不動産トピックス

クローズアップ 断熱材編

2007.12.03 14:23

 ビルの空調効率を上げるには、空調設備自体の性能の他に断熱構造を持っているかどうかも大きな要因となる。多少施工費が高くなったとしても、長く持ち続けるビルならば是非取り入れたいものである。経営上のアドバンテージとなるほか、資産価値を上げるサポートにもなるだろう。

ジー・エフ 窓ガラスから出入りする熱量をカット 透明で凹凸のない仕上がり 10年の耐用年数を実現する
 ジー・エフ(東京都文京区)がOEM商品として取り扱う「断熱・結露ナノコート」は、10年耐久の窓用断熱塗料である。
 複層ガラス窓や断熱フィルムと比較して低価格で施工が可能で、既存建物の窓ガラスにも簡単に施工ができるためコストや施工時間を多く取られない。
 それだけでなく、耐用年数及び商品性能においてのパフォーマンスにも定評があるという。
 「当社が提供している『断熱・結露ナノコート』は空港やスタジアム、電波塔などの大規模な施工例も多いのです。それだけ効果があると顧客にも理解を得ているのではないでしょうか」(大崎氏)
 このコート剤はIT関連で使用されている電磁波防止用の金属粒子をナノレベルで多量に使用。夏の日射熱を30%カットし、窓ガラスから逃げる冬の室内暖房熱を95%以上カットする。日射量を100%とした場合、「断熱・結露ナノコート」が塗布された窓ガラスは熱量の除去と吸収によって一般ガラスと比較して87.9から64.8へと流入熱量が削減される。結果、外気による冷暖房の熱量変化を低減することとなり、コストの削減につながるのである。

旭ビルウォール 型枠としての性能を兼ね施工の短縮・効率化実現 優れた耐久性能と防火性能を誇る
 旭ビルウォール(東京都文京区)では、外断熱用パネルとして「FRC外断熱パネル」を提供している。
 この製品は、「GRC板耐アルカリ(ガラス繊維強化セメント板)と断熱材を複合したコンクリート型断熱パネルである」との事だ。
 特徴として施工の効率化が挙げられている。同製品はもともと型枠としての性能を兼ねているため、コンパネ(型枠合板)なしで外壁面やスラブの施工ができるという。従来のようにコンパネが必要とされなければ、施工期間の短縮や資材費・施工費の節約にもなるだろう。ただし施工後は躯体に水分がかなり含まれている状態なので、室内の換気を行って乾燥させる必要がある。
 優れた耐久性能と半永久的な断熱性能も特徴の1つである。また、既存の建物にも新たに外側から断熱パネルとして貼り付けることもできるので、様々なケースに応じて施工できる。
 耐火性能も高く、昭和60年に旧建設省住指発第510号通達にもとづく耐火性能試験に合格している。
 他にも同社ではタイルタイプの外断熱「GRCタイルパネル」なども用意されている。

野原産業 4層の断熱材が実現する高い外断熱効果 色あせしにくい素材使用 たわみや曲げに強い耐性
 野原産業(東京都新宿区)が共同開発した「Passive Wall(パッシブウォール)」は、RC造透湿外断熱システムである。ビーズ法発泡ポリスチレンフォームの断熱ボードの上に、水性アクリルベースの樹脂モルタルでベースコートする。重ねてメッシュ状の耐アルカリコーティング済みのグラスファイバーメッシュを貼り付ける。このウォールメッシュは受難性に優れており、高い耐衝撃性と耐クラック性能を持っている。最後にトップコートとして、アクリル共重合樹脂水性仕上げ塗料を塗布するという4層構造だ。
 「これだけ断熱材を重ねてもたわみや曲げに対する耐性が強く、断熱ボードごと手で折り曲げても曲がるだけでひび割れなどは見られません」(妻藤氏)
 外壁に使用する建材のため、耐候性においても高い水準を保つ。色落ちが少ないため、年月が経過してもくたびれた印象を与えにくい。また防藻、防カビ性においてはトップコートが強い作用を持ち、繁殖を長期にわたって防ぐ。カラーバリエーションも濃淡によって1~4レベルまで段階を設け、それぞれの色みに応じて外観にも配慮している。




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