不動産トピックス
過熱する投資市場の現場から
2007.05.21 14:06
MIDリート投資法人 大阪本町のオフィスビルを20億円で取得 中高層オフィスビルが建ち並び恒久的なテナントニーズ見込む
MIDリート投資法人(大阪市北区)は、今月16日「MID御堂筋瓦町ビル」を取得した。
売主は同投資法人のオリジネーターであるMID都市開発の株式を保有する、エートス・キャピタル・エルエルシー運用のファンドが設立したグリムズビーアセット特定目的会社で、取得価格は20億円である。
同物件は平成10年竣工の地上6階建てオフィスビルで、大阪市中央区瓦町4丁目に立地しており、大阪市営地下鉄御堂筋線・四つ橋線・中央線「本町」駅より徒歩5分の距離である。土地面積は934・79㎡、建物面積は3945・88㎡、賃貸可能面積は3039・09㎡、賃貸面積は2261・97㎡の規模だ。
基準階面積約180坪のオフィス空間を有し、各フロアは小割り分割での賃貸も可能である。また、個別空調やOAフロアなどの採用に加え、外観もガラス貼りで意匠を凝らしたデザインとなっており、設備、設計等の面からもテナントニーズを満たす条件を備えていると考えられ、市場競争力を十分に有する物件であるとの評価。
これら設備・設計面の条件に加えて、周囲は中高層オフィスビルが建ち並ぶビジネスエリアであり、交通等の利便性が高いことから、恒久的なテナントニーズを見込んでの取得となった。
取得時点でのテナント総数は6社で、年間賃料総額は1億1444万6000円、敷金・保証金は7454万8000円だ、稼働率は74・4%である。同物件の所得によりポートフォリオは物件数11となった。
なお、同物件の以前の名称は「河越ビル」で、取得日付けで「MID御堂筋瓦町ビル」と改称された。
シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ 川島織物セルコンより2棟取得 千代田区内神田に立地する本館・別館を合わせて買収
シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(東京都千代田区)は、川島織物セルコン(京都市左京区)より、同社の東京支店本館と別館を取得する。取得価格は公表していない。引渡しは今年12月27日迄の予定だ。
川島織物セルコン東京支店本館は、千代田区内神田一丁目に立地する地上4階建てのオフィスビルで、土地面積503・70㎡、建物面積2049・49㎡の規模である。別館も同じく内神田一丁目の、本館と道路を挟んだ向かいに立地しており、土地面積372・35㎡、建物面積891・00㎡の規模。いずれも東京メトロ丸ノ内線「淡路町」より徒歩5分、JR・東京メトロ銀座線「神田」駅より徒歩7分の距離だ。
なお川島織物セルコンは、今年11月に江東区豊洲の「(仮称)豊洲5丁目ビル」に移転する予定だ。同社は、当該固定資産の譲渡による固定資産売却益を約21億円としている。
プロパスト 江東区東砂の土地を取得
プロパスト(東京都港区)は、JST(東京都江東区)から、昨年11月、江東区東砂8丁目の土地を取得した。
同物件は、JSTが有料駐車場として使用していた土地で、面積は1196・32㎡。
今回の譲渡は、JSTが不動産賃貸物件の取得資金の一部に充てるためとされ、帳簿価格は1億6800万円、譲渡価格は6億3000万円であった。同社は、固定資産売却益4億4100万円を、3月期に計上する。
野村ホールディングス 24時間体制の安全管理シャトルバスも利用可能 大阪・神戸の街を一望今月オープンの新施設
野村ホールディングス(東京都中央区)の100%子会社である野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーがアセットマネジメントを手掛ける播磨特定目的会社は、日本ロングライフ(大阪市北区)より、介護付有料老人ホーム「ロングライフ神戸青谷」を取得した。
今年5月18日にオープンした同物件は、日本ロングライフが自社物件として運営する前提で開発を進めてきたもの。同社は物件譲渡後、播磨特定目的会社より賃貸の上で管理運営を行う。
物件の所在地は神戸市中央区。建物は、地上6階地下2階建て、敷地面積2874・60㎡、延床面積5388・57㎡、居室数は77室の規模だ。共用施設として、室内植物園の他、シアタールーム、メインダイニング、ライブラリー、歩行用プール、大浴場、レストランなどを備え、ホテルスタイルのコンシェルジュサービスや、24時間体制の安全管理を行う。またシャトルバスを利用して三宮の中心部にも出ることができる。
ニチモ 本駒込の事務所兼倉庫
ニチモ(大阪市北区)は、川田工業(富山県南砺市)より、ビル1棟を取得した。同物件は、川田工業が東京都文京区本駒込において、事務所兼倉庫として使用していたもの。鉄筋コンクリート造、地上5階地下1階建て、土地面積161・78㎡、建物面積645・86㎡の規模で、帳簿価額は1億6900万円、譲渡価額は2億9800万円。川田工業は固定資産売却益約1億2800万円を、3月期の特別利益に計上する。
オリックス不動産投資法人 「自由が丘」駅徒歩3分の複合ビル 1階約85坪の希少な貸室面積
オリックス不動産投資法人(東京都港区)は、「KN自由が丘プラザ」を取得する。売主はケン・コーポレーション(東京都港区)取得価格は31億1000万円。物件引渡しは今年5月30日の予定だ。
「KN自由が丘プラザ」は、目黒区自由が丘二丁目に立地し、東急東横線・大井町線「自由が丘」駅より徒歩3分の距離である。平成13年竣工、地上5階建てのオフィス・店舗複合ビルで、土地面積575・54㎡、延床面積1272・60㎡の規模だ。1階が約281㎡、2階が約291㎡、3〜5階が約219㎡の貸室面積を備えており、総賃貸面積は1231・44㎡である。
年間想定賃料収入は1億5800万円とされている。敷金・保証金は1億5400万円。なお現在のテナント総数は5で、稼働率は100%だ。
物件が所在するエリアのカフェやファッションなどの商業施設が集積しながらも人口密度・人口増加率が高く、また田園調布・成城といった高級住宅街の至近に位置しているといった好立地性に加え、近隣では希少価値を持つ規模の大きなフロア面積を評価し、高い競争力と安定したテナント需要を見込んでの取得となった。
ジャパン・シングルレジデンス投資法人 単身世帯の比率高まりリスクは限定的と評価
ジャパン・シングルレジデンス投資法人(東京都港区)は、今月15日、格付け投資情報センター(R&I)より、発行体格付けを取得した。
格付けはAで、アウトルックは安定的。同法人は都市圏における、交通・生活利便性の高い築浅物件を主なターゲットとしている。
格付け投資情報センターは、賃貸住宅の主力テナント層である単身世帯の比率は今後も高まる見込みであり、スポンサーのインボイスRMが単身者向け住宅の開発・運営事業を長年行ってきたこと等を考慮しても、投資ターゲットを絞ることによるリスクは限定的であるとしている。
また、一部は宿泊特化型ホテルやサービスアパートメントにも投資し、一定の用途分散を図っている点を評価している。なお、今後の課題として、財務面における借入金の変動比率の高さ等が挙げられている。
ユニファイド・パートナーズ ながでんグループのスキー場・ホテルなどを取得 リゾート事業への投融資拡大
ユニファイド・パートナーズ(東京都港区)は、長野電鉄(長野県長野市)を中心とするながでんグループが奥志賀高原で展開してきたリゾート事業を取得する。
同社が取得するのは、「奥志賀高原スキー場」「奥志賀高原ホテル」その他付帯事業だ。譲渡価格は公表されていない。
「奥志賀高原スキー場」「奥志賀高原ホテル」は、ともに長野県下高井郡に立地する昭和44年開業の老舗リゾート施設。いずれも信州中野ICより37㎞、長野電鉄長野線「湯田中」駅よりバスで60分の位置にあり、前者は総面積35ha、標高差540m、長滑走距離3㎞、8コースの規模で、リフト6基(内ゴンドラ1基)を有する。
後者は敷地面積1万4390・5㎡、延床面積7948㎡、地上6階地下1階、総客室数74室、収容人数165名の規模のホテルで、今回譲渡される付帯施設として、森の音楽堂、展望大浴場、大宴会場、メインダイニング、和食堂、カクテルラウンジ、テニスコートを備えている。ユニファイド・パートナーズは全従業員の雇用を継続するとしている。
今後は同社の子会社が、ながでんグループが会社分割により設立する事業継承会社の株式を取得する予定だ。同社は、会社設立した平成17年の11月には、同じく長野県内で「竜王スキーパーク」を営む竜王観光を買収するなど、スキー場やホテルを始めとするリゾート事業への投融資の拡大を順次進めており、将来的には資本市場を活用した事業経営を目指すという。