不動産トピックス
商業ビル最前線
2007.07.16 17:04
三菱地所 アクアシティを事業拡大し商業PMを担う機関会社に 商業施設を重要分野と位置し開発と運営両輪の充実を図る
三菱地所グループ(東京都千代田区)は商業施設事業を重要な成長分野と位置づけ、「アクアシティお台場」の運営会社であるアクアシティ(東京都港区)を、7月1日より「三菱地所リテールマネジメント」に社名変更し、グループ全体の商業施設プロパティマネジメント業務を担う機関会社と位置づけた。
これまで三菱地所グループは、新規商業施設を開発するごとに運営会社を設立してきた。その背景には、商業施設にグループ色を出すことを極力押さえ、地域の人に受け入れられやすいように現地法人を設立するなど、その地域や開発の事情により柔軟に対応するということがあった。
今後、全国で商業施設を展開していくにあたり、「三菱地所の商業施設」というイメージを周知していくと同時に、アクアシティをPM機関会社として商業施設の運営ノウハウも積み上げ整備していく。
「SC(ショッピングセンター)は、開発することだけではなく、運営していくことも等しく重要です。百貨店の売り上げが落ちている一方で、SCの売り上げは伸びています。しかし商業施設は差別化が難しく、出店側にも、出店に際し自社にとってどのようなメリットがあるのかを、新しい切り口をもって具体的に提示していく必要があります。三菱地所グループは、数多くの複合施設を開発してきましたが、商業施設のみの開発はそれほど多くの実績を有しておりません。まず、都心型と郊外型、双方の立地にふさわしい商業施設を拡充していくために、多数の開発と運営会社の充実を図ることとしました」(SC事業企画部副長阿部信行氏)
アクアシティを名称変更し事業拡大するとしたのは、新規で法人を設立するより、1万坪近い商業施設の運営実績を持つ既存の法人を再編する戦略が選ばれたからだ。三菱地所グループは、来年春には江東区南砂町に店舗面積約1万2000坪の商業施設を、来年秋には仙台にも新規に商業施設を開発する計画をたてており、新規に開発された商業施設の運営を、三菱リテールマネジメントが担っていく。
来年度以降は、三菱地所の商業施設というブランディング戦略をどの様に行なっていくか検討していくとしている。
鉄道会館 首都の玄関口に「エキナカ」オープン 東京駅開発事業の一環「グランスタ」10月開業
東日本旅客鉄道の子会社・鉄道会館(東京都中央区)は、今年10月25日、東京駅改札内の地下1階にエキナカ商業施設「GranSta(グランスタ)」を開業する。
同施設は、東日本旅客鉄道グループなどが進めている「TokyoStationCity」事業の一環として、東京駅のコンコース含む約4500㎡を開発するもの。同事業としては今年3月、日本橋口にサピアタワーが竣工しており、10月にはグラントウキョウノースタワー、グラントウキョウサウスタワーの竣工を控える。
「GranSta(グランスタ)」の名称は、壮大さ・最高位を意味する「Grand」と、「Station」など4つの「S」の意味を込めた「Sta」とを組み合わせた造語。約1500㎡の店舗面積に、弁当・惣菜・カフェ・雑貨など45のショップと、販売企画スペース2区画が設けられる。グラントウキョウノースタワー、グラントウキョウサウスタワーと地下でつながることもあり、主に通勤や出張で駅を利用する客が対象だ。また、上下8基のエスカレータ新設の他、案内サインの整備や、コンコースの壁・天井のリニューアルを実施することで、地下1階コンコースの歩行道線を強化し、地上コンコースの混雑緩和を図る。
初年度の売上げ約23億円、その後の売上げは年間約56億円を想定している。
三井不動産 物販以外にも託児施設やリラクゼーションスペースも新設 桑名市に全190店舗の国内最大級アウトレット
三井不動産(東京都中央区)と長島観光開発(三重県桑名市)は、三重県桑名市長島町浦安で展開しているアウトレットパーク「ジャズドリーム長島」を、今年9月20日にスケールアップオープンすると発表した。同施設は平成14年3月に91店舗で開業し、平成18年7月の増床を経て、今回の増床により全190店舗からなる国内最大級のアウトレットとして開業を迎える。
当初、主にカジュアルファッションやセレクトショップを誘致し開業したが、第2期の増床によりラグジュアリーブランドを一大集結させ、今回の増床ではニーズの多様化に対応するよう店舗を集結。また、託児施設やリラクゼーションスペースを新設し、本格的なスイーツとともに生演奏を堪能できるカフェ「カフェタナカ」を誘致。買い物以外にも、くつろげる時間と空間の提供も行う。
増床後は、延床面積は約4万4900㎡となり、建物敷地面積は約3万8000㎡。今回の総事業費は約20億円となる。三井不動産は、「アウトレットパーク」全国で開発・運営しており、これまでにも「ガーデンウォ〜ク幕張」などでも増床を行い、アウトレットパークの事業拡大を図ってきた。現在も「ラ・フェット多摩南大沢」での増床、新規開発として「(仮称)入間アウトレットパーク」や「(仮称)仙台港アウトレットパーク」を推進しており、今後も「アウトレットパーク」の積極的な事業展開を図っていくとしている。
東日本旅客鉄道 エキュート初となる保育施設とベビー休憩室を設置 Ⅱ期にはホテルメッツもオープン 30代対象に年間売上100億円目指す
7月3日、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)は、10月5日に「エキュート立川」をⅠ期開業すると発表した。
同社が推進する21世紀の新しい駅づくり「ステーションルネッサンス」の一環として立川駅の改良を行なうと同時に開発を進めてきた「エキュート立川」は、開発面積は約1万1500㎡(コンコースを含む・ホテル部を除く)、売場面積は約4300㎡(Ⅰ期開業部分は約3300㎡)。売り上げ想定を年間約100億円(初年度は約40億円)としている。
立川の特徴的な顧客層である30代男女をコアターゲットとし、幅広いMDを展開。多くの人が行き交う駅構内に植栽や演出照明、改札内外にまたがる3つの吹き抜けなどを設けることにより、居心地の良さを創出していく。
また、エキュート初の試みとして保育施設、ベビー休憩室等を設置。平成20年春にはⅡ期開業として、南口のホテルメッツおよび「エキュート立川」の一部店舗をオープンする予定。同時に、南改札から直接ペデストリアンデッキへのアクセスが可能となる。
アルマーニ・グループ アルマーニが銀座に旗艦店開店地下は東京メトロ銀座駅と接続 同ブランド最大規模の延床面積6000㎡
アルマーニ・グループは、7月11日に記者発表を行い、今年11月8日に、東京都中央区銀座5丁目の晴海通り沿いに複合ブランドショップ「アルマーニ/銀座タワー」をオープンすることを発表した。記者会見にはイタリア本社よりJohnHooks(ジョルジオアルマーニ社DeputyManagingDirector兼ジョルジオアルマーニジャパン代表取締役会長)らが来日し、具体的な内容を公開。
地上12階地下2階建てで、延床面積は約6000㎡。同ブランドとしてはここ銀座タワーが世界最大規模。建物は竹をモチーフとし、全体的に竹林を思わせるイメージで統一されている。
地下階は東京メトロ「銀座」駅と繋がっており、地下階から4階までが主力商品となる衣料やアクセサリー、家具コレクションなど複数のアルマーニブランドを扱う売場となっている。5階は古代ローマの浴場をテーマとしたスパ施設、6階から9階までがオフィススペース、10階と11階はレストランとレセプションルームという構成になっている。
ミキシング 愛好家向け専門店と幅広い年代向けの店舗配置 西日本最大となる14㎡0のジオラマが目玉
7月6日、ミキシング(大阪市淀川区)が運営する「アミング潮江ウエスト2番館」(兵庫県尼崎市潮江1丁目)3階がリニューアルオープンし、新たに趣味のゾーン「ホビスタ(ホビー・ワンダー・ステーション)」が誕生した。
「ホビスタ」は延床面積約3200㎡。ゾーンの中央に西日本最大となる140㎡のジオラマ(立体模型)を設置し、それを囲むように模型ショップやカフェ&ダイニングバーを配置した構成となっている。ジオラマ内を走行する模型列車の先端にピンホールカメラを取り付け、上部に設置した37インチ大型モニターに走行光景を映し出して臨場感を出すなどし、幅広い年代にも楽しめるように配慮されている。
また、愛好家向けにジオラマ内にレンタル用のレールを用意。ショップは大型総合模型ショップをはじめ、元祖トレインカフェ&ダイングバー「銀座パノラマ」も出店。
その他、各種鉄道模型の専門企業やホビー・玩具の販売店なども出店。幅広い年代層に対応する、他に例を見ない趣味のゾーンを実現した。