不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2008.05.26 17:13

サイペイントジャパン 高反射率を実現する遮熱塗料 シリカ均一配分し太陽光線90%反射
 サイペイントジャパン(東京都新宿区)は、ノルウェーのSci-Paint社と共同で高い日射反射率を誇る遮熱塗料「SUPRA(スープラ)」を開発した。
 ビルの屋上などでは太陽光線が当たるとそのエネルギーが吸収され、熱になってその輻射熱が周辺温度を上昇させる。真夏のアスファルトでは温度が70℃近くにまで上昇することもある。
 SUPRAは断熱性能に特化した種類の真球状のシリカとアクリルシリコン樹脂を超電解水で混合させた塗料である。ビーズ状の微細なシリカを均一に配分することで反射率を高め、太陽光線の90%以上反射を実現する。
同社の行った実験によると、70度まで上昇する真夏のコンクリート造建築物の屋上表面に同製品を塗布した場合、表面の温度を30度まで抑えることができた。これにより室内の温度上昇を防ぎ、平均20%以上のエネルギー削減消費量につながるとしている。
 また、同製品を蒸気配管に塗布した場合、塗布する前は表面温度が132度であったが、塗布後は93度にまで低下したという実験結果も残っている。製品はpH9のアルカリ性塗料なので抗菌力が非常に強く、一般的なカビやウィルスのほか、O-157やノロウィルスなどの菌に対して、優れた抗菌効果を発揮する。原料は主に天然の大豆アミノ酸を使用しているので、安全への配慮がなされている。このため、室内や設備の内壁などの場面においても安心して塗布することができる。内容量は19リットルで1缶の価格は4万7000円となっている。今後は一般向けに6リットル間の製品化も予定しており、同社では年間の売り上げ10億円を目指している。

三菱重工業/三菱電機 非常用・防災用の自家発電設備に新製品 新型のデジタル制御盤を搭載し使いやすさ向上
 三菱重工業(東京都港区)と三菱電機(東京都千代田区)は、ディーゼルエンジンと発電機を組み合わせた非常用・防災用自家発電設備の新シリーズとして、新型デジタル制御盤の搭載により操作性と保守性を向上した「PG-Qシリーズ」を6月2日から発売開始する。
「PGシリーズ」は三菱重工業のディーゼルエンジンと三菱電機の発電機・制御機器を一体に組み合わせた製品で、昭和47年に発売を開始してから現在までシリーズ累計3万5000台以上を出荷している。消火栓や排煙設備などの防災電源として、非常用発電機を消防法令上設置することになっているが、近年ビルの大型化に伴い設置は増加傾向にある。
 同製品に新しく搭載されたデジタル制御盤は表示する情報量を増やし、計測値や故障警報などを表示するほか、故障発生時には画面を赤色に変化させることで異常を瞬時に把握できる仕様となっている。
 手動運転時の操作は、画面上ですべての操作が可能になっている。そして、誤作動を防止するために画面のスイッチ類は長押し操作方式を採用した。また、自動定期保守運転機能によって、曜日・時刻を設定するだけで自動的に3分間の保守運転を行う。その際には次回運転までの残日数も表示されるので計画的な保守運転が可能となる。オプションの遠隔監視機能を組み合わせれば、事務所や管理室など遠方で発電機の状態を監視することもできる。
 制御盤の本体は高耐食性鋼板を採用することで、塗装に使用する有機溶剤の量を従来機種と比較して約80%削減し、製造時の環境負荷を低減している。製品は屋外・屋内のバリエーションのほか、超低騒音型・低騒音型・標準型の3タイプが選択可能。同社では年間2000台の販売を見込んでいる。

TOTO 海外市場で人気の水栓・洗面器を国内で販売開始 デザイン性の高い商品群高級ブランド確立目指す
 TOTO(北九州市小倉北区)は6月2日から、デザイン性の高い海外向けの「デザイン水栓Sシリーズ」と「デザイン洗面器」の国内販売を開始する。
 同社の製品はアメリカ、中国をはじめとする海外市場において高級ブランドとして定着しており、多くの採用実績を持つ。今回は海外市場で通用している商品の中から、国内市場のニーズにマッチするものをセレクトし、ラインアップした。
 ここ数年の国内市場では、水まわりにもデザイン性にこだわった製品を好む傾向にあり、同社ではこのようなニーズにこたえるデザイン商品群「TOTONEWMATERIAL」を提案してきた。新製品はこの商品群の追加品として販売される。
 「デザイン水栓Sシリーズ」は、洗練・気品・優雅をコンセプトに据え、直線と平面を基本としたシンプルなデザインとなっている。そしてわずかに施された曲線がやさしさを感じさせている。
「デザイン洗面器」は、真円形のシンプルなタイプから、碁石や枯山水をイメージした紋様のタイプのものまで、個性豊かなデザイン5種類となっている。価格帯は「デザイン水栓Sシリーズ」が7万4000円から35万6000円まで、「デザイン洗面器」が8万5000円から50万円までとなっており、発売後3年目での2製品合わせての販売目標は、一ヶ月あたり8000台となっている。
 同社では今後、日本を含めたグローバルな事業の基盤強化と高級ブランドの確立を目指し、各拠点での活動を推進していく。

川島織物セルコン 環境対応型のタイルカーペットを発売 製造時のCO2排出量50%削減に成功
 川島織物セルコン(京都市左京区)では、カーボンオフセットタイルカーペットの発売を決定した。同社では環境に配慮した商品開発に取り組んでおり、タイルカーペットの塩ビバッキング層の循環型リサイクルシステムを構築し、従来品よりCO2排出量を約11%削減、リサイクル率43%以上という業界最高水準のタイルカーペットの商品化に成功している。しかしながら、製造段階で排出されるCO2のゼロ化までは達成していない。
 そこで今回、排出されるCO2の一部を温室効果ガス排出権の購入により打ち消し、従来のリサイクルとあわせ対象商品のCO2排出量を50%低減させる。購入先は三井住友銀行で、購入契約料は1000トンとなっている。このカーボンオフセット商品は、現在発売中の環境対応型タイルカーペット「カラーバンク」などが対象となり、今後発売予定の環境対応型商品に対しても適用し順次拡大していく予定である。
同社では、京都議定書の締結された京都に本社を置く企業として、この取り組みをはじめとして今後も環境重視の経営を進め、温暖化防止に貢献していく方針である。

トステム シンプルな外観のアルミフロント建材 カーテンウォールと同じ意匠性・性能を実現する
 トステム(東京都江東区)は、カーテンウォールの意匠性と性能をアルミフロント建材で実現した「ESフロントシリーズ」を開発し、6月1日から販売する。
 同製品は、平成16年にシリーズ第1弾として、大型商業施設向けのアルミフロント建材「ESカーテンウォール」を発売している。近年では、コンパクトシティ構想によって、今後市街地を中心に増加が予想されており、同製品は中小店舗や商業ビル向けに開発されたものである。
 意匠面ではカーテンウォールと同じくガラス面を前面に配したフルフラットな外観となっている。また、性能面では、耐風圧性・機密性・水密性ともカーテンウォールと同等の性能を実現している。雨水や結露水を、ガラス溝内部を通し方立最下部で排水処理を行う「最下部一括排水構造」を採用し、排水溝から水が流れ出る跡がつくなど、集中した水染みの発生を防止する。
 なお、同製品は都市部の防火規制の対象地域に対応するため、同社で販売している防火対応のビル用サッシ「PROSE(プローゼ)」を組み込むことで、防火設備認定に対応できる仕様となっている。

デジタル ロンワークス対応のBA向け表示機を開発 各サブシステムの接続をひとつに集約してコスト削減
デジタル(大阪市住之江区)は、ビルオートメーション向けのタッチパネル付き表示器「BUILMO(ビルモ)」に、ロンワークスネットワーク対応モデルを追加販売する。
ロンワークスとはアメリカ・エシェロン社が開発したオープンネットワーク技術である。これまでビルの制御には、熱源・空調・動力などの各サブシステムを構成する機器が個々に独立しており、これらをいくつかの中央監視側で監視するために各サブシステムごとに専用の接続機器を開発、もしくは購入して対処していた。ロンワークスネットワークはこれらの異なる機器やシステムを接続できるオープンネットワークで、10年程前から普及し始め、現在この技術を取り入れて製品開発を行っている企業数は世界で約5000社にも及んでいる。
 同社では今後オープン化の進むビルオートメーション市場に、数万台以上の需要があると予測しており、「BUILMO」をロンワークスネットワークに接続することで、ビルオートメーション事業でのタッチパネル付き表示器の可能性を広げるとともに、ビルシステムの新しいサービスを提案していく。なお、表示機のサイズは3・8型から15型まで、価格は9万円から53万3000円までとなっている。




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