不動産トピックス

クローズアップ ASP編

2008.10.27 15:17

 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通じてソフトを利用するシステムをいう。例えば、ビル管理に必要な会計・計算ソフトがあるとしよう。そのソフトを自分のパソコン本体にインストールするのではなく、インターネットにアクセスして利用できるシステムの事だ。使いこなせれば便利なツールも沢山ある。

イーアンドイープランニング 分析診断から実施までをサポート 7つの省エネ支援ツール様々な用途に対応する
 イーアンドイープランニング(東京都千代田区)では、ビルの省エネをサポートする各種ASPサイトを運営している。
 代表取締役、田中稔氏は「ビルは生き物と同じで、日々変化し、劣化します。テナントの移り変わりもありますので、省エネ対策も、それに応じて変えていかなければなりません。しかし設備を入替えるなどの大がか りな施策は頻繁にできるわけではなく、諸設備の細かな、日々の調整や管理が重要なのです」と語る。
 同社のASPは、主に次の7サイトが運営されている。「い〜パスプラン」「い〜管理」「い〜標準」「い〜診断」「い〜原単位」「い〜台帳」「い〜運転」である。
 例えば「い〜パスプラン」は熱源設備の最適設計、最適運用を解析するシステム。「い〜管理」は諸設備の稼働状況などを分析し、「見える化」するシステム。最低限「これだけはチェックすべき」というものがピックアップされているので、初心者にも使いやすい。「い〜標準」は省エネ法に準拠したもので、事業所ごとの管理目標を確定する。「い〜診断」は省エネ対策別に年間のエネルギー消費削減量を算出し、同時に費用対効果も計算できる。

プロパティデータバンク BMなどサポート業者に対応したシステムシリーズ 複数棟でも管理効率向上 オーナーとの連携を強化
 プロパティデータバンク(東京都港区)では、各種不動産運用管理に関する業務支援ツールを開発している。特に「@プロパティ」シリーズは、ASP方式の支援ツールとして不動産関連事業者に幅広く支持されてきたツールだ。
 例えば「ビルマネジメントパッケージ」。同社によると、これはビルメンテナンス業務を大幅に改善するソフトウェアであるという。システムの内容は、日常の業務管理から、クレーム管理、機器・部材・備品管理、メンテナンス計画、エネルギースケジュール管理など、様々な業務に対応している。
 ASPでこのようなビルメンテナンス管理を行う利点は、1棟でも複数棟でも、効率的に管理できる点にあル。また、日々の報告もオーナーと管理会社の間で確実に行われるので、安心感もある。
 プロパティマネジメント会社向けには、「プロパティマネジメントパッケージ」が用意されている。オーナー、PM双方が把握しやすいレポート構成になっているので、より緊密なパートナーシップを築く事ができるだろう。

アンビエンス 独自開発の赤外線検針 業務効率の改善を実現 誤検針の防止にも一役買う
 アンビエンス(横浜市神奈川区)では、電気や水道の検針を、ASPによって自動的に行うサービスを提供している。これは、同社の独自開発による赤外線検針装置で各メーターを検針、ASPを利用して使用料金の計算や請求を行うもの。
 同社によると、用途例としては通常のオフィスビルや商業施設、寮などが想定されているという。具体的には「一括して電力会社・自治体に料金を支払う大口契約をしている建物」や「各室の使用料を計量するために用いる私設の電気・水道メーターが設置されている建物」が該当するとの事だ。
 システムの構成は、まず該当施設に赤外線検針装置を設置。その装置と携帯電話をネットワーク化し、検針を実施。さらにそこで得られたデータを検針・請求業務センターに送信する。センターでは検針表の自動作成やデータ保存がなされ、同時に管理会社などへ情報が伝達される。オーナー側も、こうして得られたデータを元に、検針表や請求書を作成、印刷してテナントに請求できるという仕組みだ。
 同社によると、こうした自動化は業務の効率を向上させるだけではなく、人による検針で起こりうる誤検針の防止にもなるという。




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