不動産トピックス
クローズアップ 喫煙設備編
2007.06.11 18:22
タバコの煙は、吸う人だけではなくむしろ周囲の人間に影響する。近年では副流煙という言葉も市民権を得て、喫煙者の肩身はますます狭い。特にオフィスや病院など人が集まる場所では、喫煙スペースを探すのも難しくなっている。そこで今回は分煙を実現する設備を紹介していく。
リコーエレメックス 4種のフィルターで効率的にウイルス対応で機能性を重視パック 空気清浄用途に応じて機能が選択可能
リコーエレメックス(愛知県名古屋市)は壁掛けタイプの空気清浄機「AIRMATECASAREEN」を開発、販売から施工まで行っている。
同製品は、4種類のフィルターから用途に応じた機能フィルターを組み合わせて使用することが可能だ。フィルターは通常の脱臭フィルターに加え、強力脱臭、対VOC、及び抗ウイルスフィルターが選択できる。ヨウ素が含まれている抗ウイルスフィルターはその名の通り一般の空気清浄機と違い、ウイルスに対応する機能が備わっているという。
「ユーザーの中には、コールセンターのように人が大勢集まる場所に導入された会社もありました。均一の間隔で壁に設置し、インフルエンザ対策をしていたようです」(健康・環境事業部事業部長小池昇司氏)
集じん能力は肉眼で見える100ミクロンのものから、電子顕微鏡でないと見られない0・01ミクロンの副流煙、ウイルスまで対応している。
イオン化部で放電しちりやホコリを帯電させ、集じん部でキャッチ。残るウイルス、臭気は各フィルターで吸着する。フィルターは使い捨てで、定期メンテナンスサービス「E-COA」でフィルター交換と施工を対応する。
また、余分なスペースを取らず、立ったままの喫煙で、喫煙時間を短縮する喫煙ブース「エコリア・スタイル」の内部に「CASAREEN」を設置することで、より集じん、空気清浄の効率を上げられるという。
フジタカ 空気清浄機が付属した自動販売機で対策を ブースと組み合わせ喫煙にも癒しの時間
フジタカ(東京都千代田区)は公共施設や病院施設で設備機器・サービス機器を取り扱っている。
同社が開発した「憩いの場」はその中でパッケージ化した製品の総称である。シリーズ中でもユニークなのが、自動販売機の上に空気清浄機がつく画期的な製品だ。同社は自動販売機で高い実績があり、その延長で空気清浄機が付属される自動販売機「クリーンハッピー」を開発、製造している。
同機は24時間マイナスイオンを放出しており、喫煙時のリフレッシュ効果を図る。
「『クリーンハッピー』単体の出力はそれほど強くありません。しかし、当社が提供するサービス『憩いの場』では、ブースの中に『クリーンハッピー』を設置することで、喫煙時のゆとりを提供することができます」(営業本部法人営業部マネージャー可畑長敬氏)
同社が提供するブースには「ユニットキャビン」と「BROTタイプ」があり、共に病院の外に設けられることが多い簡易喫煙コーナーである。
「現在、病院の敷地内では分煙、禁煙化が進んでいます。しかし、一方で未だに外に缶を置いただけの場所もあるのです」(可畑氏)
パック デザインにこだわる半透明のパネル部分 短時間の施工で利用者負担軽減
パック(東京都葛飾区)はイベント設営会社である。
バイク用品会社や医療メーカーのブースなど、様々なイベントブースを手がけてきた。
「かつて自社用に作った簡易ブースが取引先などに受け、商品化に至ったのが『SMOKINGCUBE』です。元来イベント用のパーティションを使用しておりますので、デザイン性にはこだわって作成しております」(代表取締役山田弘一氏)
同製品は骨組みとパネルの部品を組み立てて施工するため、オフィスに合わせて様々な形にレイアウトできる。単純なつくりで、見積もりに時間がかからないのも特長だ。また、徹底したコスト削減で他製品に比べ低価格を実現。軽量で扱いやすいのも設営時間短縮に一役かっている。
「最短2時間で組み立てられる簡単さと低料金において、分煙に二の足を踏むオーナーのニーズに合致していると自負しております」(同氏)
軽量アルミで組まれた骨組みにはめ込む半透明のパネルは、喫煙者とボックスの外の人間の視線が交わるのを避け、堂々とタバコを吸える環境を提供する。
また、壁面を掲示板やホワイトボード、プロジェクター投影用のマテリアルに変更可能。
喫煙ブースでありながら、オフィスのデザインを演出する。
ミドリ安全 コルゲートコレクタ方式で安全に集じん 気流をコントロール煙を逃がさない工夫
ミドリ安全(東京都港区)が開発した分煙器「PALCLEAN」シリーズは、オフィスをはじめ、病院、空港、鉄道車両といった様々なシーンで利用されている。
同シリーズで採用されている主なシステムは2つ。コルゲートコレクタ方式とサイクル光脱臭システムである。
コルゲートコレクタ方式は通常の集じん機と異なり、コレクタ部が樹脂でできている。よって、従来の金属板に起こりがちなスパークを防ぐことができ、安全性が高い。また、電極の間隔が半分以下にできるために、集じん効率もアップするという。
サイクル光脱臭システムでは、ちりが含まれた空気を光触媒の脱臭部に繰り返し通す。それにより同社従来機の7分の1まで臭気を軽減した。
「当社の『PALCLEAN』シリーズは全13種類ありますが、すべてこのコルゲートコレクタ方式とサイクル光脱臭システムを採用しています。製造もグループ内で行っており、細かなニーズに対応することができます」(クリーンシステム統括部担当部長小島道夫氏)
またシリーズ製品の中でも、パーティションタイプの分煙器である「WALL」には気流を操る工夫がされている。
シースルーパネルが煙をガードし、喫煙スペース側の気流を半円形のサイドフラップが調整、上昇させる。その後トップフラップから下向きに気流が流れ、煙がパーティションの外側に漏れにくいという。