不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.07.16 17:01

丸井「丸井大井町店」を譲渡 非効率店舗の閉鎖加速 PCMに売却価格は146億円
 丸井(東京都中野区)は、東京都品川区に所在する「丸井大井町店」の土地(2072・55㎡)と建物(1万5445・45㎡)、および共有持分を売却する。
 取得するのはパシフィックマネジメント(東京都千代田区)で、譲渡価格は146億円だ。
 平成元年に開業した「丸井大井町店」は2館で構成されており、売り場面積は約1万9600㎡。今年8月には営業を終了し、翌9月下旬に物件を引き渡す予定である。
 同店舗の閉店は、今年10月「丸井有楽町店(仮称)」開業に合わせたものとされる。丸井は既存店の伸長やリストラを前提としない戦略を採っており、新店舗を積極的に展開する一方で、非効率店舗のスクラップを進めている。平成19年3月期には、大井町店の他、中野本店(東京都中野区)や郡山店(福島県郡山市)が閉鎖される。なお、跡地にはヤマダ電機などが出店の意向を示しているなどの報道もある。

クレッシェンド投資法人 都心3区の中規模ビル2棟を取得 利便性高い駅至近の物件現稼働率はいずれも100%
 クレッシェンド投資法人(東京都港区)は、都内の中規模オフィスビル2棟「安和司町ビル」「八丁堀MFビル」を取得した。いずれもアメリカのディー・ビー・スワンが保有する特別目的会社からの取得である。
 「安和司町ビル」はマーキュリー・ワンからの取得で、価格は13億8500万円。千代田区司町に立地しており、JR山手線・京浜東北線・中央線「神田」駅から徒歩5分、東京メトロ丸の内線「淡路町」および都営地下鉄新宿線「小川町」駅より徒歩2分の距離だ。
 土地面積251・95㎡、延床面積1412・45㎡、地上9階建ての規模で、月額賃料は642万3000円である。
 周囲は中高層の店舗兼オフィスビルが建ち並ぶ商業地域で、賃貸規模・建物グレードなどにおいて、同物件は大きな競争力を有するとしている。現在のテナント数は9で、稼働率は100%だ。
 「八丁堀MFビル」はネプチューン・ワン特定目的会社から11億1000万円での取得。中央区入船の、東京メトロ日比谷線・JR京葉線「八丁堀」駅から徒歩2分、東京メトロ有楽町線「新富町」駅から徒歩4分の距離に立地しており、土地面積205・83㎡、延床面積1432・44㎡、地上9階建ての規模だ。
貸室面積は1209・69㎡で、月額賃料は528万円。現在のテナント数は8で、稼働率は100%である。貸室は最大約41坪程度と小規模であるが、周辺の同規模ビルと比べてデザイン性などが高く、十分な競争力を有するとしている。

ランドコム 不動産賃貸部門での事業拡大を図る 中野区の住宅街で中規模マンション取得
 ランドコム(横浜市西区)は、「サンシティ中野」の取得を決定した。売主は個人で、取得価格は11億円である。
 物件は、中野区弥生町に立地する賃貸マンション。土地面積865・94㎡、延床面積3004・86㎡、地上7階建ての規模で、東京メトロ丸の内線「中野富士見町」より徒歩8分の距離である。1・2階はオフィスフロアとなっている。周囲は一戸建てやマンションが建ち並ぶ閑静な住宅街で、店舗の数も多い。
同社は不動産流動化事業、マンション関連事業およびハウス関連事業を展開するとともに、不動産賃貸事業、オペレーション事業などにも注力し、収益の拡大と安定を図っている。

ラサールインベストメントマネジメントインク 物流・商業物件を建設 川崎に開発した複合施設にコストコ日本6号店が開業
 ラサールインベストメントマネジメントインク(東京都千代田区)は、同社が川崎に開発した商業物流複合施設に、会員制倉庫型店舗「コストコホールセール」が入居し、7月12日に日本6号店としてオープンすることを発表した。
 同施設は、都市再生機構が所有する川崎市川崎区の千代田プロテック跡地を、ラサールファンドが出資する特別目的会社が落札し、開発を進めてきたものだ。
6万4194・26㎡の敷地に、コストコホールセールが入居する商業施設「コストコ川崎倉庫店」(延床面積約1万7800㎡)と、複数のテナントが入居予定の物流施設「(仮称)ロジポート川崎」(延床面積約11万600㎡)とが建設される。
 物流施設はマルチテナント向けで、免震構造や全天候型倉庫を備えており、平成20年1月末の竣工を予定している。
 同社CEOの中嶋康雄氏は、「コストコの日本における事業拡大に協力できたことを大変嬉しく思います。この施設は、当社で初めての商業、物流の複合施設で、ラサールの高い開発マネジメント力を示すものです」と同プロジェクトの感想を述べている。

ジョイント・リート投資法人 商業施設「b6」を67億7500万円で譲渡 運用資産の改善のため取得から1年足らずで
 ジョイント・リート投資法人(東京都目黒区)は、「b6」の譲渡を決定した。
 売却先は、同物件の取得先である、同法人のオリジネーターのエルカクエイが組成した特別目的会社のマーズ・キャピタル・パートナーズで、譲渡価格は67億7500万円。引渡しは今年8月1日だ。
 同物件は、渋谷区神宮前の明治通り沿いに立地する商業施設で、竣工は昨年の9月。同法人は昨年10月に、66億円で同物件の準共有持分33%を取得している。残り67%はマーズ・キャピタル・パートナーズが所有しており、今回の譲渡で100%の所有となる。
 物件の規模は、敷地面積2165・54㎡、延床面積4761・32㎡、地上6階地下2階。東京メトロ千代田線「明治神宮前」駅より徒歩2分の距離で、至近には東京メトロ13号線の新駅も開業予定である。
 譲渡理由は、同法人の定める資産運用の対象および方針に基づき総合的な検討を行った結果としている。

シノケン 米投資会社と提携合意ファンド設立も視野に
 シノケン(福岡市博多区)は、アメリカのD・B・ZWIRN(ディー・ビー・スワン)と、不動産事業の共同開発を目的として提携合意したことを発表した。
 ディー・ビー・スワンは北米や欧州、およびアジアの12ヵ国に15拠点を構える投資会社で、融資、アセットファイナンス、不動産ファイナンスなどを行う。運用資産は約50億米ドルである。
 同社グループのファンド向け物件開発のノウハウと、ディー・ビー・スワンの資金力を活かし、ファンド組成を始めとする不動産ビジネスを展開していく。当面は日本国内において、賃貸住宅などを開発、投資物件として供給し、いずれは海外での事業も展開していく。
 同社は今後、具体的な投資案件の検討を通じて、迅速な意思決定や高い収益性を確保することが可能な開発スキームの構築を、共同で進めていきたいとしている。

パシフィカ・モールズ 大型スポーツクラブ取得名古屋市内へ初めて進出
 パシフィカ・モールズ(東京都港区)は、特別目的会社を通じて、スポーツクラブ「ティップネス名古屋木場店」を取得した。
 同物件は、同社が名古屋エリアにおいて初めて取得するもの。延床面積2995・9㎡と商圏内競合店の中では最大規模である。ベイエリア開発が進む名古屋市港区の南陽通り沿いに立地しており、駐車場168台数を擁しているため乗用車でのアクセスが容易だ。
 ティップネスは昨年には50店舗、会員数20万3000名(同社HPより)を擁し、首都圏、関西圏から中京・東海圏へとエリア展開を行っている。名古屋木場店は規模が大きく、さらなる会員の増加を見込む。
 パシフィカ・モールズは、同物件の、マンションと商業施設の集積地である立地の良さに加え、会員数や売上高の伸びの大きさから、その運営能力の高さを評価したとしている。

ビ・ライフ投資法人 大田区のレジデンス売却簿価との差額1200万円
 ビ・ライフ投資法人(東京都渋谷区)は、「エルソル貴船坂」の信託受益権の譲渡を決定した。
 譲渡先は東急リバブルグループのリバブルアセットマネジメント(東京都渋谷区)で、予定価格は4億8000万円、譲渡予定日は今月25日だ。
 同物件は、東京都大田区南馬込6丁目に立地する平成6年竣工のレジデンス。都営地下鉄浅草線「西馬込」駅より徒歩7分の距離に建つ。土地面積649・21㎡、延床面積1147・82㎡、地上3階地下1階建ての規模で、総戸数は12戸だ。
 同社は昨年3月に同物件を取得しており、価格は4億5000万円であった。今回の売却額と簿価との差額は1200万円で、売却益は平成19年11月期に計上される。
 用途は共同住宅・駐車場・倉庫。なお、サブリース会社との間でマスターリース契約を締結しており、安定した賃料を得ることができる。




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