不動産トピックス
クローズアップ 清掃用品編
2007.06.25 16:58
ビルの意匠性が注目を浴びる中、今日ではデザイン向上により新素材を使用した建材が次々と開発されている。それに伴い、メンテナンスに使用する清掃用品も進化し、特色のある製品が開発されている。今回は特徴ある4点の新製品を紹介していこう。
リンレイマシンにもデザイン性をコンパクト自動床洗浄機
5月21日にリンレイ(東京都中央区)が発売した「Rook14mini」は、機能性重視が常識だった従来機に対し、新しくデザインに着目して開発した手押式小型自動床洗浄機である。
この製品の特長は、コンパクトで軽いこと、製品のメンテナンスの煩わしさを解消したこと、そして使用者を選ばない簡単操作を実現したことだ。
「従来品は重く、1人では持ち上がりませんでしたが、今回発売となった『Rook14』は内蔵されたバッテリーを取り外すと、成人男性ならば抱え上げられるほど軽い構造になっております」
バッテリーや汚水タンクの取り外しもワンタッチで可能で、折りたたんで抱えるまでの工程を3分以内に済ませられる。
また、従来品の管理では労力がかかる、円形ブラシのパッド台の取り付けも、本体を上からかぶせ、ボタンを押すだけでパッド台が回転して装着できる仕組みだ。
「今回、『Rook14』を開発するにあたっては、海外のメーカーと業務提携をしました。当社としては国内販売に向けて、電源コードの取り外しなどを提案し、日本市場に合わせディテールにこだわった構造で開発しています」
充電式でバッテリーを内蔵しているが、作業中水を使う点に配慮し、充電コードはパソコンの本体電源コードのように取り外しができる。
営業中の清掃でも、建物内の美観を損なわないため、現在、大規模商業施設などに導入が検討されており、今後もニーズの拡大を見込んでいる。
ユシロ科学工業 新開発の薬剤で床材の色をクリアに用 途に合わせた2種類のワックス
ユシロ化学工業(東京都大田区)が開発し、今月1日より発売を開始している「Xシリーズ」は、化学床用に特化した環境配慮型ワックスである。Xシリーズの特色は、従来、乾いたときにワックスの持つ色が床材の色を邪魔してしまうという難点を、より透明度を増すことで回避した点にある。
「通常、ワックスを開発するとき、原料となる薬剤を購入し、調合することからはじめます。しかし、当社は原料メーカーでもありますので、その薬剤から研究し、開発することが可能です。今回、白色ワックスエマルジョンを使用し、床材の色をクリアに保つことに成功しました」(営業本部営業本部室主任大澤悦子氏)
また、通常ワックスの性質として、光沢を重視すればヒールマークなどの汚れが目立ち、美観を保つという意味での耐久性が損なわれるという現象があるが、今回はその点に着眼し、異なる性質を両立させた。
「今回発売した『Xシリーズ』は2種類です。片方がテクスチャーを重視した110型、もう片方が耐久性を重視した330型です」(大澤氏)
ワックスを塗るのに不慣れでも差が出にくい110型は、作業性にポイントを置いて開発。耐久性は従来品よりは弱いが、高い光沢を実現する。
一方、330型は従来品に比べ、より平滑度を上げた高品質な美観を提供。こちらはプロフェッショナル向け製品で、塗布するのに若干の熟練を要するが、耐久性に優れた皮膜構造と平滑度の高さを実現するという。
ペンギンワックス 新開発の特殊溶剤で洗浄力を強化 強力な浸透力で希釈倍率をアップ
ペンギンワックス(大阪市東成区)が開発した「DR・30」は、高濃縮タイプの強力はく離剤である。
「この製品の特長は、30倍に希釈した状態でも汎用ワックスならばはく離させることができることです。もちろん、塗膜の厚さにもよりますが、従来品が5倍希釈だったことを考えると、大変リーズナブルであるといえます」(営業本部マーケティング部天野秀樹氏)
各希釈濃度は、ドライメンテナンスなど塗膜に厚みがあるもので5倍から10倍、高濃度樹脂ワックス塗膜で10倍から20倍、汎用樹脂ワックス塗膜では20倍から30倍と経済性が高い。
同社では、ドクターリムーバー30に使用される溶剤を新開発し、積層した塗膜への浸透力を上げたために強力な洗浄力を保持し、希釈倍率を上昇させたという。
また、ドクターリムーバーは、二重の浸透力を特長としており、高機能アミンと特殊溶剤が、表面から拡散させることで、表面だけでなく内部まで溶解させることが可能であるそうだ。
一方、従来品ではムラの多かった洗浄力にも配慮し、均一の効果を発揮できるよう、レベリング剤を新しく配合。作業時に生じる、希釈液によるまだら状の模様を防止する。また、作業時に出るはく離汚水も低粘度を実現、泡立ちが少ないため洗浄汚水の回収を簡単に行うことができるという。
一般的な化学床材全般と、テラゾー、コンクリート床に塗布された樹脂ワックスのはく離に対応する。
ナカバヤシ ノンフロンで初のトリガー式を採用 逆さでも液漏れしにくいエアダスター
ナカバヤシ(大阪市中央区)が開発し、今月中旬より新発売となった「Digioノンフロンエアダスター」は、フロンガス不使用で、可燃性リスクが従来品よりも低いエアダスターである。今回、ノンフロンでは初のトリガー式ノズルを採用し、使いやすさにも配慮した。
この製品は、液化ガスの配合を改良し、フロンガスに代わる噴射剤としてDMEと二酸化炭素を使用している。DMEの分解速度はフロンガスに比べて早く、環境への影響が低いとされる。温暖化係数を低レベルに抑えており、より環境にやさしい製品を実現した。
「DMEは本来、フロンガスに比べて可燃性リスクが高いのですが、この商品はリスク軽減技術を導入し、リスクを抑制しました」(広報室蒲生興一氏)
フロンガス不使用でトリガーノズルを採用するには、DMEの可燃性リスクを軽減する必要がある。以前からトリガー式を採用している同社だが、安全性の確保のために、ノンフロンでの採用は見送っていた。
また、本体内に配合した吸収体で調整しているため、逆さで使用した際に起こりがちな液漏れを防止。安全性を強化した。細かな場所や頭上にあるエアコンの吹き出し口など、角度を問わず使用することが可能である。
今後は、温暖化ガスの排出量の問題が拡大していくと予想し、工場やATM、機械清掃、工事現場などの幅広い場所での活用に期待をしている。