不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2007.11.05 14:26
日本土石工業 保水能力の高い舗装で表面温度の上昇緩和 産業廃棄物を再生利用し舗装材に
日本土石工業(三重県南牟婁郡)では保水能力が高く表面温度が上昇しにくい舗装材、保水性舗装を開発しており、今年7月に特許申請を行った。
ビルなどのコンクリート構造物やアスファルト舗装から放出される反射熱は、真夏日では表面温度が50℃近くにまで上昇し、年々深刻化する都市部のヒートアイランド現象に影響を与えてきた。
同社が開発している保水性舗装は舗装体内に雨水などを吸収・保水し、晴天時に水分の蒸発気化熱により舗装路面の表面温度の上昇を抑える機能を持つ。通常の舗装より表面温度は13~20℃ほど近い温度に抑制することができ、ヒートアイランド現象の緩和や熱帯夜の一因となる夜間時の熱放出を減少させることができる。
温度上昇抑制効果は舗装内の保水量減少とともに小さくなるが、夕刻に打ち水を行うことで抑制効果を回復させることもできる。
この保水性舗装に利用される保水材は、脱水ケーキと呼ばれる産業廃棄物を再利用したもの。脱水ケーキは、コンクリートミキサー車内を洗浄した後に出るセメントのスラッジ水から含水率を100~200%に絞り作成されるものだ。
「このスラッジ脱水ケーキを粉末状にしたものにセメントを混ぜて利用するのですが、その割合も研究段階です。今年7月に特許を申請し、商品化するのは2年半ほど後で単価も未定です。ただ、展示会等で商品発表を行っておりますが、皆様からはとても興味をお持ちいただいております。高い保水性を活かし、水で薄めた香水を含ませることで香りが立ち上るような仕掛けを作ることも可能です。店舗の玄関等にも活用できます」(取締役 生コンクリート部長 岡田氏)
三菱電機 リニューアルに適した照明器具 簡単な操作で3段階に調節可能
三菱電機(東京都千代田区)は、制御機器なしに壁スイッチをオン・オフするだけの簡単な操作で明るさを3段階に調節(調光)できる施設用照明器具の新製品「Easyeco もっと eco」シリーズ5機種を来年1月7日から発売する。配線工事などが不要で操作が簡単なため、建物のリニューアルに適している。
同商品は壁スイッチなどで電源をオン・オフするだけの操作で高周波点灯専用ランプの明るさを「明るいモード(100%調光)」、「ecoモード(85%調光)」、「もっとecoモード(70%調光)」の3段階に調光できる。外光が入る窓際などで明るさが過剰に感じられるときは、調光率を下げることで無駄な明るさを低減でき省エネに貢献する。調光率は一度設定すると消灯後も記憶しているため、点灯するたびに設定を変更する必要はない。
また、「ecoモード」の明るさは従来のラピッド磁気式器具と同等で、建物のリニューアルで既存の器具と交換するだけで約30%の省エネとなる。制御機器や調光用の信号機などは不要で既存の壁スイッチをそのまま利用でき、省エネ効果の高い照明器具を低コストで施工できる。
価格は代表的な2灯用・逆富士型のタイプで1万6800円となっている。
三井造船 立体画像で問題箇所を一目で見分ける 非破壊型のコンクリート検査機器を開発・販売
三井造船(東京都中央区)は非破壊型のコンクリート検査機器「マルチパスアレイレーダ」を開発・販売している。
この製品はコンクリートの表面からセンサーでなぞることにより、コンクリート内部の状況を立体的に把握するというもの。
センサー部の中には最大32のアンテナが内蔵されており、ここから照射された電波がコンクリート内で反射したものをキャッチ。
このデータを再計算して内部の構造を立体的な画像として出力する。
マルチパスアレイレーダの最大のメリットは、この立体画像が得られる点にある。
出力された画像は専門的な解析を行わなくても誰でも一目で問題箇所が分かる上に、井桁状に組まれた鉄筋の下のような一方向からだけの検査では発見できない箇所の空洞も見逃さない。
仕組みとして電波は内部の鉄筋や空洞、グラウトなど当たるものによってそれぞれ反射の仕方が異なる。
それをさまざまな方向から当てることで、多角的に中の状況を把握できるという仕組みだ。
なお、この映像は搭載されているアンテナの数が多ければ多いほど詳細な画像が得られる。
機械・システム事業本部事業開発部営業グループの馬場聡部長代理は「マルチパスアレイレーダは検査と出力された画像の分析のどちらにも専門知識を必要としません。そのため、誰でも簡単かつ確実にコンクリートの状態を把握する事ができるのです」と語る。
なお、この製品は11月6日から開催される非破壊検査総合展にも展示され、実際にデモンストレーションが行われる。
文化シヤッター 大開口部対応の防火防炎シャッター 広い室内空間を実現 安全性の高い装備
文化シヤッター(東京都文京区)は火災時に煙または熱感知器と連動して自動閉鎖するシャッターで、大開口部に対応する「スーパーワイドFC-76」を来月1日より発売する。
近年、オフィスビル・商業ビルでは室内空間を有効に活用できる大スパン構造の建築物が増えており、防災設計上こうした建物に設置される防火防炎シャッターについても間口の広いタイプが要望されていた。
同製品は国土交通大臣認定を取得したもので、新開発のスラットを開発し最大間口で11m、最大高さ10m、最大間口面積が80㎡まで一連で対応する。このため、アトリウムやロビー、エスカレーターまわりなどに防火防煙シャッターを設置する場合、連装用の中間柱が不要になるため広くすっきりとした室内空間が実現できる。
また、シャッター閉鎖中の安全を確保できる危害防止装置「コードリール式障害物感知装置」を製品に標準装備するとともに、開閉作業中に急激な降下が起こった場合でもこれを防止する急降下防止装置(「ガバナ装置」または「ダブルチェーン」)を標準装備した安全性の高い仕様となっている。「ガバナ装置」とは防火防煙シャッターの降下作業中、開閉後の故障やチェーン外れ等によってシャッターが急速度で降下しないように制動し、低速度で降下させる安全装置である。
手動タイプと電動タイプの2種類で構成され、価格は手動タイプ・間口11m×高さ5mのもので330万円となっている。