不動産トピックス
今週の一冊
2007.12.03 14:24
マンション・共同ビル事業を有効にすすめる
等価交換方式の計画・運用・税務
著者:鵜野和夫
発行:平成19年11月5日
定価:3600円(税抜)
出版:清文社
不動産実務における等価交換方式は、安定的な建築方式の1つとして昭和40年代後半から継続的に使用されている手法である。土地所有者や借地人などの地権者の余剰容積をデベロッパーなどが取得し、高層建築物を建設。その一部を地権者へ還元するというものだ。この方法が定着するに至った経緯には、地権者の共有持分の一部を譲渡する代わりに借入金などのリスクを負わずに建て替え、従来の場所で営業及び居住を続けられるという点が挙げられる。しかし、通常の不動産売買とは異なった方法で進められる方式のため、この本では等価交換方式の内容と取引形態から詳解。
第二編においては諸税を物件の取得、保有から賃貸、譲渡までの段階で解説。特例や法人、個人の場合など細かく分けて掲載されているため、目次の番号で自分と重なるケースを引いて調べることができる。
また、申告書の様式や掲載例などが巻末の「税務申告提出書類・記載例編」に説明されており、実務時に便利だ。
著者は昭和55年及び58年にも等価交換の解説書を執筆しており、今回の発刊は最近のマンションの建設増に伴い新しくなされたものである。
メリットだけでなくデメリットの具体例も記載され、確認することが可能だ。