不動産トピックス

今週の一冊

2008.07.07 17:25

実務に役立つ登記簿・公図から権利証までの読み方

読解 不動産登記Q&A
著者:杉本幸雄/飯川洋一/小澤正徳
出版社:清文社
発行:平成20年5月7日
価格:2800円(税別)

 本書は、不動産鑑定士、司法書士及び土地家屋調査士による共著。実務に携わってきた専門家たちによる、実務に則った教則本である。
 そのため、いわゆる学問上で解説されている登記手続きとは一線を画し、実際に行われている数の多い分野に重点を当てて編集された。登記簿内では数行あるいは1行で終わる相続登記や地積更正登記の陰にしばしば見られる、骨肉の争いや長年の宿敵との戦いがあることを踏まえ、単純に登記についての手続きのみに終始せず、背景となった事柄の説明を行っている。それぞれの設題にはコードが付けられており、引用・または参考とする場合には文末に他の設題のコードが添付されている。
 著者たちによれば、この本は”つまみ食い”をするための本。読者と同じく実務に追われる立場から、目次をたどって該当するケースを活用することができるように構成している。
 また、文中には登記簿の基本的なモデルと現実とのズレも掲載。実質的な登記の種類別件数なども見ることができる。全13章・272問に及ぶ設問には、現在抱えるトラブルに近いものが見つかるはず。複雑な登記手続きが少し身近になる本である。




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