不動産トピックス

今週の一冊

2007.04.02 17:08

戦前の建築が残り、戦後の建築が消えていくという逆転現象

昭和モダン建築巡礼 西日本編
著者:磯達雄(文)/宮沢洋(イラスト)
発行:平成18年10月30日
価格:1800円(税別)
発行:日経BP社

 明治・大正・戦前期に建てられた近代建築は装飾的な要素が多く、その土地の一部分となり都市を特徴づけてきた。旧丸の内ビルヂングしかり、昭和9年竣工のJR奈良駅の曳き屋しかり、戦前の建築で名の知れたものが壊されそうになると何かしら話題になるが、一方で戦後の建築物は名作と呼ばれるものであっても何の話題にもならないまま壊されてしまう。未来の海上都市「アクアポリス」は平成12年に解体され、丹下健三氏が設計した「広島子供の家」は昭和53年に解体された。
 その問題に気が付いた記者らが、昭和20年から50年に建てられた、西日本に残存するモダニズム建築の素晴らしさを再発見すべく滋賀県から宮崎県まで渡り歩き、各現代建造物の写真とイラスト、そして文章により細微に渡りその魅力を書き綴った一冊。




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