不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2005.11.28 17:25
東邦レオ 巻きつけて留めるだけの熱膨張耐火材を発売開始 アスベストや岩綿の代替工法として最適
東邦レオ(大阪市中央区)は、積水化学工業と販売提携し、民間ビルや工場、倉庫などに向けて、吹き付け石綿(アスベスト)や岩綿(ロックウール)などの耐火被覆材に代わるセキスイ熱膨張耐火材「フィブロック」を発売した。
フィブロックは、1・0〜2・5mm厚の薄いシート状のプラスチック系耐火材で、200度以上になると膨張して瞬時に断熱層を形成し、火の進入を防ぐ。人体に有害なハロゲン化合物を含まず、有害ガスも発生しない。岩綿など従来の耐火被覆材より10分の1以下の「薄さ」を実現しており、今年7月には単独被覆による1時間の耐火認定も取得している。
現在、多くの施設で耐火被覆に吹付け岩綿が使用されているが、経年劣化で剥がれ落ちるなどの問題が発生していた。また、石綿との見分けがつきにくいことから、イメージなどの面で、代替工法を求める声は多かったという。フィブロックは、鉄骨などに巻きつけて留めるだけなので養生が必要なく、短い工期を実現している。見た目も明らかに石綿とは異なるため、利用者の安心感も高い。
システム価格は、材工共で1平米当り6000円より。
竹中工務店 「ワイヤレス環境サポート」を開発オフィスビルに向けて無線LAN環境を提供
竹中工務店(大阪市)は、オフィスビル向けに電波の混信や干渉の無い高品質な無線LAN環境を提供する「ワイヤレス環境サポート」を開発し、新築、リニューアルを問わず、プロジェクトでの活用を図る。「ワイヤレス環境サポート」は、建物の周辺の電波環境及び、フロア毎の電波環境の調査を行い、その結果と建物特性を基にシミュレーションを実施。必要に応じて新開発した電磁波シールド技術を駆使して、最適なワイヤレス環境を設計する。建物施工中には格段階での性能検査を実施し、微調整を行い、運用段階でも定期診断を行いながら必要に応じて改善提案を行う。また、建物ごとの特性に合わせた電波の混信・干渉を防ぐための「無線LAN運用マニュアル」を提供する。
なお、「ワイヤレス環境サポート」の開発にあたっては、同社が得意とする各種電磁シールド技術や、電波環境の測定・設計技術を基に、京セラコミュニケーションシステムの無線LANの通信品質に関する測定や設計、アンテナ配置のシミュレーション技術の協力を得ている。また、シスコシステムズの「エアロネット」及び、インテルの「インテルCentrinoモバイル・テクノロジ」搭載ノートパソコンを用いた検証試験を行い、両社より一部機材及び、無線LAN機器の仕様・特性等の無線技術情報の提供を受けている。なお、電磁対策は隠蔽部をオーナーが負担し、テナントは無線LAN安定化の費用を負担する。
きんでん 「ELVシャフト光ファイバーケーブル実証試験研究会」に参画 中野サンプラザで実証実験を実施
きんでん(大阪市北区)は、「ELVシャフト光ファイバーケーブル実証試験研究会」に参画し、「中野サンプラザ」を実験フィールドとしたエレベータ(ELV)シャフト内の光ファイバー敷設に協力した。設計書作成や工程管理、品質管理、関係会社への指示・指導など、技術的事項の統轄を務めながら、技術的課題の抽出や効率的施工の検証を行っている。
既存のビルに光ファイバーを導入する場合には縦系管路がないことも多く、新設には相当なコストが必要とされていたが、本年6月に施行された建築基準法一部改正でELVシャフト内の光ファイバー敷設が自由化されたことによって費用の節減や工期短縮が見込めることになった。また数百芯の光ファイバーを敷設すれば、複数の通信業者の乗り入れも可能で、テナントのあらゆる要求に応えることが可能である。同社は研究参画を通して、ブロードバンド化に必要十分な光ファイバーの最適芯線数の標準化や、テナント、施設利用者に迷惑をかけない効率的工法の検証など、データの収集を行った。この結果は同研究会の国土交通省向け報告書にまとめられ、ELVシャフト内の光ファイバー敷設工法の普及が促進される予定である。
協和エクシオ 改修費用従来比6分の1の電磁波シールド 情報漏えいや機器誤作動防止
協和エクシオ(東京都渋谷区)では、携帯電話、無線LANなどの無線環境の増加に伴うセキュリティ対策として、部屋全体の漏洩電磁波や侵入電磁波を完全に遮へいし通信傍受/妨害、不正侵入を防ぐ「電磁波シールド」を開発。本格的に施工・販売を開始する。
「電磁波シールド」はアルミや鉄などの電気を通しやすい金属シートを使い、電磁波を反射させたり吸収したりすることで電磁波を遮へいし、外部からの通信妨害や通信内容の盗視、不正侵入に対しセキュリティを確保するもの。企業オフィスから各種コンピュータ施設における不正侵入やデータ流失阻止、誤作動防止など電波障害に対するあらゆる問題を解決する。
素材は壁紙をはじめ布、アルミシート、アルミフィルム、ビニールなどをラインナップしているほか、壁装材(壁紙、布、アルミシート)は居住性やデザイン性に配慮し、シックハウス対策を施した約700種類の豊富なデザインから選択できる。
従来工法と比較して総額で新設物件は約半分、既設物件は約6分の1の低コスト化を実現した。
<注目の新技術>三機工業 オープン化でコスト抑えた監視カメラシステムを提案 WEBで設備を統合管理既存設備活かして効率化
三機工業(東京都中央区)では、オープンネットワークを利用することで、低コスト化を実現したセキュリティカメラシステム」の販売を拡大している。
「従来の監視カメラシステムは、リニューアルや増設時に、既存メーカーの制約が多くコストアップする傾向にありました。また、防災システムや入退出システムとの相互運用が図れず、有効活用できないケースも見られました」(浜坂氏)
同社が開発した新システムでは、自由にメーカーの製品を組み合わせたシステム構築が可能で、既存のカメラや配線もインターフェイスを介してデジタル化することにより継続利用が可能だ。これによって、侵入者や異常を検知して警戒を発報したり、侵入者の追尾システム、防災システムとの連動、インターネットを介しての映像監視などが可能になる。
「旧設備を活かして最新機能のセキュリティカメラシステムに更新することが可能です。他にも、Webビル情報監視システム「SBIWOS」との連動によって、電気・空調・防災・防犯設備などビル全体を統合管理するシステムの構築も可能です」(浜坂氏)
三機工業は今後、こうした技術を活かして省コストで最新機器に劣らないビル監視・運営体制を整え、ビルのキャッシュフロー改善をサポートしていく方針だ。