不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2008.08.11 15:45
三菱樹脂 施工例最大40%の省エネを実現するクーリングタワー 冷却塔内部の充填材を3段に変更
三菱樹脂(東京都中央区)は、省スペースと最大約40%の省エネルギーを実現したユニット式の角形開放式冷却塔「ヒシクーリングタワーM-Hiシリーズ」を7月30日から販売開始した。
冷却塔は、空調用冷凍機等で使用され温められた水を、ファンで取り込んだ外気と接触させることで水温を下げ、再度冷凍機に使用できるようにする機能を果たす。このため一般的には冷凍機とセットで扱われ、ビルの場合は屋上に設置されるケースが多い。
同社は昭和37年に冷却塔「ヒシクーリングタワーシリーズ」を発売以来、角形開放式をはじめ、密閉式冷却塔、丸形開放式冷却塔など、ビルや工場などの設置場所の状況や必要とされるスペックに対応したさまざまな機種を幅広く展開してきた。そして今回、平成17年7月に販売が開始された「ヒシクーリングタワーM-Riシリーズ」をベースとして、高効率の機能はそのままに省エネ・省スペースを実現する新型モデルが開発された。
従来の「M-Riシリーズ」では、冷却塔内部の充填材は2段構成になっているが、今回発売された新製品では、これを3段に変更し、さらに塔体設計を最適化することで水の冷却効率をより一層高め、同社従来品との比較で最大約40%の省エネルギー化(電力消費の削減)を実現した。また、充填材を3段にすることで、冷却塔の幅方向の長さも短くし、省スペース化も同時に実現している。その他、ユニット単位での現場搬入・設置が可能なため、工期短縮と工事コスト削減も図ることができる。
関東設備機器営業部の伊藤仁氏は「当社のクーリングタワーは様々なオプションを取り揃え、オーダーメイドのような形でユーザーに提供しています。当社が運営するウェブサイト『ヒシクーリングタワーナビゲーター』では、冷却塔の一般知識や同社製品の詳細などを閲覧できるほか、要望に応じた見積もりサービスも行っていますので、ぜひ一度ご覧下さい」と語る。
サンゲツ環境対応と高品質を両立したタイルカーペット 生産から納品までに排出するCO2を25%削減
サンゲツ(名古屋市西区)は、再生材使用率25%以上のエコマーク認定、グリーン購入法適用のカーペットタイル「NT-250eco(エコ・スタンダード)」を7月17日から全国発売している。
このカーペットタイルは使用後も丸ごと繰り返しリサイクルすることができ、循環型社会に対応した環境にやさしい床材である。100%非リサイクル材使用の同程度品と比較して、同製品では生産から出荷・納品までに排出するCO2を11・9%削減する。
また、改修現場から回収した使用後のカーペットタイルは、リサイクル工場でパイル層(表面層)とバッキング層(下地層)を分離せず、丸ごと粉砕・破砕し、新たなバッキングシートを成型する。この無駄のないリサイクルシステムにより、分離に伴うエネルギー消費や廃棄物の削減を可能にすると同時に、「エコ商品は高価である」という既成概念を打破し、ローコストを実現している。
製品のラインアップはデザイン性の高いライン柄、ドット柄、無地など5柄36アイテム。1あたりの価格は6900円から7200円までである。同社では今回の新製品を環境にやさしく高品質な「エコ・スタンダード」と位置づけ、普及に努めるとしている。
リンテック 冷房効率向上に貢献する窓用断熱フィルム 破片の飛散防止と採光性に優れ透過率は透明フィルムと同水準
リンテック(東京都板橋区)は、建物用ウィンドウフィルムの新製品として、透明度が高く、かつ優れた断熱性能を発揮し、冷房効率の向上に大きく寄与する「ヒートカットHCN70B」を7月20日から発売している。
京都議定書の目標達成に向け、温室効果ガス排出量削減に貢献するさまざまな製品・サービスが登場する中、オフィスビルでは高効率の冷房機だけではなく、効率を向上させるための周辺製品がますます求められている。そのような中、同社ではこれまでに販売を行ってきた高級自動車向けのカーフィルム「WINCOSAUTOMOTIVEFILMS」のノウハウを生かし、同製品を開発した。
製品は従来の透明断熱フィルムとは異なる独自の赤外線カット処方により、可視光線透過率を通常の透明フィルムとほぼ同水準を維持しながらも、熱エネルギーの高い赤外線域を大幅にカットする。透明フィルムでありながら、従来にない優れた断熱性能を発揮し、ガラスの採光性を保ちつつ室内の空調効率向上に大きく貢献する。また、同製品は地震などによるガラス破損時の破片の飛散・落下防止にも効果を発揮する(JISA5759に準拠)。
施工価格は1㎡あたり1万6000円となっている。
シャープ 製品は3タイプでさまざまな場面に対応高効率 LED照明発売で市場に本格参入
シャープ(大阪市阿倍野区)は、オフィス・商業施設・工場などの主照明として、蛍光灯と同等の明るさのLED照明を開発、9月1日から販売を開始し照明市場に本格参入する。
現在、国内の業務用・商業用照明が消費する電力量は家庭用の約2倍となっており、省エネで環境性能の高い次世代照明への切り替えが進められている。同社は30年以上にわたりLEDデバイス開発・商品化に取り組み、これまでに培ってきたノウハウに加え、新たに独自の光学設計と放熱設計を取り入れ、今回LED照明器具を新開発した。
製品はストレート型(長方形)、スクエア型(正方形)、ダウンライトの3タイプ。ストレート型はLED照明としては業界最高の74ルーメンで、オフィスや工場の照明に適している。会議室や応接室に優れたスクエア型は、拡散面発光技術により均一な光を演出する。ダウンライトは昼白色・電球色の2色と、それを覆う透明・乳白2種類のパネルにより、用途や設置場所に応じて適した製品を選択することができる。
価格はストレート型が9万4500円、スクエア型が19万9500円、ダウンライトが4万4100円から5万8800円までとなっている。
富士通ゼネラル エアコン用コンプレッサーを開発 内部構造の最適化で省エネ 来年10月の内製化目指す
富士通ゼネラル(川崎市高津区)では、中・大型エアコン用の高効率DCインバータータイプの「2シリンダーロータリーコンプレッサー」を独自の技術により開発、平成21年を目途に内製化する。
近年、エアコンに対する世界各国での省エネ規制は、達成基準値のレベルアップや省エネラベリング制度の採用など、ますます厳しいものとなっている。こうした中で、一段と高いレベルの改善のためには、エアコンの基幹部品であるコンプレッサーの効率改善が最重要課題の一つである。
これまで同社では、コンプレッサーをすべて外部購入してきたが、自社エアコンに最適なコンプレッサーの研究・開発を過去数年間にわたって重ねてきた。今回開発を完了した新型のコンプレッサーは、幅広い負荷変動に対しても高いエネルギー効率を有し、今後の省エネ規制を先取りした設計となっている。
また、コンプレッサー内の構造を最適化することにより吐出油量の半減を実現し、熱交換器の電熱損失の低減を図るとともに、ビルや商業施設などに要求される長配管設置にも対応可能としている。
同社ではコンプレッサー内製化にあたり、タイの同社工場の拡張工事に着手し、平成21年10月の稼働開始を目指している。
日立ビルシステム 業界初のエスカレーター用監視カメラ 美観を損なわないデザインレンタル式で初期費用不要
日立ビルシステム(東京都千代田区)は、業界初のエスカレーター専用監視カメラシステムを開発、8月18日から発売する。
同社では平成8年にエレベーター向けの防犯カメラを商品化し、ビルやマンション、商業施設などに約12万台に及ぶ防犯カメラを設置してきた。今回発売するカメラシステムは、エスカレーターと天井間の狭角部に危険防止用で設置されているアクリル製保護板の手前に、同じ材質の円筒形パイプを取り付けその内部にカメラを収納、ハードディスクドライブ搭載のデジタルレコーダーで約5日間の映像記録を行うものである。これにより、転倒事故などが発生した際に、客観的な事故状況の把握が可能になる。また、いたずらなどの危険行動を抑止する効果も期待できる。
上りと下りが交差配置されるエスカレーターにおいては、上り側エスカレーターの乗り口と下り側の降り口を1台のカメラで撮影することができ、カメラの設置台数を最小限に抑えることも可能である。
システムの導入に際しては、初期費用が不要な月額レンタル方式を利用することができる。カメラ1台あたりのレンタル費は月額7000円で、このレンタル料金には機器の点検・修理などのアフターケアの費用も含まれている。