不動産トピックス
過熱する投資市場の現場
2008.01.28 09:57
日本レジデンシャル投資法人 満室稼働中のワンルームマンションを譲渡 東京と大阪の2物件合計価格は77億円に
日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)では今月25日、東京都港区にある協同住宅「SOHO北青山」と大阪市北区の共同住宅「梅田エクセルハイツ」の譲渡を完了した。
譲渡先はどちらもエム・エス・ジャパン・ストラテジック・コア・アクイジション(東京都江東区)で、譲渡価格は「SOHO北青山」が15億円、「梅田エクセルハイツ」は62億円だったとの事である。
帳簿価格については、前者が12億1291万1910円で、譲渡価格との差は2億8708万8090円となる。後者は、帳簿価格55億361万3497円で差額は6億9638万6503円であるという。
物件の概要をそれぞれ見ていくと、「SOHO北青山」は所在地が東京都港区北青山二丁目10番17号、敷地面積は397・78㎡、延床面積849・39㎡。竣工は平成16年3月で、鉄筋コンクリート造りの地下1階地上3階の物件である。テナントの総数は1件で、月額賃料は564万4千円となっていた。
「梅田エクセルハイツ」は所在地が大阪市北区中崎西三丁目の1番12号。敷地面積は3726・37㎡。延床面積は1万1408・03㎡。鉄骨鉄筋コンクリート造りの地下1階地上15階建てである。総戸数は414戸で、ほとんどがワンルームタイプだった。この物件の月額賃料は2544万5千円で、稼働率は100%を維持している。
譲渡先に関しては、複数の譲渡先候補が挙げられ、検討した結果最終決定に至ったという。
<駅至近物件取得>日本アコモデーションファンド投資法人 単身者からファミリーまでターゲットは幅広い 都心に位置しながらも公園多く住環境も良い
日本アコモデーションファンド投資法人(東京都中央区)では、今月25日、渋谷区の共同住宅「パークキューブ代々木富ヶ谷」を取得した。
取得価格は19億7500万円で、引渡し日は今年3月11日を予定。取得先はオオバ(東京都目黒区)である。
取得の理由は「規約に定める資産運用の対象及び方針に基づき、ポートフォリオ全体の着実な成長と、東京23区におけるポートフォリオの分散と充実を図るため」だと発表している。
立地条件のメリットとしては、東京メトロ千代田線の「代々木公園」駅や小田急線の「代々木八幡」駅からいずれも徒歩9分と交通の便が良い事が挙げられている。また、渋谷や新宿、青山などの商業・オフィス街にも近く、代々木公園や駒場公園も生活圏に位置し住環境としても良いとされる。
当該物件のターゲットとしては単身者層からファミリー層まで、幅広い賃貸需要が期待できるとの事だ。物件の概要は以下の通り。
住所は東京都渋谷区富ヶ谷2丁目14番13号。敷地面積は784・56㎡で、延床面 積は2440・54㎡。竣工は昨年7月31日で、鉄筋コンクリート造の9階建てである。賃貸可能戸数は38戸となっている。
物件の外観はグレーを基調とした落ち着いた、シンプルなデザインでこのエリアの静かな住環境と調和している。エントランスも高級感あふれる演出が施されており、都心部に住まう利便性と相まって、居住者の満足度を高めるのに一役買いそうだ。
なお、この物件は運営収益を1億1429万6千円、運営純収益を9379万3千円、全体の純収益は9240万7千円と算定している。
アドバンス・レジデンス投資法人 物件取得価格は13億円売主はアルゴ・セカンド 阪浪速区でDINKS向けマンション取得
アドバンス・レジデンス投資法人(東京都千代田区)は大阪市浪速区の共同住宅「GrassHopper」の信託受益権を取得した。価格は13億3000万円で、売主はアルゴ・セカンド(東京都千代田区)である。信託変更契約締結日は今月25日、信託期間満了予定日は平成25年2月28日となる。
物件の特徴として、大阪市営地下鉄千日前線「桜川」駅から徒歩3分の場所に位置し、また「桜川」駅から大阪市内のビジネス・商業中心地である難波・心斎橋・梅田まで20分以内での移動が可能なので利便性に優れている事が挙げられる。
こうした立地上のアドバンテージに加え、各居室で天井高2750㎜が確保されており快適な居住空間が提供でき、それがDINKS層などを中心に堅調な賃貸需要に結びつくとしている。
物件の概要は、敷地面積が1224㎡、延床面積は4632・61㎡、SRC造の地上13階建てで、竣工は平成9年4月28日である。伊藤忠アーバンコミュニティがマスターリース及びプロパティマネジメント業務を行う事が予定されている。
<投資会社新戦略>日本リテールファンド投資法人 容積率緩和で駐車場を増床 固定部分の賃料は約3千万円アップ
日本リテールファンド投資法人では、兵庫県にある商業施設「イオンモール伊丹テラス」の駐車場棟の増床を決定したと今月11日に発表した。建設費総額は8億8300万円になる。
本件の実施理由として、当該ショッピングセンターが位置する用途地域が、平成19年4月に工業地域から商業地域へと用途変換され、容積率が緩和された事が背景にあると説明されている。
同法人では、この容積率緩和を利用し、駐車台数を増やす事で周辺地域の交通渋滞の緩和に寄与し、同時に当該ショッピングセンター集客力増強による売上高向上を目指すとの事だ。
この物件の賃料はテナントの営業収益に連動する変動部分と固定部分とで構成されているが、本件の追加投資では固定部分の賃料が3千万円ほど増額するという。また、これに加えて物件全体に係る賃貸借契約の見直しをした結果、変動賃料歩率が上昇するとの事である。
該当するショッピングセンターは、敷地面積が5万7180・21㎡、延床面積が13万7407・92㎡、取得日は平成18年12月1日で、所有形態は不動産信託受益権である。
なお、今後の見通しについて同法人は、今年2月期の運用状況への影響は特にないとしている。
小田急不動産 安全性にも配慮したマンション取得 羽田空港の国際線化など今後も発展が期待される
小田急不動産(東京都渋谷区)では、今月10日、東京都品川区の共同住宅「リージア大森」を取得した。価格については明らかにされていない。
物件の立地については、以下のように発表されている。この物件は、昨年8月に竣工した全52戸のマンションで、JR京浜東北線「大森」駅徒歩5分と交通アクセスが良く、都心方面への通勤や、横浜方面への観光やレジャーにも便利な立地となっている。
今後は羽田空港の拡張、国際線化などによって発展が予想されるエリアでもあり、それに伴って安定した賃貸需要が期待されている。物件の概要は以下の通り。
住所は東京都品川区南大井6丁目13番11号、敷地面積は248・98㎡、延床面積は1335・47㎡になる。鉄筋コンクリート造で地上14階建てとの事である。
間取りは1Kのみだが、オートロックシステムや防犯カメラ、24時間セキュリティーシステム、TVモニター付インターホン、宅配ボックス、温水洗浄便座付トイレ、浴室乾燥機、エアコン、CATVなどが用意されているなど、安全性や設備も充実している。
クレッシェンド投資法人 平成16年に取得した3物件を譲渡 合計譲渡価格は21億1400万円に
クレッシェンド投資法人は今月22日、3物件の譲渡を決定したと発表した。いずれも平成16年11月12日に取得した物件で、引渡し予定日も今年5月31日までとしている。
「FLEG目黒」は事務所と共同住宅の複合ビルで、敷地面積は213・45㎡、延床面積は948・48㎡、12階建てである。取得時の価格は6億6000万円、譲渡予定価格は7億1400万円。
「レグルス東葛西」は敷地面積約417㎡、延床面積が1392・74㎡、9階建の建物。取得価格は6億5000万円。譲渡価格は7億2500万円との事である。
「和光学生ハイツ」は敷地面積1728・40㎡、延床面積は3434・07㎡で、5階建ての建物。取得価格は5億2000万円。譲渡予定価格は6億7500万円になっている。
それぞれの物件における決済方法は、引渡し予定日に一括決裁方式にて支払うという。それぞれの譲渡先は、「FREG目黒」と「レグルス東葛西」がレイコフ投資顧問の関連会社か同社指定のSPC。「和光学生ハイツ」は伊藤忠商事が予定されている。
今回の譲渡により、同社の不動産ポートフォリオはレジデンス系が22物件となり、投資比率は44・60%になった。逆にオフィス系の投資比率は55・40%である。また、同法人が埼玉県内に所有する物件も、完全に無くなった。