不動産トピックス
クローズアップ 鳥害対策編
2009.01.26 11:08
ビルや施設には、鳥などが生息する上で好都合な場所が多い。特にドバトにとっては本来、生息地であるいわばとビルは形状がよく似ており、格好の停滞場所となる。人害とも言われる鳥害。今回は人にも鳥にも優しい鳥害対策製品をクローズアップする。
エドバンコーポレーション 2000ガウスの磁石で鳥の飛来を防止 建築物の景観損なわず磁石の効果も半永久的
エドバンコーポレーション(東京都渋谷区)は、鳥類退避装置「トリカット2000」の総販売元として全国販売をしている。
同製品は、JFE電磁鋼板(大阪市北区)が開発しており、その特長はステンレスワイヤーに2000ガウスと強力な磁石が取り付けられている点である。その効果について土岐氏は「ハトは地球の磁場を感じて、どんな場所からでも自分の巣に戻る特性を持っています。ですから、2000ガウスの磁石を取り付け、ハトの持つ磁気感覚を狂わすことで、ビルなどの建築物への飛来や侵入を防ぐことができます」と語る。
また、同製品は建物の美観を損なわない、磁力の効力が半永久的である、人体やテレビに無害であるなどのメリットも有している。
同社は広告会社として設立されたのだが、15年前に鳥害対策の調査を依頼されたことをきっかけに環境事業部を立ち上げ鳥害対策の製品を取り扱うこととなった。
「調査を依頼された当時は、都市型鳥害に関するデータが全くありませんでした。ですから、当社が各方面に出向きデータを収集し、鳥害無料相談室も設けました。そういった流れの中、10年前からJFE電磁鋼板の鳥害対策製品の全国販売代理店となったのです」
同社ではこのような鳥害対策の蓄積された実績を生かし、設計・施工も行っている。
アンテック 設置場所や用途に合わせて3つの製品取り揃える 設置事例として空港や駅舎などにも
アンテック(兵庫県尼崎市)は、鳥害対策機器の製造から販売、施工なども行っている。
同社は鳥害対策における製品として、施工場所や用途に合わせて3つの製品を用意している。まず、侵入防止対策の製品として同社が扱っているのは「セルビューシリーズ」。この製品はバルコニーや階段の踊り場などに鳥が侵入して、ねぐらなどを作ることを防止することができるネットである。使用方法は、鳥が侵入する場所にネットを設置するだけ。ネットは極細で軽く、ネットの色も黒なので建築物の美観を損なうことなく鳥の侵入を防止することが出来る。
屋上などのネットを設置することが出来ないような場所に対応する製品として「ビックリショック」がある。これは、屋上などの緑の部分にワイヤーを設置し微弱な電流を流すことで、飛来を防止する製品である。微弱な電流なので鳥にも安全で、ソーラーパネルを使用することでメンテナンスの手間を省くことも可能である。
そして、建築物のちょっとしたスペースに停滞する鳥への対策としては「フェクト45°」が有効である。こちらの製品は軽量で取付け簡単な特殊柵となっており、設置することで物理的に鳥の飛来を防止することができる。
これらの製品の設置事例として、近藤氏は「成田空港や駅前のビルなどに多く設置されています」と語る。
タケ・アーバンス 簡単施工のハト飛来防止用忌避剤 触覚・味覚・臭覚で嫌悪感 人体には害を与えず長持ち
タケ・アーバンス(東京都中野区)は、ハト飛来防止用忌避剤の「ハートジェル」を販売している。
忌避剤とは、害虫や有害動物に対して匂いや味などで、近寄らないよう作用させる薬剤である。従来の薬品の中には、毒性が強くハトを殺してしまうケースもあったのだが、同製品はハトを殺してしまうことなく、ハトに嫌悪感を与えることもなく、安全に長期間効果を発揮する。
耐候性や耐熱性にも優れており、水に溶け出すことなくマイナス20度から150度の温度範囲でも使用可能。塗布面が腐食することもなく、施工部分以外に付着した場合でも簡単にふき取れる。施工も手間もかからず、低コストで効果を発揮することができるので、早急なハト対策が必要な方にも最適である。
その使用方法は、袋に入っているジェルを絞り出して塗布するだけなので、バルコニーの手すりやエアコンの室外機、サッシの水切りなどハトがよく停まる場所へ、簡単に塗布ができる。
塗布方法にもよるが、ハートジェル1本で直線、または波型に塗布する場合、アルミパックタイプ(420g)で5mから7m、カートリッジタイプ(330g)で4mから6mの処理が可能。価格はアルミパックタイプが6090円。カートリッジタイプが5040円となっている。