不動産トピックス

クローズアップ 清掃用品編

2006.12.18 15:40

 建物の汚れは管理側・使用側双方にとって気になる面。建物内の清掃が行き届いているかは、建物の価値に大きく影響する。小さな汚れを簡単に、かつ効率的に落とす為にはどのような手法があるのだろうか。各社が考案する取り組みを紹介していく。

川本工業 立体面を手軽に洗浄 水垂れや飛散を防ぐノズル
 川本工業(神奈川県横浜市)が販売している「AQUA-Z」は、立体面天井や壁、曲面、角などを水漏れなく洗浄できる画期的な業務用立体面洗浄器である。製造・発売元は三協アクアシステム(東京都港区)。
 従来の洗浄器は手元のレバーを操作して水を噴出させるため熟練が必要とされ、また壁や天井で使用すると水漏れがするため、用途はほぼ床の清掃に限られていた。
 「AQUA-Z」の大きな特徴は、負圧式のノズルを採用している点。それが従来の課題である垂直面や凹凸面の洗浄を可能にしている。ノズルが洗浄面にあたるとノズル内の圧力が下がり、それによりチューブ口を操作している蓋が外れ洗浄水が噴出するという仕組みとなっている。洗浄部分にノズルを当てるだけで自動的に水が噴出し同時にノズル奥より水をバキュームするので、必要最小限の汚れ部分の洗い取りができる。水垂れや飛散がないため、周辺をビニールシートなどで保護する養生作業が不要となり、その分手間とコストが削減される。ノズルは丸型・平型・三角の3種類があり、用途により取り外して使用が可能。
 もうひとつの特徴は、ボディがワンタンクで用水を循環型で使用している点。強い洗剤を中に混ぜれば、潜在の効き目が弱くなるまで繰り返し使用できるので、2タンクの一方通行型に比べ水の使用量を最小限に留められる。汚水の処理も容易だ。
 「固型ごみを吸い取りつつ水洗いをするので、ダニ除去にも有効です。衛生面からもこの立体面洗浄器は期待されています」(環境開発事業部長 大塚幸裕氏)

ビーエスディ ガラス表面を傷つけずにリニューアル
 ビーエスディ(鹿児島県吉野町)は、ガラスなどの表面を無傷に保ちながら水垢を完ぺきに除去できる、水垢・油膜取りクリーナー「FW-2」を販売している。
 「FW-2」は同社グループ「シラックスウ」「協同組合シラス製品開発研究所」で開発されたもので、南九州一円に分布している火山噴火物である「シラス」(ケイ酸アルミナ)を原料に用いた天然素材のクリーナー。化学薬品を全く使用していないため、環境や人体への負荷がほとんどない。
 従来のダイヤモンドやセレニウムを用いた研磨剤は硬すぎてガラス表面に傷がつくことを避けられず、またフッ化水素の強酸性溶液ではガラスの表面が溶け、日が経つと白濁しガラス自身の強度も劣化してしまうという問題があった。その点、特殊製造法により生成し不純物を取り除いたうえで微粉化したシラスは、ガラスの硬度6・0よりやや硬い6・5に調整されガラス表面を傷つけることがなく、清掃による劣化の恐れがない。そのため、またガラス面だけではなく、鏡やホーロー、クロムメッキなどの鏡面仕上げの金属面を新品同様に磨き当てることも可能。弱アルカリ(PH8)のため、油膜も除去しやすい。
 同社は平成16年7月に設立。現在代理店を全国に展開しながら販売を行っている。

オーブ・テック 水洗い不要・環境負荷の少ない洗浄剤 ほぼ全ての素材に使用可能 水性・油性問わず汚れ除去
 オーブ・テック(東京都板橋区)が99年より米国から輸入販売を行っている「スペースショット」は、ほぼすべての素材に使用が可能な点が強みの洗浄剤だ。清掃用途にあわせ各種別個の洗浄剤を用意する必要がなく、従来の洗浄剤での難点であるアルミやゴム、大理石などへの使用の際に起こる腐食や変色などの問題を克服している。
 とうもろこしとココナッツを主成分とし、石油系の界面活性剤や蛍光増白剤を使用しない植物性洗剤で、河川汚水や「シックハウス症候群」などの心配が無いのも強み。OECD化学物質テストガイドラインのDOC法に基づく生分解性テストでも90%以上のバクテリア分解度結果を示しており、排水としてそのまま流しても環境への影響がほとんど無い。その安全性に加え、水性・油性を問わずコピートナーやインクの汚れ、血液のしみなど、重度の汚れを除去できる洗浄力も兼ね備えている。
 また使用後の水洗いが不要なので、清掃作業時間が4分の1に短縮可能。「清掃費用は、人件費が約9割を占めています。作業時間が短縮できれば人件費も安くつき、トータルで見れば費用削減に繋がります」(代表取締役 筒井和夫氏)




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