不動産トピックス

今週の一冊

2008.09.22 17:34

建築物における維持管理マニュアルを最新の知見から解説

建築物におけるIPM実践ハンドブック 新しい理念に基づく総合的有害生物管理
監修:財団法人 日本環境保全センター
編集代表:田中育男
出版社:中央法規
発行:平成20年9月20日
価格:4935円(税込)

 同書は、農業分野でも普及したIPM(総合的有害生物管理)を環境衛生分野でも普及するため、環境衛生分野でIPMに携わった関係者が長年の経験に基づいて記述した集大成の本となっている。平成20年に発出された「建築物における維持管理マニュアル」などの法令の解説だけでなく、現場で使える維持管理水準を収載することで、環境衛生分野の「健康被害」「異物混入」を防ぐため必要な事項を収載している。
 同書の特長として、建築物環境衛生管理におけるIPMについて、法令などに基づいて解説を行っており、IPMを知らない読者に対しても分かりやすく読める。また、基本的かつ最新のIPMの施工方法を示し、薬剤の適正使用や衛生害虫ごとの対応方法を列挙。さらに法令等には記載されていない食品害虫の対応についても収載。現場での活用に適している。第4章「建築物内に発生・進入するネズミ・害虫とその生態」では、ネズミ類、ゴキブリ類などの生態を写真入りで解説しており、日常生活で見かける様々な害虫の防除に役立つだろう。巻末には法律や維持管理に必要な資料が収載されており、PCOや行政担当者、また利用者にとっても必携の書となっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube