不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.09.10 17:15

DAオフィス投資法人 大阪初の運営資産を含むオフィスビル2棟を取得 大規模リニューアル済増額改定の余地見込む 
 DAオフィス投資法人(東京都中央区)は、「ダヴィンチ南船場」「ダヴィンチ小伝馬町」を取得する。
 売主は、オリジネーターのダヴィンチ・アドバイザーズが設立する特定目的会社のクレタ。取得価格はそれぞれ48億1000万円、24億6000万円であった。
「ダヴィンチ南船場」は同法人の大阪での初の運営資産となる。大阪市中央区の、市営地下鉄長堀鶴見緑地線・御堂筋線「心斎橋」駅より徒歩3分の距離に位置する、昭和61年竣工のオフィスビルだ。
 土地面積1405・74㎡、延床面積7738・47㎡、地上8階地下1階建ての規模で、30台分の駐車場を備える。取得時の稼働率は92・8%であった。
 「ダヴィンチ小伝馬町」は、東京都中央区の、東京メトロ日比谷線「小伝馬町」より徒歩3分の距離に位置するオフィスビル。昭和60年の竣工だが、ダヴィンチ・アドバイザーズが大規模改修工事を施し、天井高2・5m以上、全フロアOA床対応となっている。
 土地面積486・86㎡、延床面積2882・28㎡、地上8階建ての規模で、小規模ビルの多い周辺エリアにおいて安定的な需要を見込めるとしている。取得時の稼働率は100%だ。

クリード・オフィス投資法人 内神田のオフィスビルを20億円で取得ブランド戦略の一環で運営資産の名称を変更 
 クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は「COI内神田ビル」を取得した。
 売主は鈴木商会、取得価格は20億円である。同物件は東京都千代田区の、JR「神田」駅より徒歩3分の距離に立地するオフィスビル。平成元年の竣工で、土地面積201・54㎡、延床面積1511・77㎡、地上10階地下1階建ての規模だ。
 JRの他、地下鉄など複数の鉄道路線が利用可能なことに加え、オフィスの中心街である丸の内や大手町にも隣接するという好立地性を評価したものだ。また外堀通りと神田金物通りの交差する角地に立地しており、視認性も高い。
 8月末時点でのテナント数は6、面積ベースでの稼働率は60%であった。同法人は同物件が立地のポテンシャルを活かしていないと判断し、取得後に共用部などのリニューアル工事を実施する予定である。その後は募集活動を停止していた空室部分につき、高条件でのリースアップを行い、収益力を回復させるとしている。
 また同法人は、ブランド戦略の一環として、運営資産23物件の名称変更を決定した。
 オフィスビル20物件に、同法人の英語略称である「COI」を冠し、投資市場における知名度の向上とブランドイメージの確立を図るものだ。ただし店舗物件については、個別のイメージ戦略を優先し、それぞれ異なる名称とする。
 変更日は平成20年1月1日である。

リプラス・レジデンシャル投資法人 ポートフォリオの分散と築年数の低減を図る
 リプラス・レジデンシャル投資法人(東京都港区)は、レジデンス3棟を取得した。
 いずれも今年竣工したワンルームタイプの物件で、それぞれさいたま市・名古屋市・大阪市に立地している。取得額の合計は18億4700万円で、売主はオリジネーターのリプラスが組成する特定目的会社だ。
 「翔南浦和」は3億9600万円での取得。延床面積800・93㎡、地上5階建ての規模で、JR京浜東北線・武蔵野線「南浦和」駅より徒歩6分の距離に位置している。
 「willDo稲永」は6億4100万円で取得した、延床面積2457・69㎡、地上8階建ての規模の物件。名古屋臨海高速鉄道あおなみ線「稲永」駅より徒歩6分に立地している。
 「エクセレント松屋町」は8億1000万円で取得したもので、延床面積2038・64㎡、地上13階建ての規模。大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線「松屋町」駅より徒歩4分の距離である。
 また、運用資産104物件中、30物件の名称変更を決定した。リプラスのブランド「willDo(ウィルドゥー)」を付した名称とし、物件の満足度の向上を図り、信頼性をアピールする。

日本レジデンシャル投資法人 東京23区における投資比率高める
 日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、「パシフィックレジデンス大井町」「パシフィックレジデンス千鳥町」を取得する。
 いずれも単身者およびDINKS向けの共同住宅で、取得予定日は9月21日。売主は明和地所だ。「パシフィックレジデンス大井町」は12億6700万円での取得で、東京都品川区のJR京浜東北線「大井町」駅より徒歩5分の距離に位置する共同住宅である。平成19年竣工、地上9階建て、延床面積1719・05㎡の規模だ。なお現在の名称は「(仮称)クリオ大井町」である。間取りは1Kと1LDKの総戸数40戸だ。
 「パシフィックレジデンス千鳥町」は15億円での取得で、東京都大田区の、東急池上線「千鳥町」駅より徒歩7分の距離に位置する共同住宅である。平成18年竣工、地上5階建て、延床面積2431・40㎡の規模だ。間取りは1DKと1LDKの総戸数60戸である。
 両物件とも、都心部の交通利便性を重視する層の需要が見込まれる。

福岡リート投資法人 テナントと長期定期借家契約締結
 福岡リート投資法人(福岡市博多区)は、「花畑SC」を取得した。
 売主はオリジネーターの福岡地所、取得価格は11億3000万円である。同物件は福岡市南区の新興住宅街である花畑地区に位置する、平成19年7月竣工の商業施設。土地面積5225・15㎡、延床面積2992・88㎡、鉄骨造地上2階建ての規模で、同法人の分類によるコミュニティSCに該当する。
 コミュニティSCとは都市郊外の幹線道路や生活道路沿いに立地し、カテゴリーキラーや生鮮スーパー、日用品を扱うテナントの入居する中規模商業施設を指す。同法人は今後も、スポンサーのパイプラインを活用した高いキャップレートでの取得が可能であり、ポイントを押さえてダウンサイドリスクを限定できるコミュニティSCの取得を積極的に行うとしている。
 テナントはマツモトキヨシと、福岡市内でアッパー層向けのスーパーマーケットを運営するボンラパスの2社で、いずれとも長期定期借家契約(中途解約原則不可、賃料減額不可)を締結する予定だ。

日本リテールファンド投資法人 イトーヨーカ堂と20年間の契約締結
 日本リテールファンド投資法人(東京都千代田区)は、「イトーヨーカドー四街道店」を取得した。売主はアクティブ・ピース・コーポレーション、取得価格は136億円である。
 同物件は、JR総武本線「四街道」駅から北に約500mの距離に位置する、平成17年開業のショッピングセンター。延床面積5万5422・47㎡、地上2階地下1階建ての規模で、約1400台の車両を収容する駐車場を備える。
 キーテナントであるイトーヨーカ堂とは、平成37年までのマスターリース契約(平成27年まで中途解約禁止)を締結している。その他約90店舗の専門店が入居している。

野村不動産インベストメント・マネジメント 商業施設セクターへの投資拡大 特化型私募ファンド組成1000億円規模で運用
 野村不動産インベストメント・マネジメント(東京都新宿区)は、1000億円規模の近隣商業施設特化型不動産私募ファンド「SMILEコミュニティ・ファンド」を組成し、9月より運用を開始した。
 中長期の安定運用を目指すコアファンド「SMILE」シリーズの第4弾となる同ファンドは、住宅地または住宅地を後背地として、安定した商圏の確保が可能な地域に立地する商業施設が投資対象となる。同社は昨年より都心型の「SMILEリテール・ファンド」を運用しており、併せて2000億円規模の商業施設特化型ファンドを手掛けることとなる。
 今後は、今年7月に新たに野村不動産グループの一員となった、商業施設コンサルティング会社ジオ・アカマツ(大阪市中央区)のノウハウを活用し、商業施設セクターへの投資の多様化・投資規模の拡大に積極的に取り組むとしている。

陽光都市開発 防音設備付物件に特化した約23億円規模のファンド組成
 陽光都市開発(横浜市西区)は、防音設備付マンションに特化した不動産ファンドの組成について、全物件の組入れを完了した。
 ファンド名称は「アコースティックマンションファンド」。運用は同社の100%子会社アセット・インベスターズが行う。音大生および音楽愛好家向けに防音設備などを備えたマンション3物件を組み入れ、総資産規模は約23億円となっている。
 物件は「ベルファース江戸川橋ソニック」(東京都新宿区・地上7階建て、総戸数22戸)、「MusicJoy根岸」(東京都台東区・地上12階建て、総戸数29戸)、「アコースティックアパートメント滝野川」(東京都北区・地上11階建て、総戸数50戸)の3棟だ。




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