不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2007.08.06 14:30

リンドス 既存の外壁タイルを剥がさず被せず再生 阪神大震災クラスの地震にも耐えうる強度
 リンドス(東京都文京区)は、タイル落下防止工法「JK-セライダー工法」を展開している。
 同工法は、日本樹脂施工協同組合員にのみ施工が許可された、特殊な材料を使用した工法だ。
 従来、既存タイルを残したまま落下を防止するには、タイル1枚毎に注入およびピン止めを行うか、タイル仕上げ面にネットを被せてモルタル仕上げを行うしかなかった。しかし同工法では、透明な短繊維を混入した塗布材と特殊なアンカーピンを組み合わせることにより、タイルの意匠性を損なうことなく落下防止を可能にする。既存のタイルと新タイルとの色の差が目立ってしまうなどの問題も解決する。
 「施工されたビルやマンションのオーナーの方からは、新築時のように改修されたという評価をいただいています。また、日本樹脂施工協同組合を通じての10年間のタイル落下剥落防止保証も行っております」(代表取締役東海林充氏)
 皮膜は透明で防水性が高く、タイル張りの風合いを損なわない。一般の透明アクリル樹脂に比べ、引っ張り強度は2倍、引き裂き強度は7倍である。特殊アンカーピンと組み合わせて施工すれば、阪神大震災クラスの地震にも耐えうる強度を有するという。同社は他に、ビル外壁の汚れを防ぐ「ハイドロテクトコート」や、屋上の温度上昇を防ぐ「リベットルーフCOOL」の施工も手掛ける。
 「ハイドロテクトコート」は、光触媒技術を採用し、外壁に塗布することで、防汚効果や空気清浄化効果を発揮する塗料。「リベットルーフCOOL」は、太陽光線を高反射する軽量の防水シートで、屋上表面温度の上昇を抑制するものだ。ともにビルの寿命を延長する効果も持つ。

松下電工 100V対応電源内蔵照明器具で高さ13㎜実現 明るさ従来比1.5倍にアップ長寿命でメンテの手間を削減
 松下電工(大阪府門真市)は、今月1日より「屋内用LED薄型ベース器具」の販売を開始した。
 光源を天井や壁などに組み込み建築構造と一体化させる建築化照明においては、メンテナンスや設置スペースの問題からLED照明器具が使用されることが増えてきているが、今回はさらに狭い場所に対応するため、器具の薄さを追及したものだ。
 器具高さは、100V対応電源を内臓しつつ、同社の従来品の約2分の1である13㎜だ。サイズはL900タイプが幅52・5㎜×長さ900㎜×高さ13㎜、L300タイプが幅52・5㎜×長さ300㎜×高さ13㎜である。色はいずれも白色と電球色、消費電力は18Wと6W。接続可能台数は最大で25台と75台だ。明るさは従来比1・5倍で、寿命は4万時間。メンテナンスが困難な場所への設置に適している。
 また放熱技術により、上下横(天井・床・壁)など自在に取り付けが可能で、設置の自由度が高い。屋内の建築化照明の他、間接照明やフットライト、サイン照明などとしての使用を想定している。
 傾斜金具(別売2415円)を使用し、光の広がり具合に変化を付けることも可能だ。価格はL900タイプが6万900円、L300タイプが2万7300円(いずれも税別・別売の電源コード3045円が必要)。来年度の販売目標を年間2億円としている。

飛島建設 体に優しい二重床・外壁断熱を実用化 床衝撃音遮断性能・外壁断熱効果が向上
 飛島建設(東京都千代田区)は、床衝撃音遮断性能を強化した二重床と、外壁断熱効果を高めた外壁断熱を開発、実用化した。
 床仕様は、高い遮音性を確保しながら床下の空気環境をレベルアップするため、新素材を採用し、下地からの放散化学物質を削減。仕上げ材に無垢フローリング、下地材に特殊ベースパネルを使用して、根太を介し支持脚で支える乾式二重構造である。
 また従来の床では、フローリングの下地にパーティクルボードを使用するが、同施工では、化学物質の放散が少ない高剛性床の採用により、床衝撃音レベルの低減を実現した。同時に、歩行時のフワフワ感も減少された。
 床下の空気環境によって結露やカビなどの問題がある場合には、床下外壁部に換気ファンを取り付けるシステムも確立している。
 外壁断熱は、従来と同じく断熱材に炭化コルク、仕上げに漆喰を使用するが、湿式工法の制約により厚さ30㎜〜35㎜で施工していた炭化コルクの材厚を、50㎜まで施工できるよう改善した。これにより、寒冷地などでも厚みのある炭化コルクにより断熱性を確保することができる。漆喰は従来通り、炭化コルクの上に直塗りする。
 アンカーを打ち込み炭化コルクを躯体に固定する乾式工法とすることで、断熱材付着強度の向上を図り、同時にコスト削減を実現する。
 現在同製品の採用は、無添加マンション「M+」事業において展開されているが、今後は住宅以外にも、商業店舗やホテルなどの各施設に範囲を拡大するとしている。

古河電気工業 ボックス周囲を覆うだけの防火・遮音材料 国土交通大臣認定を取得、1時間の耐火性
 古河電気工業(東京都千代田区)は、防火・遮音材料「ヒートメルボックス不燃遮音キット」の販売を開始した。
 ビル・ホテルなどの建築物に間仕切りとして使用される石膏ボードの乾式壁に、鋼製スイッチやコンセントに必要なボックス類を取り付けると、壁の防火・遮音性能が低下する。同社はボックスの周囲をシートとアルミテープで覆いこの問題を解決する「ヒートメル-ボックス遮音キット」を販売しているが、今回は防火被覆と同等の性能として、建築基準法第2条第九号(不燃材料)の国土交通大臣認定を取得し、「ヒートメル-ボックス不燃遮音キット」として新たに販売を開始するものだ。
 基材が鋼製ボックスの材質にあたる金属板に「ヒートメルシール」を貼り付け、さらにアルミ箔厚さが50umのアルミテープを全面貼り付ける構造。材料はキット化されており施工は容易だ。同社の遮音性能比較試験によると、合成樹脂製ボックスに同製品を施工した場合の性能は、無開口の遮音性能と同等であった。耐火性能については、同様に1時間の耐火性能が確認されている。
 ラインナップは、ボックスサイズに合わせた6種類を揃える。価格は、いずれも10組入りで、1個用スイッチボックスが1万1800円、2個用が1万4900円、3個用が1万8100円、4個用が2万1100円。中型四角浅型アウトレットボックスの10組入りが1万2800円、40組入りが4万2400円である。
 平成21年度に年間1億5000万円の売上げを目指す。




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