不動産トピックス

商業ビル最前線

2007.06.11 18:30

ビルズ 競合他社が少ない店舗専門の仲介 月に3万件の物件情報を発信少数で1500件の情報扱う
 平成11年に設立したビルズ(東京都渋谷区)は、店舗を専門とする仲介会社である。
 「店舗専門の仲介は『その立地のその条件で出店したい』という、テナント側の希望が細かく手間がかかるため、競合他社が少ない市場です」(代表取締役井上良介氏)
 井上氏は、大手オフィス仲介会社において10年の勤務歴を持つ。同社で店舗仲介部門を立ち上げる際の一翼を担い、ノウハウを掴むと同時に「10万棟を超えるオフィスと違い、店舗は情報の絶対数が少ないので少人数でも情報管理ができる」と気が付いた。
 退社後、ビルズを設立。現在は10人の営業マンが、1都3件に加え政令指定都市を中心とした物件約1500件の情報を取り扱う。テナントは広範囲に店舗展開している企業に対象を絞り、専属のSEが構築したオリジナルの店舗情報システムの中に、テナント側の出店条件(立地・規模など)とオーナー側の入居条件を入力。新しい物件情報が出たら出店希望条件に当てはまる企業へメールで情報を一斉に発信する。送信相手の数は、1回あたり平均にして500社から1000社。常時変化する企業の出店計画にも注意を払い、新規出店意欲が旺盛な企業を中心に営業を行う。
 テナントは営業マンが毎月新規で40社から50社を発掘し、新規物件情報は月平均で約300件入手。月にして2万件から3万件の情報発信を行っている。
 「物件の良さが店舗の命ですので、大手仲介の物件一覧以外にも、大手企業が店舗リストラを実行する前の未公開情報の入手や閉店セールを行っている物件、建築看板のチェックなど、常に情報刷新を行います」

NEWSCHEF 西麻布に新コンセプトの飲食ビル「ホテルのようなサービス」をデリバリー
 NEWSCHEF(東京都港区)は、5月22日、港区西麻布に複合施設「THEROOMSERVICE」をオープンさせた。
 電子レンジ用調理容器「ニューズシェフ」の開発・製造などを手掛ける同社が、ビルまるごと一棟の経営を手掛ける。1階がエントランス、2階がオーダーサロン、3・4階がカフェ、5階がオフィス、6階がキッチン、7階とロフト部分がバーという構成で、同社の製品を提供。
 「ホテルのようなサービスがコンセプトです。近隣の街全体をホテルに見立て、ルームサービスを提供するという発想です」(営業本部部長肥田佳典氏)
 バブル期に建てられたビルは画廊仕様で、飲食店の引き合いもあったが、ガス設備がないため数年間空室状態であった。電気使用の飲食サービスを手掛ける同社にとっては、打ってつけの物件だ。
 「調査の結果、周囲に意外と飲食店舗が少ないことが分かりました。デリバリーのターゲットは、住宅やオフィスの他、例えばカラオケ店やバーなどの業者の方も含みます」
エントランスにはスタッフが常駐。2階はデリバリーの注文を行うカウンターとなっている。
 「いずれの業態でも提供するメニューの内容・価格は共通しておりますが、こうした直営店では、デリバリーで扱うのが困難な魚介類などのメニューをお出ししたいと思っております。今後はさらに、良質な食材を使用した高級メニューも手掛けていく予定です」
 今後、同社は都内のデリバリー拠点を開発していく。9月1日には、大崎のビジネスホテルにテイクアウトサービス付のレストランを出店する予定だ

チェルシージャパン 市場価格の最大65%オフ大阪から直通バスも運行 三越初となるアウトレットショップへの出店が目玉
 チェルシージャパン(東京都千代田区)は、今年7月6日、兵庫県神戸市北区において「神戸三田プレミアム・アウトレット」を開業すると発表した。
 敷地面積は19万5000㎡、店舗面積は1万9100㎡。物販87店舗、8つのテナントが揃うフードギャラリー、カフェの合計89店舗が出店。各種アパレル用品から生活雑貨、アクセサリーや宝飾品など、厳選された幅広い品揃えを毎日市場価格の25〜65%オフにて提供する。
 出店ブランドで目玉となるのが、新業態として三越(東京都中央区)が出店する自主編集インポートセレクトショップ「ニューヨークランウェイバイミツコシ」だ。三越にとって、アウトレットへの出店は今回がはじめて。買い取り商品を中心とした高率商品の最終的な販売ルートを確保し、最終消化率の向上を目指す。
 「神戸三田プレミアム・アウトレット」開業にあわせ、阪急バスは梅田・阪急三番外バスターミナルから同センターまでの間にシャトルバスを運行する予定だ。

  イオン スケールメリットを活かして2街区構成と動く歩道も設置 湖畔に寄り添う国内最大級の商業施設を計画
 イオン(千葉県千葉市)は、イオンモールと合同で進める、商業施設としては国内最大級の敷地規模となるショッピングモール「(仮称)レイクタウンプロジェクト」の全体計画概要を明らかにした。
 敷地面積は25万6000㎡。自然を取り込んだ日本最大級のまちづくり「越谷レイクタウン」(埼玉県越谷市)の開業にあわせ、平成20年春のグランドオープンを目指す。同地区の後背地には草加市、川口市、三郷市をはじめとした首都圏のベッドタウンが広がり、15㎞圏で約400万人のマーケットボリュームを有する。そこに同施設ではウェルカムゲートを通じて、平成20年春に開設が予定されているJR武蔵野線新駅「越谷レイクタウン」駅と直結した「A街区」と、東埼玉道路を前面道路とする「B街区」の2街区構成として計画。両街区の他にも、隣地にはスパリゾートなども計画している。
 A街区のモールは3つの核をつなぐ「トライアングルモール(三角型)」、B街区は湖畔のロケーションを活かしたオープンモールと屋内型のエンクローズドモールを組み合わせた「ハイブリッドモール(複合型)」として計画し、また回遊性を高めるために、A・B街区を結ぶブリッジに「ムービングウォーク(動く歩道)」を設置する。イオンは出店する専門店の確定し、埼玉県に対し大規模小売店立地法の手続きを行った後に、正式に概要を発表する。

西日本旅客鉄道 金沢駅西口に新たなにぎわい拠点誕生
 西日本旅客鉄道は、5月26日、JR金沢駅西口ビル「くつろぎ館」と金沢駅屋上駐車場をオープンさせた。
 「くつろぎ館」は、JR金沢駅構内の商業施設「金沢百番街」を構成する、地上8階建ての複合ビル。敷地面積3700㎡、延床面積1万2000㎡の規模である。
 1階から3階までが商業・サービスフロア、4階が医療・美容フロアとなっており、5階から8階までにおいては、西日本旅客鉄道の子会社であるジェイアール西日本デイリーサービスネットが経営するホテル「ヴィアイン金沢」が今月27日にオープンする。客室総数は、シングルルームをメインに206室だ。
 低層階にはスーパーマーケットやドラッグストアが入居。4階の「金沢メディカルステーションヴィーク」は、今月12日に診療を開始した。
 屋上駐車場は、面積1万3000㎡、駐車台数415台の規模である。年中無休24時間営業で、金沢百番街で2000円以上の買物をすれば1時間無料になるサービスを行っている。

ジョイントコーポレーション 横浜市「センター南」駅前に商業棟を開発
 ジョイント・コーポレーション(東京都目黒区)は、横浜市都筑区において、横浜市営地下鉄「センター南」駅前東側の約4800㎡の土地を取得した。「センター南駅前プロジェクト」として、商業施設2棟の開発を行う。
 当該地は道を挟んで分かれており、南側にあたる土地には「センター南駅前プロジェクト」として、約1300㎡の敷地面積において、延床面積約8500㎡、地上7階地下2階建ての規模の商業施設を建設する。
 北側にあたる土地には「センター南駅前プロジェクト」として、約3500㎡の敷地面積において、同じく商業施設を建設する。建物規模などは検討中だ。
 「センター南駅前プロジェクト」は今夏に着工、「センター南駅前プロジェクト」は来年内に着工の予定。竣工はそれぞれ、平成20年3月と平成21年9月としてい。
 同施設開発後は、建物を売却して流動化を図るとしている。

西友 専門店街に加えシネコンや温泉施設も 丸1日過ごすことが可能な郊外型SC
 6月1日、西友(東京都豊島区)は、浜松市北区平口の土地区画整理事業地内に開発中のショッピングセンター(SC)の名称を「サンストリート北浜」に決定した。敷地面積は約10万、施設面積は約3万2000㎡。
 同SCの5㎞圏内には都市再生機構がニュータウン「きらりタウン」を開発中ということもあり、人口増加が見込まれるエリア。「楽しいショッピングセンター」をコンセプトとし、24時間営業の「西友浜北店」をはじめ、TOHOシネマズ株式会社(東京都千代田区)が運営するシネマコンプレックス、またバラエティ豊かな専門店街や温浴施設などを設置。各世代のライフスタイルにあわせた時間消費が可能となり、同SC内で丸1日過ごすことができる。
 7月上旬に「西友浜北店」とフードコート、続く7月下旬に専門店街と温浴施設、そして8月にシネコンと段階的にオープンしていく予定だ。




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