不動産トピックス
商業ビル最前線
2007.10.15 17:38
三井不動産 積極的な新規開発と既存店増床を同時平行 敷地面積8万㎡強の仙台港アウトレットパーク竣工
三井不動産(東京都中央区)は、仙台港背後地土地区画整理事業施工区内センター地区24街区の宮城県企業局所有地にて「(仮称)仙台港アウトレットパーク」の開発をこれまでに行ってきており、10月8日にその起工式を挙行した。同施設は宮城県企業局・仙台市が所有する土地を賃借して建設されており、三井不動産が敷地面積約8万5523を利用して開発した。
国内外の有力なブランドを中心とするファクトリーアウトレット約100店で構成されており、店舗面積は約2万㎡。仙台東部道路「仙台港北IC」から約500m、JR仙石線「中野栄」駅より徒歩8分というアクセス良好の立地にある。
道路を挟み向かいにある計画地25街区ではカインズ(群馬県高崎市)がホームセンターやスーパーマーケットを開発。シナジー効果により近域・広域からの集客を見込むことができる。
また、同社は増床計画を推進している、東京都八王子市にあるアウトレットパーク「ラ・フェット多摩南大沢」を今年12月14日にスケールアップオープン(第2期開業)する予定である。増床部分の名称は「FactoryOutletsVilla(ファクトリーアウトレッツヴィラ)」とし、増床により店舗数は既存店に加え30店増加の112店に、延床面積は約6300㎡増床の2万8840㎡となる。
同社は「アウトレットパーク」を全国で6施設運営しており、「ガーデンウォ〜ク幕張」や「ジャズドリーム長島」、そして今回の物件を含め増床を行っており、アウトレットパークの事業拡大を図ると同時に、新規開発に対しても積極的な事業展開を図っている。
パルコ 延床約11万㎡、商業と文化が融合したランドマークに 浦和駅前に最大面積のパルコ誕生上層部には市民活動可能な施設も
10月10日、JR「浦和」駅東口前に「浦和パルコ」がグランドオープンした。
浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業により、10月9日に竣工した再開発ビルの地上7階から地下1階までにコアテナントとして入居しており、ビル単館としてはパルコ最大面積を誇る。地下1階は大丸フードマーケット、地上1階〜4階にはファッション・雑貨、地上5階以上にはレストランやシネマコンプレックス、フィットネスなどのテナントが入る。
地上8階から10階にはさいたま市の公共施設「COMUNALE(コムナーレ)」が入居しており、「中央図書館」や「消費生活センター」等、市民活動で利用できる施設が揃う。ビル全体の敷地面積は1万1222㎡、延床面積は10万8173㎡、総工費は約590億円。
グランドオープン前日に、同社代表執行役社長の伊東勇氏とさいたま市長の相川宗一氏が、浦和駅前に誕生した新たなランドマーク施設について会見を開き、相川氏は「予想以上に良い施設ができた。多くの市民に愛され末永く利用していただけたらよい」とコメント、また伊東氏は「再開発事業への参加はパルコ初の試みだが、若者から年配の方まで楽しめる新たなランドマークができた。地域商業と文化の育つ場として、多くの方に利用していただきたい」と、所感を語った。
同駅西口には伊勢丹が既に店舗を構えているが、「一部は競争していかなければならないが、商業施設が集積することにより浦和の街全体が魅力的になり、より広域から集客が図れるようになるため、お互いにとって必ずしもマイナスにはならない」(伊東氏)とのこと。尚、同社は、平成20年初秋には仙台駅前と政令指定都市への出店を推進していくとしている。
イオン 現地法人と業務提携し中国でモールSC開発推進へ
10月10日、上海上実(集団)有限公司(中国上海市)とイオン(千葉県千葉市)は、業務提携について基本合意をした。
業務提携の概要は、両社が中国国内での開発情報を共有化すること、開発を行うエリアでのSCを中心とした街づくりの具体案について協議を推進すること、そして上海上実の開発エリアには、イオンが優先的に出店を行うことで両社が協力するといもの。
イオンは中国での出店を加速するために、今年4月に中国総代表を設置し北京に拠点を作り、更にグループのデベロッパー事業を担うイオンモール、サービス事業のイオンディラト、イオンファンタジーなども北京に拠点をおき、今後グループ全体で中国国内でのSC開発を推進していく。
上海上実は平成8年に設立、現在中国国内第2位の不動産を保有する、成長性の高いデベロッパー企業。上海や青島など16カ所の大型都市開発を行っており、今後は華北・華南エリアなどでも総合的な街づくり開発を行う予定。
両社は双方の強みを活かし、モール型SCを中心とした街づくりを中国国内において推進していく姿勢を明らかにしている。
イトーヨーカ堂 バリアフリー新法認定のSCモール西新井に誕生三世代に渡り満足する店へ
イトーヨーカ堂(東京都千代田区)は、11月9日、東京都足立区で建設を進めてきたモール型SC「Ario(アリオ)西新井」をグランドオープンする。
延床面積は10万7981㎡、地上6階地下1階建で、「イトーヨーカドーアリオ西新井店」を各店舗に、111の専門店街「アリオモール」で構成。モール型SC(アリオ)としては全国で6店舗目となる。東部伊勢崎線「西新井」駅より西に約400m、北側東西には環状7号線が走る立地にあり、駅西口の新たな街づくりの一翼をになう商業施設として位置づけられている。
地域の特性に対応し、「三世代のお客様にご満足していただける店」をコンセプトに、物販だけではなくシネマコンプレックスやフィットネス、ヘアケア等のサービス専門店にも注力し、施設の充実がはかられている。
子供から高齢者まで安心して利用できるよう、高低2段の手すりや一段ごとに色を変えた階段など、あらゆる場所に「ユニバーサルデザイン」を採用、高齢者に優しい施設の公的認証である「バリアフリー新法」の認定も受けている。
京王電鉄 東中野の賃貸住宅でサブリース商業開発グループ会社の出店機会拡大を目指す
京王電鉄(東京都多摩市)は、12月上旬、JR中央線「東中野」駅近くに京王ストアを核とした複合商業施設「ユニゾンモール」をオープンする。
所在地は東京都中野区東中野5丁目、日本閣観光(東京都中野区)が開発を進める「(仮称)日本閣再整備プロジェクト」ユニゾンタワー東中野の1・2階部分。同社が該当階を賃借して開発を行うサブリース事業だ。
ユニゾンタワー東中野は地上31階地下2階、敷地面積は4819・05㎡。地上4階〜31階には賃貸マンション297戸が入る。
同商業施設には、京王グループの京王ストアが運営する食品スーパー「キッチンコート」をはじめ、フィットネスクラブ「ゴールドジム」や飲食、物販、サービスなど11店舗の出店が予定されている。
「(仮称)日本閣再整備プロジェクト」は賃貸マンションと商業施設棟「ユニゾンタワー東中野」と、分譲マンション棟「パークタワー東中野」、ウェディング棟「west53rd」より構成されており、同社は周辺環境を見込んで生活密着型店舗の出店を予定。
今回の事業は、グループ会社の出店機会の拡大を目的として取り組むものであり、今後も目的に適した物件があれば、自社所有地以外での事業展開をはかっていきたいとしている。
トヨタ自動車 港北区のオートモール複合商業施設 自動車販売・家族向けにテナントが決定商業施設
トヨタ自動車(名古屋市中村区)は、横浜市港北区においてトヨタ系列自動車販売店とダイハツ自動車販売店を集積・展開する新業態、オートモールと商業施設が融合した大型複合商業施設「トレッサ横浜」の開発を進めており、今年12月にオープンする「北棟」の出店テナントを発表した。「南棟」のオープンは平成20年3月を予定。
同施設の事業主体はトヨタ自動車の100%子会社であるトヨタオートモールクリエイト(名古屋市中村区)。敷地面積は7万1000㎡、延床面積は16万8000㎡で、地上6階(一部7階建て)。その内、北棟は敷地面積約3万、延床面積が約7万4000となっている。同施設北棟に出店するテナントは、計54店。自動車関連は、トヨタ各チャネルの販売店 5店舗ならびにダイハツ販売店が整備工場を併設した形態で出店。
商業店舗では、床面積1000㎡を超える大規模店舗として、「ユニクロ」、フィットネスクラブ「セントラルスポーツ」、スポーツ・アウトドア用品の「ヴィクトリア」「エルブレス」「ゼビオ」などが出店。その他、書籍やファッション、レストランなどの業種から、計48店舗が出店する。