不動産トピックス
今週の一冊
2007.01.22 16:34
生活を脅かす建造物「質」と「数」の偽造
建築紛争―行政司法の崩壊現場
著者:五十嵐敬喜/小川明雄
発行:平成18年11月21日
単価:780円(税別)
出版社:岩波書店
平成10年、建築基準法が大改定され、建築確認・検査機関を民間が担えるようになった。それにより建築確認が変質し、自治体確認がなされていた時代には通らなかった建築計画が、民間機関の建築確認によって「合法証明」されているケースが多発している。
建造物の高さや容積についての規制の網をくぐり抜け、棟数や構造計算などの数と質の偽装をしつつ乱開発が行われている住環境問題の現状を、現場取材を通して本書は示す。そこには政官財、そして司法が住人の安全を脅かす構造が描き出されている。