不動産トピックス
今週の一冊
2007.02.26 10:21
知を生み出す場としてワークプレイスの意味と役割を示唆 オフィス空間にデザインを導入する意義と評価方法を明示
編集:日本ファシリティマネジメント推進協会 調査研究委員会ユニバーサルデザイン研究部会
単価:4000円(会員価格2800円)
出版:日本ファシリティマネジメント推進協会
至る所において「ユニバーサルデザイン」という言葉が使われるようになって久しい。だが、その言葉は概して「使い易さの追求」という意味で使われている。1985年に、ロナルド・メイスによって提唱され、1997年にはより精緻な意味が定義された今尚、ユニバーサルデザインという言葉が持つ意味は広義では多種多様に分岐していると言って過言ではない。
というのも、本来の言葉の意味である「最大可能な限り、全ての人々にとって使い易い製品・環境をデザインすること」とは、実用段階においてはあまりに漠然とした意味となってしまうからだ。そもそも、この言葉が示すデザインとは、対象を製品に限るものではなく、空間や都市設計にも広がるものだ。公共機関や病院等には導入が進んでいるが、オフィスへ導入することへの意味も大きい。本書はファシリティマネジメントの立場から、知を創出する場であるオフィスにおけるUD導入への意味とその評価方法を示した、先駆けともいえる一冊である。