不動産トピックス
過熱する投資市場の現場から
2008.01.14 12:06
IFP 浪速区境筋の物件譲渡希望価格は3億9000万円 大阪市内のメインストリート沿い物件を募集中
IFP(大阪市中央区)は、ビルへの投資および再生事業を行っている。平成19年1月1日の時点では19件の物件を販売していたが、既に15件の売買契約が完了し、現在は残すところ4棟となっている。
同社は、平成20年には更に10棟を買い上げる予定だという。
「当社では、ビル再生事業を行っていますので、経年劣化したビルでも構いません。むしろそのような物件をリニューアルすることこそ、得意とする分野です」(野間氏)
募集している物件は、大阪市中央区、北区、西区のいわゆる中央3区と呼ばれるエリアと、市内のメインストリートに面するもの。主に御堂筋、境筋、本町筋、三休橋筋(栴檀木筋)の物件に注目している。
現在、大阪市内でも、他のエリア同様に物件の二極化が進んでいる。裏通りに所在し、設備が充実しておらず築年数が経過している物件では、なかなかテナントがつかないのだ。また、事業用ビルでは経営が難しいとして、1Rマンションへコンバージョンする傾向がしばしば見られるのだという。一方で立地条件に恵まれた物件には空室が少なく、引き合いも多い。
「表通りに面した物件の賃料は下落しないだろうと予測して、今後そのような物件を中心に購入を進めていく予定です」(野間氏)
これらの理由から入手した物件に、「IFP日本橋ビル」(旧ニノミヤホビックスビル)がある。この物件は、かつて大手家電量販店のグループ企業だった大型玩具店ニノミヤHOBIXが入居していたが、営業終了に伴い譲渡されたもの。現在は、エントランスや設備、個別空調の導入及び外壁の修復といったリニューアルを終え、全室が空室である。当該物件は、地下鉄堺筋線「恵美須町」駅徒歩約4分。日本橋エリア内のメインストリートである境筋に面する好立地に所在する。この通り沿いは通称「でんでんタウン」といい、都内における秋葉原のような家電等の集積地となっている。また、この地区は家電のみならずアニメやマンガといったサブカルチャーを求める若い客層が多く訪れる地区でもあるため、ネットカフェやホビー店、飲食店といった、商業テナントの需要が高いと見込まれる。
当該物件の登記簿上の敷地面積は205・65㎡、延床面積は1100・21㎡。S造の地上6階建てだ。施工会社は日建建設で、譲渡希望価格は3億9000万円である。
現在、同社ではこの物件の譲渡先と、条件に合致する購入物件を募集中だ。
日本ビルファンド投資法人 資産取得価格は80億円を予定 渋谷エリアに所在するビル御影石基調のオフィス物件
日本ビルファンド投資法人(東京都中央区)は「モリモビル」の取得を決定した。
取得先は不動産売買、賃貸及び管理運用業務に携わるケイ・ワイ・プロパティ(東京都中央区)だ。
取得価格は80億円で、引渡し予定は平成20年1月9日となっている。
取得先は、同投資法人資産運用会社の利害関係人等に該当する三井不動産の連結子会社として、利害関係人等に該当する。
敷地面積は1418・21㎡、延床面積は7615・76㎡。SRC造地上8階地下2階建ての事務所ビルである。竣工は平成4年1月31日。JR「渋谷」駅新南口から青山方面へと続く「八幡坂」に面した落ち着いた雰囲気の商業集積地に所在。物件の躯体は御影石を基調に、周囲の雰囲気と調和するよう設計されている。
一方、近隣地区の渋谷エリアは、都内でも有数の商業集積地であると同時にオフィスエリアとしても需要の高い地区だ。その中心となる「渋谷」駅はJR、私鉄及び地下鉄が乗り入れるターミナル駅である。
物件概要は基準階占有面積が約722・7㎡。天井高は2・65m、電気容量が75VA/㎡であり、エレベーター2基を備える。これらのスペックで、周囲でも比較的競争力を備えている物件であるとする。
現在の稼働率は100%で、物件の引渡し後は名称を「NBF渋谷イースト」に変更する予定。今回の取得によって東京都心部におけるポートフォリオの充実を図るとし、平成19年12月期運用状況への影響はないとしている。
クリード・オフィス投資法人 港区2物件の信託受益権譲渡
クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は、「大門佐野ビル」及び「田町片岡ビル」の信託受益権譲渡を決定した。
譲渡価格は10億4000万円と12億3000万円。帳簿価格との差額は約9億1700万円だ。引渡しは平成20年2月5日を予定している。
「大門佐野ビル」は敷地面積191・17㎡、延床面積1147・25㎡。昭和61年3月31日竣工の事務所ビルである。SRC造で地上8階建てとなっている。
一方、「田町片岡ビル」は敷地面積366・94㎡、延床面積1598・91㎡。昭和62年3月15日に竣工しており、用途は事務所、駐車場及び居宅。SRC造の地上7階建てだ。
両物件の収益予想や資産価値の増減等を勘案し、売却益による分配金の安定化を図る。
日本コマーシャル投資法人 新宿地区物件を51億円で取得
日本コマーシャル投資法人(東京都千代田区)は、「サンエスビル」の取得を決定した。価格は51億円で、平成20年2月29日に取得予定。取得先は不動産の売買や仲介、衣料品・骨董品等の販売及び飲食店の経営などに携わるセント・グランデ(東京都渋谷区)だ。
今般の取得の理由として、規模や立地等といった同投資法人の取得基準を満たしていること、ポートフォリオの成長性と安定性を高めることが可能と判断したことをあげている。
当該物件はJR「新宿」駅新南口及び東京メトロ「新宿三丁目」駅から徒歩約3分に位置する。また、甲州街道及び明治通りが交差する新宿四丁目交差点に面しており、視認性に優れることから、物販店舗や営業所等多種業態のテナント需要が期待されるとのこと。
敷地面積257・87㎡、延床面積2038・70㎡。竣工は昭和60年8月29日で、SRC造の地上10階建てである。