントンDC)と不動産の運用や証券化コンサルティングを手がけるエス・オー・ダブリュー(東京都千代田区)は、福岡銀行(福岡市中央区)と九州を中心に商業施設用地の取得及び開発、テナント誘致など総合的なプロパティーマネジメントを行うオフィスバークレー(福岡県久留米市)と連携を取り、「大牟田レックス・ショッピングセンター」を取得した。
カーライル・グループとエス・オー・ダブリューは、これまで中規模ショッピングセンター5物件計約120億円で取得してきているが、今後、12~18カ月で10物件程度を追加取得し、投資総額を300億円規模とする予定だ。
なお、今回の件において、福岡銀行は不動産流動化の仕組み作りとファイナンスを担当。開発当事者であるオフィスバークレー社は、引き続き共同投資に参画し、プロパティーマネジメントを担当した。
住金物産 千葉県市川市の保有資産を売却プロロジスが大型物流施設建設
住金物産(大阪市北区)は、プロロジス(東京都港区)の特定目的会社プロロジス市川(東京都港区)に財務体質の改善を図るため、固定資産を譲渡すると発表した。
今回譲渡を決定した固定資産は、千葉県市川市塩浜1丁目に立地する、行徳倉庫の信託受益権で、土地面積6万5954㎡、建物延床面積3万1464㎡だ。譲渡予定日は11月30日。帳簿価額が単体で80億7900万円、連結で79億4400万円となっており、譲渡価格は、85億円であるため、今回の信託受益権譲渡により、単体決算で3億円、連結決算で4億円の譲渡益が見込まれるという。
なお、プロロジス(東京都港区)は同地において、同社が保有する物流施設としては、首都圏最大となる地上5階建て、延床面積約13万1500㎡のマルチテナント型大型物流施設を建設する予定だ。
プロスペクト・レジデンシャル投資法人 プロスペクト代々木・御茶ノ水の2物件を譲渡 ポートフォリオの効率化図る
プロスペクト・レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、10月19日に「プロスペクト代々木」を譲渡し、11月2日に「プロスペクト御茶ノ水」を譲渡すると発表した。
同投資法人の「資産運用の対象及び方針」に基づき、将来における運用状況の見通し、個別物件の状況、不動産売買市場の動向などを総合的に勘案し、ポートフォリオ全体の構成などを総合的に検討した結果、譲渡時期、譲渡価額などが妥当であると判断。中長期的なポートフォリオの充実及び運用の効率化を推進することが物件譲渡の目的だ。
「プロスぺクト代々木」は、平成17年2月竣工、地上7階・地価1階建て、延床面積1028・42㎡の共同住宅で、平成17年7月に同投資法人が7億7900万円で取得していた物件である。物件譲渡先は、白金工業(東京都港区)で、9億4348万9000円で譲渡した。また「プロスペクト御茶ノ水」は、平成17年9月竣工、地上17階建て、延床面積3674・78㎡の共同住宅で、平成17年9月に21億2000万円で取得していた物件だ。譲渡先はREアレプ特定目的会社(東京都千代田区)で、譲渡予定価格は、24億2000万円となっている。
ファーストロジック 「楽待」プレミアム会員の募集を開始 より優良な物件情報提供が可能に
不動産マッチングシステム「楽待」を運営しているファーストロジック(東京都港区)は、プレミアム会員の募集を開始した。
「楽待」は、不動産投資を検討しているユーザーが、購入希望条件を登録することで、欲しい情報を入手できる、いわば”不動産逆オークション”である。欲しい物件ニーズを入力しておけば、ユーザーのパソコンに情報が届くようになっている。売物件情報を扱う加盟店は、保有物件情報にマッチした顧客を探し出すことが可能とあって、ユーザー・加盟店共に登録件数が増加中だ。
「プレミアム会員サービスは、楽待会員の方々に、より優良な物件を提供するためのオプションサービスです。これまで投資マネージャー推薦の良質物件は短期間で売買が成約してしまうため、面談済みの方など限られた会員様にしか提案できませんでしたが、そうした状況を改善しようと考えました」(ファーストロジック代表取締役坂口直大氏)
プレミアム会員には、物件見学会や、投資マネージャー特選物件の紹介など、不動産投資の実践に近づくためのサービスを提供する。つまり、会員の正確な情報を預かることで、タイムリーかつ的確な融資アドバイスを行うことができるほか、金融機関への紹介もスムーズになるという。
「個別に面談を行い審査しますので、売り手側である加盟店としても、安心して鮮度の高い物件を提供可能になると思いますので、両者間にとって、効率の良いサービスになると考えています」(坂口氏)