不動産トピックス

クローズアップ 非常用発電編

2007.11.12 13:58

 自然災害などでビルの電力設備が一時的に機能しなくなった場合、当然それにかわる非常用の電力源が始動しなくてはならない。法律で設置が義務づけられている非常用発電機や持ち運びできる小型発電機などを紹介する。

三友工業 販売から施工・保守までを一貫して請け負う ランプ始動の機能を搭載し始動時の排出黒煙を低減
 三友工業(大阪市淀川区)ではヤンマー(大阪市北区)の特約店として、「ヤンマー防災設備用ディーゼル発電ユニット」の販売・設計・施工・保守作業を行っている。
 発電営業部の浦本氏は「消防法や建築基準法ではビルの規模や用途に応じて非常用発電機の設置を義務付けています。設置するだけではなく、非常に問題なく稼働できるよう定期的な保守点検も必要です。当社ではヤンマーの特約店として設置から保守業務までを一貫して行っております」と語る。
 ヤンマーの発電ユニットは、ビルの規模に合わせ様々なタイプが用意されている。
 「物件にもよりますが中小規模のビルであれば、定格出力が20~37.6kw(60ヘルツ時)程度のタイプが主流です。これぐらいの規模ならば、ユニットの大きさは幅約1.9m、高さ約0.7mとなります」(浦本氏)
 ヤンマー防災設備用ディーゼル発電ユニットは消防法の認定相当品であり、納入後は消防立会が認定番号の確認だけで検査が済むようになる。
 普通形と即字形があり、普通形は停電発生から始動するまでの間が40秒以内、即字形は10秒以内となる。
 ディーゼル式は始動時に黒煙が出るのが難点だが、同ユニットはランプ始動式で燃料噴射量を段階的に調整し排出黒煙を大幅に抑える事ができるという。

三菱重工 市販のカセットボンベを使用できる発電機 小型軽量で持ち運びでき災害時にも役立つ
 三菱重工業(東京都港区)が販売しているポータブルガス燃料発電機シリーズは、持ち運びができ災害時などに取り扱いやすい小型発電機であり、業界で初めてのガス燃料発電機である。
 ビルに設置されている非常用の発電設備は多くがスプリンクラーや非常用照明を稼働させるためのもので、その他の設備には電力は供給されない。
 オフィスでは緊急時でも最低限稼働させたい装置や設備があり、それらは独自に電力源を確保されていなければならない。しかしながらスペースや導入費用を考えれば大型の発電機は室内に設置不可能であり、このような場合には小型の発電機が適する。
 「MGC900GB」は市販のカセットボンベ燃料を使用するもので、燃料の入手・管理ともに容易である。実際に大地震などの災害が起こった場合、ガソリン燃料は入手困難で一般の事務所などでは保管も難しい。もし可能だったとしてもガソリンは長期間保管すると成分の劣化が進み、いざという時に始動しにくくなるという欠点を持つ。「MGC900GB」はこのようなガソリン式発電機の短所をカバーした小型発電機である。また、同製品は初心者でも簡単に操作する事ができ、メンテナンスなども不要とされる。さらに小型軽量化を実現したことにより、全閉型構造が可能となった。この結果、防音性能が大幅に向上した。
 このシリーズにはプロパンガス使用で長時間の運転も可能な「MGC900GP」も用意されている。

ユタカ電機製作所 オフィス機器に電力安定供給 バッテリーの寿命は5年間 ランニングコストが低減
 ユタカ電機製作所(東京都品川区)では様々なタイプのUPS(無停電電源装置)を販売している。
 UPSとは災害時に限らず、停電時などにバッテリーを電源としてパソコンなどのオフィス機器に電力を供給する装置である。
 災害時に関わらず、停電や電源変動などは突然発生する可能性がある。このような事態が生じた場合、例えば金融機関が入居しているビルなどではシステムが稼働せず、業務に大きな影響を及ぼす。
 実際にIT関連のテナントが入居しやすくするためにビルオーナー自信がUPS装置を取り付けるケースが増えている。
 ユタカ電機製作所が発表しているところでは、同社のHyperシリーズはグッドデザイン認定の製品でスマートな形状が特徴である。また常時インバーター給電方式となっているため、停電発生時も切替がなく無瞬断出力が可能だ。つまり工場などの電源電圧変動が激しい場所にも適用できる。
 85Vから132Vまでの入力電圧範囲に対応しており、電圧変動が激しい環境でもバッテリー野消耗は最小限だとしている。
 バッテリーの寿命は5年間(期待寿命)で、トータルのランニングコスト低減を実現している。
 同シリーズは3年間の無償保証期間も設けられているため、保守サービスの点でも安心できる。




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