不動産トピックス
クローズアップ 高機能ブラインド編
2008.06.23 10:22
建築物の内部に侵入する熱の大部分は窓からのもの。強力な遮光効果を持つブラインドをかければ冷房効率は良くなるものの、自然光を阻害し部屋の中が暗くなってしまう。現在では高まる省エネへの期待を受け、遮熱効果は保ちつつも光を遮らない高機能製品が多数発売されている。
ニチベイ メッシュ素材のロールスクリーン 裏側のフィルムが熱線遮断 取付簡単なワンタッチ金具
ニチベイ(東京都中央区)が開発・販売しているコントラクト向けロールスクリーンは、約200種類の生地と巻き上げ用のメカを組み合わせて構築される高機能ブラインドである。同社では、一口にロールスクリーンといっても、ただ日照を遮るだけではなく各シーンに必要とされる製品を開発してきた。省エネ構想が広まる中で、問い合わせが増加しているのが、「ソフィー」シリーズの中の「ヴィスタ」。フィルムを裏側に張り合わせた、メッシュタイプのロールスクリーンだ。
外部からの可視光線は室内に通すものの、太陽光に含まれる赤外線及び紫外線はカットする。取り付け金具にも特徴があり、躯体に取り付けた金具にスクリーンをはめるだけと施工も簡単だ。
「元々、窓用の設備としてはシャッターなどが防犯・遮光機能を持ち、ブラインドやロールスクリーンはインテリアとしてデザイン性の側面が強かったのですが、『ヴィスタ』に代表されるように、デザインと機能を備えた製品の開発が進んでいます」
サンゲツ 透光性能と遮熱効果を実現する縦型ブラインド
サンゲツ(名古屋市西区)が開発した縦型ブラインド「RS508〜510」は、高機能遮熱ブラインドである。同商品は「ウィンドウズコレクション」にラインアップされる製品の1つ。3種類のカラーバリエーションから選択可能で、素材の持つ透光性能が部屋の明るさを保ちながらも、施された熱線反射加工によって冷房効率を向上させる。
製品の色合いによってその効果は変化するが、ブラインドが熱線から吸収する熱を、熱線自体を反射することによって防止する。ブラインドから熱が室内に伝わりにくく、省エネ効果を発揮するという仕組みだ。
幅400cm、高さ300cmまでのオーダーに対応が可能で、同じ素材を用いた別タイプの製品も用意されている。し かし、オフィスにおいて縦型ブラインドのメリットは、遮熱だけに留まらない。
「縦型ブラインドの特長は、横型のものと比較してホコリがたまりにくいという点が上げられます。軽く布で拭くだけで清掃することが可能ですし、さまざまなシーンに利用していただけるよう、シンプルでモダンなデザインに仕上げていますま」た、この製品は燃焼時にダイオキシンを発生させないようPVC(ポリ塩化ビニール)が不使用。同社の省エネオフィス推奨商品として紹介されている。
特殊コーティングがブラインドの熱吸収防止 黒い色ほど差が出る加工15色の生地から選択可能
トーソー(東京都中央区)の「遮熱スラット」は、特殊なコーティングで赤外線をカットする横型ブラインドである。対応する色は15種類。同社の従来品との比較を行った電気料金削減シミュレーションによれば、300kwを1時間使用時の削減額は、グレーカラーの製品同士で約767円の差。対して、ベージュ同士の場合は約117円の削減額となった。
ブラインドを屋内で使用する場合、ポイントとなるのはブラインド自体が熱を持つということ。輻射熱によって伝わる熱は、窓際に熱だまりを作り出す。
しかし、金属を用いたこの特殊コーティングは吸収するのではなく反射させるため、ブラインド自体が熱を持つことを防止する効果があるのだという。
「実は、白に近いほど赤外線の反射効率が良いのです。従って、『遮熱スラット』の効力は、より濃い色の場合に明らかに現れます。白色は従来品と比較しても大きな差が出ませんが、元来熱線を吸収しやすい黒系統の色ではコーティングしてあるか否かで遮熱効果も大きく変わるのです」
この結果を踏まえ、従来品と「遮熱スラット」との価格差を作っていない。より導入しやすいのも特徴だ。