不動産トピックス

クローズアップ ITツール編

2008.06.02 15:52

 不動産のITツールは、年々進化している。用途も多岐にわたり、管理効率を上げたり、物件の情報を事細かに見るなどができるようになっている。コストをそれ程かけず、気軽に取り組めるツールも増えているようだ。今後の不動産事業にITツールは欠かせない。

タス ASP方式の採用により安価に利用する事が可能 調査で効率的な不動産鑑定実現
 タス(東京都中央区)では、全国の不動産評価を行えるウェブサイト「TAS‐MAP」を運営している。このソフトはASP(アプリケーションサービスプロバイダー)方式で利用するもの。インターネット経由でこのツールを使用でき、高額なソフトを自分のパソコンに導入する必要がない。
 このツールを利用する事で得られる情報としては、相続税路線価や地価公示、固定資産税路線価、不動産調査価格などがある。各種の検索ツールにて、自分が知りたい地域の情報を閲覧し、そのエリアの特性を前もって知っておけば、現地調査の際にも役立つ。
 同社マーケティング部の小杉氏は「当社では訪問デモンストレーションも行っています。訪問可能な地域は東京、千葉、埼玉、神奈川で、お申し込みいただく最少人数は3名様からとなります」と語る。
 IDを登録し、月額基本料金を支払う料金システムとなっている。登録の際に1IDあたり3万1500円(税込み)、月額基本料金が1IDあたり1万500円だ。
 現在はマンション評価も可能で、対応エリアも順次広がりつつある。今夏には新たなサービスも登場する予定であり、発表が待たれる。

構造計画研究所
「kkeonsite2・0」は、不動産関連企業が開発プロジェクトを効率化するための「情報共有ASP」ツールである。膨大な量の資料を関連関係各社が利用する建設プロジェクトなどで効果を発揮する。同システムを利用すればインターネットを媒介して複数の関係者が必要な資料を同時に閲覧できるようになる。
また、強固なセキュリティーによってネットワークが管理されている。許可を得た者しかネットワークに接続する事ができなくなるため、セキュリティーの精度が増す。同社建設企画室吉田親史担当部長は同システムを以下のように説明する。
「システムの特長は大きく分けて3つあります。1つはコラボレーション(協調作業)の質を高めた事。メンバー同士で相互に情報交換できる機能を備え、意思疎通を十分に果たした上での業務推進が可能です。2つめにワークフロー(業務プロセス)のシステム上での実現が挙げられます。つまり、回覧・承認・決済などの業務プロセスを行う事ができるのです。そして3つめがマルチプロジェクトの機能。これは、同時進行する複数のプロジェクトを横断的に管理するもので、一人の担当者が複数の案件を抱えている事が多い建設プロジェクトなどでは非常に重要有効的な道具となります」(吉田氏)
同社のこのシステムは、もともと平成13年に「バージョン1・0」がリリースされ、今回は操作性や機能などを大幅に向上させてのバージョンアップとなった。

日本情報クリエイト 様々なファイル保存形式でホームページにも使える 間取り図の作成が簡単に行える パソコン初心者でも作成可能
日本情報クリエイト(宮崎県都城市)では、パソコンの初心者でも簡単に操作でき、すぐに間取りのイラストが作れる「らくらくMa‐Draw(間取ろう)」を販売している。
自分でテナントの募集する場合、貼り紙で募集するにしても、インターネットで広く情報発信するにしても、自身で間取り図を作る事ができれば、経費削減に大いに役立つことだろう。
同製品は、部屋を「部品」と見立て、それを組み合わせるという「パズル感覚」での操作が特長だ。たくさんの「部品」から自分の物件と同じものを選び、それを組み合わせるだけ。もちろん、各種のサイズ調整や配色の設定なども可能だ。部品のマスターとしては、約400種類が用意されているという。インターフェイス(画面構成)が非常に簡単で、なおかつ機能性は充実しているとの事。これなら、CADなどの専門的な製図スキルは必要ではなく、誰にでも間取り図の作成が可能だ。
また、互換性にも配慮されているようで、例えばワードソフトに貼り付ける予定であれば、ビットマップ形式で、インターネットでそのまま画像を流すのなら、JPEG、DTPならTIFEと、用途に合わせて保管形式を選べる。




週刊不動産経営編集部  YouTube