不動産トピックス
今週の一冊
2009.02.09 15:05
不動産ファイナンスが経済に与えた影響とは
地価融解 不動産ファイナンスの光と影
著者:太田 康夫
出版社:日本経済新聞出版社
発行:平成21年1月22日
価格:1995円(税込)
バブル崩壊後の日本経済に訪れたデフレ。不動産を金融商品化することで、海外から日本に投資マネーが流れ込み、土地デフレから脱却することとなった。そして、不動産ミニバブルといわれていたのは2年前。現在、不動産市況は悪化の一途を辿っている。この数年の間に不動産市場には急激な変化が訪れた。
本書は、不動産が金融商品化することでもたらされた地価の不安定化という問題を克明に描き、地価の未来を展望する一冊となっている。著者の太田氏は本書の目的を「あまり注目されずに進んだ不動産の金融商品化の流れを整理し、金融商品化した不動産がどういうものかを明らかにすることにある」としている。
バブルの生成、不動産の金融商品化、銀行の不動産金融の変遷などが一つひとつつまびらかにされていく先には、日本経済の構造変化とその問題点が待っている。
経済の基礎であり、生活に関わる不動産。その大きな流れを知ることが、今後の日本経済の行方を考える上で大いに役立つのではないだろうか。