不動産トピックス
今週の一冊
2008.07.14 16:28
施設・環境等の管理を通じ利用効率最大化を図るには
ファシリティマネジメントが変える経営戦略
著者:鵜沢昌和
出版社:NTT出版
発行:平成19年4月2日
価格:1800円(税抜)
FMは、貸ビル業をはじめさまざまな事業の経営者らに効果をもたらす手法の1つとして発展した概念である。しかし、現在日本国内ではこの管理手法はまだ新しい考え方として認知が遅れているのが現状だ。
この本は、そんなFMの上手な活用法をまとめた導入本である。FMの意義や役割、導入のメリットだけでなく、ビジネスチャンスを捉えるための活用法や国内外オフィスや工場、ホテル等に活用されている具体例などをまとめている。また、どのような企業・施設でFMを導入し、どのような効果があるのかを取り上げるため、導入後の効果をよりリアリティのある形で学ぶことができる。
また、この本の中盤には「たたり」という言葉を用いて、リスクが大きな厄災となった例を掲載している。ビルオーナーに関係の深い例が複数取り上げられており、商業施設における防災設備や構造上の不備による災害の悪化などが掲載。「たたり」となったリスクによって与えられる損害をまとめている。経営戦略や管理方法を見直すきっかけとして、大手企業や有名病院が導入した事例を基に検証してみるのも良いだろう。