不動産トピックス

今週の一冊

2007.10.01 17:02

工期、コストの実態から診断、設計、施工のノウハウまで

耐震改修実例50
監修:NPO法人耐震総合安全機構
発行:2007年9月10日
単価:4600円(税別)
出版:日経BP社

 耐震設備は、テナントが入居ビルに望むポイントの1つである。空室の問い合わせの際に耐震設備を問われることも少なくない。
 この本は、50に及ぶ導入実例を挙げ、改修前後を比較して効果を検証している。第1章の集合住宅に始まり、商業施設やオフィスビル、歴史的建造物に至るまで全9章に分けて掲載。それぞれの建築物の特性にあった改修がまとめられている。
 また、地震時の安全性を向上させる基本的な考え方や、問題だとされている震災復旧について論じており、各段に添えられるカラー写真や、文章だけではわかりにくい間取りや、建築物に施工された補強部材の見取り図などが、細かなところまで掲載されており、耐震の観点からはもちろんのこと、それぞれの建築物の構造なども見ることができるのが面白い。興味があるオーナーは、様々な観点から読み解くことができるだろう。
 また、建築物の外観だけを掲載しているのではなく、設置していく状況や完了前の状態を併せて説明しているのも興味深い。オールカラーだからこそできるぜいたくな写真の使い方である。
 紹介される耐震技術は数多く、掲載される建築物も多様だ。所有ビルの特性に近いものが見つかるかもしれない

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