不動産トピックス
過熱する不動産投資市場の現場から
2007.05.14 17:29
ディックスクロキ「(仮称)港1丁目14プロジェクト」着工 港湾地区に30階建てのタワーマンション
ディックスクロキ(福岡市中央区)は「(仮称)港1丁目14プロジェクト」にSPC組成の上で着工した。
開発物件「(仮称)港1丁目14タワーマンション」は、施工後に土地・建物ともに米国のAIGグループが運営するファンドに約53億円で売却することとし、契約締結済みだ。同社はプロジェクトの企画立案、SPCからの建築工事の請負、リーシングや出口戦略を含めた開発業務を手掛ける。SPCは、地元の有力地銀である西日本シティ銀行からも、ノンリコースローン及び匿名組合出資を受けている。
開発地は福岡市営地下鉄空港線「赤坂」駅、「大濠公園」駅より徒歩9分に位置しており、商業・オフィス街を徒歩圏内とする。2058・47㎡の敷地面積に、地上30階地下1階、延床面積1万8925・67㎡、地上30階地下1階建ての共同住宅を建設する予定で、住居は総戸数210戸。
周辺は博多漁港や中央卸売市場に隣接し、倉庫や事業所の並ぶエリアであったが、近年は賃貸マンションの開発が続き、商業店舗やホテルの出店も目立つ。物件は天神エリアを徒歩圏内とし、高層階がオーシャンビューとなる特性を活かし、都心で働く比較的高所得の単身者を中心とした層をターゲットにしている。間取りは比較的コンパクトだ。なお近隣には、昨年9月に同社が竣工させた「ディー・ウイングベイタワー」が建つ。
4月27日に工事着工の後、平成21年2月下旬に竣工、翌3月に入居を開始する予定だ。
ジョイント・リート投資法人「プレジオ天神橋」を14億9000万円で取得 梅田・キタエリア至近物件都心居住派の需要を見込む
ジョイント・リート投資法人(東京都目黒区)は、「(仮称)プレジオ天神橋」の取得を決定した。売主はベイシス、取得額は14億9000万円である。現在開発中の物件で竣工予定は平成20年3月末日、取得予定日は同年6月末日だ。
同物件の所在地は大阪市北区。大阪市営地下鉄谷町線・堺筋線「天神橋筋六丁目」駅より徒歩2分に立地する、地上15階建ての共同住宅である。土地面積は858・09㎡、延床面積は2936・39㎡、総賃貸可能面積は2514・12㎡、賃貸可能戸数は81戸の規模だ。
周囲は小規模な一般住宅が建ち並ぶ中に中高層の共同住宅が混在するエリアであり、西側には商店街があることから、生活の利便性は高い。大阪中心部の梅田・キタエリアへのアクセスも良好である。
こうした条件から、都心居住の利便性を重視するシングル層、および少人数世帯を中心とした需要を見込んでの取得となった。
グレースリプラス リプラスとグレースが資本・業務提携 グレース傘下の藤栄建設が工事を受注
グレース(東京都渋谷区)とリプラス(東京都港区)は資本提携を行うことを決定した。またリプラスは、グレースの100%子会社である藤栄建設(東京都渋谷区)と業務提携を締結するとともに、グレースの主要株主から株式の譲渡を受けることにより、グレースの株式130万株(議決権比率4・28%)を取得することで合意した。グレースは、平成15年、フジタの子会社であった藤栄建設を買収し、マンション建設事業に進出した。同社は特定分野に特化した建設会社の集団の確立を目指しており、藤栄建設の他、昨年には日東工営を買収、子会社とし、また金山工務店と業務提携を行うなどしている。一方リプラスは、開発型プロジェクトの割合が増加していることもあり、建築施工分野でのパートナーを探していた。藤栄建設と施工包括契約を締結することで、同社がアセットマネジメント業務を行うSPCは、品質を確保しつつ単価を引き下げることができると見込んでいる。また従来以上に複数のプロジェクトを並行して手掛けることができるようになり、開発案件の継続的、加速度的なファンド組み入れを行うことも可能となる。また藤栄建設の関東圏での豊富な施工実績や施工体制を評価しており、同社が見込む工事規模に対して十分な施工体制が整うとして受注の安定性を確保していきたい考えだ。業務提携の具体的な内容については、リプラスの運用する不動産ファンドへ組み入れる物件の建築工事を、リプラスが指定するSPCより藤栄建設が年間一定額(100億円目処)受注することになる。
エルシーピー投資法人 レジデンス2棟を売却 簿価差額計9600万円
エルシーピー投資法人(東京都中央区)は、「ピュアシティ六本木」「ホメストイーストヒルズ」の譲渡を決定した。国内法人への譲渡であるが、同意が得られず名称などは開示されていない。
「ピュアシティ六本木」は6億円での譲渡。簿価との差額は4900万円となる。同物件は、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線「六本木」駅より徒歩4分に位置する、土地面積431・4㎡、延床面積707・01㎡、地上4階建ての共同住宅だ。竣工は昭和63年7月で、現在の稼働率は、面積ベースで72・2%である。
「ホメストイーストヒルズ」も同じく6億円での譲渡。簿価との差額は4700万円となる。同物件は、東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒」駅より徒歩10分に位置する、土地面積575・2㎡、延床面積1286・7㎡、地上5階建ての共同住宅だ。竣工は昭和61年5月で、現在の稼働率は100%である。
日本レジデンシャル投資法人 計18億5000万円で三菱地所に譲渡 都内レジデンス2棟を売却簿価との差額約1・6億円
日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、「世田谷サンハイツ」「プティ・クール砧」の譲渡を決定した。いずれも売却先は三菱地所で、合計売却価格は18億5000億円である。簿価との差額は約1・6億円だ。
「世田谷サンハイツ」は、世田谷区上馬に立地する、地上4階建て、延床面積2063・39㎡、総戸数38戸の共同住宅。平成4年7月に竣工。間取りは1Kから3LDKまでを揃える。譲渡価格は11億1704万円で、引渡予定日は今年6月1日だ。
「プティ・クール砧」は、同じく世田谷区の砧に立地する、地上5階建て、延床面積1816㎡、総戸数11戸の共同住宅。間取りは2LDKから8LDKまでを揃えており、平成2年3月に竣工。譲渡価格は7億3798万3500円である。
また、今年4月19日にユー・アール・ファイブとパシフィック・グロース・リアルティに譲渡決定していた3件の物件は譲渡を完了している。
長谷工コーポレーション エコロジー・リート投資法人を連結子会社化
長谷工コーポレーション(東京都港区)は、エコロジー・リート投資法人(東京都港区)を連結子会社化したことを発表した。
エコロジー・リート投資法人はJ-REITマーケットの不調を理由に、昨年7月予定の上場を延期していた。
同社は、今年1月にエコロジー・リート投資法人の第三者割当による投資口の募集に応じ、同投資法人を子会社としていたが、今年3月期の同社決算において連結子会社化を決定。
出資総額は21億円、発行済投資口総数は4200口である。同社の所有投資比は90・2%、出資総額は2100万円だ。同投資法人の総資産額は380億円となる。