不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2008.02.04 17:29

TOTO 排水アジャスターがリニューアル工程を大幅に省略 本体購入価格を約9カ月で償却する節水機能
TOTO(北九州市小倉北区)が2月1日に発売した「パブリックモデル便器」は、リニューアル工程を大幅に省略可能な大便器だ。寸法調整可能な排水アジャスターにより大掛かりな排水口の移設工事が不要となる。
 「便器の交換時には該当フロアの階下において天井裏にある排水管を立ち上げ直す必要がありましたが、この製品を導入する場合には、対象フロアのみの床上施工となります。既設の排水設備をそのまま使用することで短期間での施工が可能となり、騒音を抑えることにもつながります」(ビルリモデル推進部部長 北村庸介氏)
 しかも、この「パブリックモデル便器」は、フラッシュバルブ式便器としては初の6ℓ洗浄を実現。一般的な13ℓ型便器の使用水量の約54%を削減する。これをCO2排出削減量に換算すると、仮に1日で男性60人女性40人が使用するビルの場合、常緑樹を1年間に約43本分植樹するのに等しい効果が得られる計算になる。
 この便器本体の小売価格(税抜)は9万5200円から27万600円。前述のビルの場合「空気調和衛生工学会」の適正便器個数計算から導くと、計6台の便器が標準となる。年間で約73万円の水道代を節約可能なため、57万1200円の本体購入費用を9カ月余りで償却する計算となる。
 また、近年人気が高いフチなし形状とトルネード線所をフラッシュバルブ式では初めて搭載。これにより、汚れが取りにくかった便器のふちの清掃が容易になる。一方でデザインの改良により便器本体を33mm小型化している点も見逃せない。和風便器からのリニューアルに見られるようにブースの狭さの解消にも貢献するのだ。

神戸製鋼所 追加機能豊富なスクリューチラー 効率よい運転で高い熱回収COP
 神戸製鋼所(神戸市中央区)は、ビルや工場棟の冷房用熱源機である高効率小型水冷インバータスクリューチラー「ハイエフミニ」(冷房能力528kW)の用途拡大機種として、70度までの温熱取出機能と高温で高効率な循環加温機能を追加した「ハイエフミニ・高効率取出機(HRシリーズ)」を開発し、4月から販売する。
 一方で、暖房や給湯に使われる温熱機器については燃料価格の高騰や民生分野へのさらなる環境規制強化の動きを背景に、これまで一般的だった石油・ガスをエネルギー源とする吸収式冷温水機やボイラー式給湯器からより低コストで省エネルギーが図れ、環境に配慮した機器への代替機運が高まりつつある。そのような中で、同社では従来の「ハイエフミニ」シリーズに70度までの温熱取出機能と高効率な循環加温機能を追加した同製品を開発した。
 同製品は「ハイエフミニ」の高効率化技術を応用し、高い熱回収COP(消費電力1kWあたりの冷却・加熱能力を表した値・成績係数)を達成する。冷水7度・温水65度の条件では熱回収COP4.6、冷水30度・温水65度の条件ではCOP10.0となる。また、ボイラー、給水式からのリニューアル対応が容易で、同社では60度以上の温水を必要とするユーザーからの需要を中心に年間50台以上の販売を目標としている。

東レ・ダウコーニング 光をためて停電時に発行するシーリング材 残光輝度JIS規格の約3倍
 東レ・ダウコーニング(東京都千代田区)は蓄光成分を含有することで日光や照明などの光を蓄積し、随所で発光するシリコーンシーリング材「Dow Corning Toray CY50-200」を開発、3月から販売を開始する。
 平成11年に施工された新消防法のガイドラインでは蓄光性材料で作られた誘導標識の有効性が示され、その活用を奨めている。実際に近年では蓄光性材料が公共スペースを中心に採用され始めている。誘導表示板の蓄光性を定める「JIS Z 9107」では光の照射を止めた後の残光輝度を20分後で24以上、60分後で7以上と定めているが、同製品の残光輝度は20分後で75以上、60分後で21以上とJIS規格の約3倍の性能を持っている。これにより、建物内の床や壁面に使用することで万一の停電時に発光し誘導非難に役立てることができる。
 また製品はペースト状のシーリング材で空気中の湿気に触れて硬化する性質のため、さまざまな形状にすることが可能。壁のタイル目地材として使用すれば経路を示す線上のガイドとしても発光させることができ、距離をおいて設置される標識板とは異なる誘導効果を発揮する。

三菱電機 高い全熱交換効率のロスナイ 年間約5万円の冷暖房費用と1.3トンのCO2削減に貢献
 三菱電機(東京都千代田区)は排気と給気の間で熱を交換しながら換気することで空調負荷を軽減し、オフィスビルの省エネに貢献する熱交換形換気機器「業務用ロスナイ」の新商品、「天吊埋込形」を4月21日から発売する。
 同社では同時に省エネ効果を分かりやすく表示できる専用部材「デラックスリモコン」を発売する。マイコンタイプの場合、この「デラックスリモコン」を使用することで、外気温度・室内からの排気温度・ロスナイを介した熱交換後の室内への給気温度の3種類の温度を表示できる。また、マイコンタイプには曜日ごとに最適な運転パターンを設定できる「ウィークリータイマー機能」と24時間換気に対応した「微弱ノッチ運転機能」を新たに搭載した。これにより使用状況に応じてきめ細かい換気風量を制御できるため、更なる省エネ換気が可能となる。
 「業務用ロスナイ天吊埋込形」の価格は19万7400円~133万4550円で年間の販売目標は5万台。「デラックスリモコン」の価格は2万8350円で年間の販売目標は1万台である。

コクヨファニチャー 扉を開けると暗証番号が「0」に 10タイプの収納家具に搭載 ダイヤル式のオートロック機構を開発
 コクヨファニチャー(大阪市東成区)は、常時施錠が可能なダイヤル式オートロック機構(通称「ゼロック」)を開発した。この新機構は同社からすでに販売されている収納家具「UFX」シリーズの両開き扉タイプや3段引き出しタイプ、パーソナルロッカーなど10タイプの製品に搭載され、先月25日から販売を開始している。
 個人情報保護法の施行以来、多くの企業がセキュリティの強化に力を入れているが、ロッカーなどの収納家具において扉を閉めた後のダイヤル操作が面倒だという理由でしっかりと施錠されていないケースが多く見られる。また扉が開いているとダイヤルは暗証番号のままの状態で、盗み見されてしまう危険性もある。
 この「ゼロック」はダイヤルを回して4桁の暗証番号を入力すると自然に開錠される。そして扉を開けるとその瞬間にダイヤルが一斉に「0」に戻り、扉を閉めると自動的に施錠される仕組みとなっている。これにより鍵の閉め忘れもなく錠前管理をする必要がなくなり、情報漏えいのリスクを低減することができる。価格は7万5915円から22万7850円までで、同社では4.5億円を年間販売目標としている。

山武 4段階調光機能を搭載した銅鉄型安定器 電子安定器並の消費電力とノイズ低放出が特徴
 山武(東京都千代田区)はグループ会社である金門製作所(東京都板橋区)の銅鉄安定器加工技術とビルシステムカンパニーの省エネ技術を融合して「あっとらいと」を開発し、今月から販売を開始する。
 現在、市場の主流となっている電子安定器は省エネを実現する一方で、従来の銅鉄型安定器に比べて一般的に寿命が短く建物のライフサイクルコストに悪影響を及ぼし、インバータのノイズにより精密機器周りでの使用が不安などのデメリットがある。
 同製品は使用環境に応じて節電が可能な「4段階調光機能」により消費電力を最大40%削減し電子安定器と同等の省エネを実現するとともに、通路は照度を落とす等照明ニーズにもじゅうたんに対応できるようになっている。
 また、電子安定器の約1.5倍の長寿命で安定型交換の手間を省き、銅鉄型を採用したことでノイズの放出が低く抑えられ、精密機器・計測器等への悪影響を少なくするといった特徴も有している。
 銅鉄型の蛍光灯安定器に調光機能を搭載したのは国内初の試みであり、同社では特許を出願中である。価格は8760円である。  




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