不動産トピックス
今週の一冊
2008.08.11 15:43
新たな業界再構築に向けて不動産業界の未来像に迫る
2015年の建設・不動産業
著者:野村総合研究所
出版:東洋経済新報社
発行:平成20年8月7日
定価:1700円(税別)
2015年は、日本国内の総世帯数が減少に転じると予測される年である。世帯規模の縮小と高齢化によって家計消費支出も減少局面へと移り、加えて2010年代における地方経済は衰退の道を辿ると予測されている。
本書は野村総合研究所が独自に収集・分析したデータを基に、日本経済の大きな転換点になると予測される2015年に向けた国内不動産市況を読み解くもの。今後数年間は厳冬が続くとされる不動産市場における、企業のシェアや就業者の割合をグラフと共に解説する。
「ガラパゴス化」という言葉を用いて説明される国内市場は、長く隔絶されたために外敵に依然として弱い日本企業の実情が表されている。国内での売上高ランキングと世界中でのランキングの乖離にも触れ、建設会社が利益重視型にシフトする中での建設費の高騰に言及している。
2015年の国内不動産事情の予測はもちろんのこと、現在の実情も詳細なデータと共に把握できるデータ・マニュアル本である。