不動産トピックス

クローズアップ エコアイテム編

2008.07.28 17:13

 環境への更なる配慮が求められる中、多くのエコアイテムが開発されている。日光を防ぎCO2削減に貢献する製品や、エアコンの調整に役立つ製品など、その種類はさまざまだ。しかし一方で、目立ちにくいために未だ開発途中の分野も少なくない。そこで今回は、省エネに対して従来とは異なる見地から開発されたアイテムを紹介する。

KALBAS エコアイテム貼ってはがせるガラス用目隠しフィルム 業務用サイズを発売開始水を使用する吸着タイプ
 KALBAS(愛知県春日井市)が開発したプライバシー保護フィルムは、ガラス面に使用する目隠し用フィルムだ。表面の清掃時には洗剤ではなく水を使用。また、貼り付け時には霧吹き等で水をガラス面に吹き付け、ゴムへらで水を押し出すようにして使用する。吸着タイプのため、はがして再度貼り付けることが可能。しかも、除去時にノリがガラス面に残らない。
 「素人だけでなく職人でも、ガラスフィルムを貼り付ける際に気泡が入ってしまうことが多々見られます。また、フィルムをはがす際に難点となるのが専用のノリです。はがれにくくするために必要なものですが、除去時にガラス面への施工が必要で、時間とコストがかかります」(道場氏)
 その点、同社が開発した意匠性のあるフィルムは、よれて気泡が入り込んでも簡単に貼り直すことができる。
 「さらに、紫外線を99%以上カットするため内装材の黄ばみや色あせを防止し、赤外線を50%以上カットして冷房効率を上昇させます」(道場氏)
 従来では住宅用として販売されていたが、業務用サイズも発売となった。

ニッケンハードウエア 中小企業向け自作IDカードシステム プラスチックの廃棄量減少 カラープリンタで簡単作成
 ニッケンハードウエア(東京都杉並区)が開発した「ぴたっとカード」は、特殊なシールと貼付器で作成する社員証発行システムである。現在、セキュリティーへの意識向上に伴い、IDカードの枚数も増加している。しかし、発注から納品までタイムラグがあることに加え、コストも決して無視できない。また、素材が原油であるIDカードはゴミとして処分されてしまえば、CO2削減目標や環境配慮に逆行する形になるだろう。
 「さらに、大量のカードを注文する大手企業ならばともかく、中小企業では2〜3枚のセキュリティーカードの入れ替えのみで済んでしまい、1枚あたりのコストがかさんでしまいます」(岡本氏)
 このシステムの使用法は、基本となる名刺大のプラスチック板に、裏紙が付いた社員証シールを重ねて専用機で貼り付けるだけ。しかも、シールの個人情報及びバーコードは、自社のカラープリンタを用いてプリントアウトできるという手軽さが特徴だ。カード入れ替え時に発生するゴミは、シールとその裏紙のみ。設備での差別化が難しい中でのテナント誘致の一助となるのではなかろうか。

ブルー・ジー・プロ トレー式緑化システムで持ち運びも簡単に 高低温に負けない強さ踏みつけ可能な耐久性
 ブルー・ジー・プロ(千葉市中央区)が提供している屋上緑化システム「てまいらず」は、メンテナンスの手間を極力省いた低管理型の緑化システムだ。省メンテナンスの鍵となるのが、トレー式を採用している点。このシステムでは、植物をトレーにセットして栽培し、運送から設置までの時間を削減。また、トレー式のためドレーンに土が流れ込みにくく、屋上を傷めにくい。しかし、植物によってはトレーに押し込めてしまうことで元気がなくなってしまう 種類もある。
 同社では乾燥に強い多肉植物のセダムを採用。この植物は別名メキシコ万年草といい、踏みつけられてもつぶれず元に戻るという弾力性を備えている。
 「セダムの上でランニングというわけにはいきませんが、踏みつけてもゆっくりと持ち上がってきてつぶれたままになりません。また、耐久性が高いため最も温度が上昇する真夏でも青々としています」(松本氏)
 散水は年に3〜5回、肥料も1年に1度与えれば良いとのこと。屋上緑化の維持に必要な水及び肥料の削減によって、環境へ一層の配慮を行うこととなるだろう。




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